発売以来、お蔭様でご好評を頂いております小型スピニングの新製品、『セオリー』。
2004でEXISTと同重量の175gという超軽量に加え、
高い巻き感度を備えた、抜群の回転精度が、ご評価いただいているポイントかと思います。
(ありがとうございます!)
で、これってなんで実現できたの?というところですが、
以前も紹介させていただいた通り、軽量ZAION製エアローターの採用によるところが大きいですが、
もうひとつ重要なポイントとして挙げられるのは、ギヤーの製法。
このセオリーでは、最高級機種に匹敵する、
アルミ『マシンカット』製ギヤーを採用しております。
それが、回転精度の向上に寄与しているわけですね。
といっても、ちょっとわかりにくいかもしれませんので、少し説明をさせてください。
リールに使用されるギヤーの作り方って色々あるわけですが、
一般的なのは、『鋳造』、『鍛造』、『マシンカット』の3種でしょうか。
『鋳造』というのは、たこ焼きやたい焼きのように、溶かした(金属)素材を「型」に流し込んで固めるもの。
つくりやすく、形状も自由度が効きやすいメリットがあります。
『鍛造』は、同じ型を使うのですが、素材を流し込むのではなく、型を素材に押し付け、
高~い圧力をかけて素材を圧縮して、そのままギヤーの形状に変形させるといえばいいでしょうか。
金属の組織をそのまま活かしたまま、密度を高める(圧力によって素材がつぶされているわけですから)
ことによって、より硬くて強いギヤーをつくることができます。
この鍛造も、冷間鍛造と、熱間鍛造があって、
一般的には、熱を加えて圧縮する熱間鍛造よりも、
常温に近い状態で圧縮する冷間鍛造の方がより精度よくつくることができるようです。
さて、セオリーでも使用している、アルミ『マシンカット』製のギヤー。
誤解があるかもしれませんが、
『マシンカット』、といってもこのギヤー、一から削りだしているわけではありません。
(ベイトリールのフレーム等では素材から切削しているものもあります)
製法としては、実は、まず冷間鍛造によってギヤーをつくってしまいます。
これによって、アルミの組織を損なわずに、高密度、かつ高硬度のギヤーが完成します。
しかし、そこで終わらないのが「マシンカット」の由縁。
鍛造製ギヤーの組織を損なわないように、表面のごく薄い部分を精度の高い加工技術により削り取る、
というか磨きあげるような切削をして、理想の歯面へと、表面を整えていくのです。
これが肝、これが所謂『マシンカット』なわけです。
ぶっちゃけた話、リールに求められるギヤーの精度って、他の業界と比べても非常に高いんですよね。
ただ円滑に回転すればいい(大体の業界はそうです)だけではなく、
その回転そのものが、ルアーや魚と釣り人を結ぶ、繊細な接点となっているケースが往々にしてある。
ちょっとしたゴリ、コツ、音、違和感がそれを阻害する。
そして、そのこだわりをとことん追求していくと、
どこかで、鋳造にせよ、鍛造にせよ、型で作れる精度には、おのずから限界がきてしまう。
(なぜなら、やっぱり、型ですから)
それが、ダイワの小型スピニングが、
あるグレード以上の機種に、『マシンカット』製のギヤーを採用している理由なんです。
ダイワのスピニングの回転を表現する際によく使われる
「感度が高い」「前アタリがわかる」「流れの変化を掴みやすい」
といった表現は、こういったギヤーの精度によることも、きっと大きいのだと思います。
◆セオリーで使用されているアルミマシンカットデジギヤ (右奥は鋳造製のギヤー)
「巻き」の釣り、といわれるくらい、エリアトラウトではリールの回転精度が重要視されます。
最高機種に匹敵するほどの回転を、お求めやすい価格帯で実現した、
『マシンカット』ギヤー採用のセオリー、是非お試しください。
P/P事務局:mel
渓流解禁から、はや一か月。
エリアアングラーの皆様の中にも、これからの時期は、ネイティブへ、という方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。
事務局も、年間を通じてエリア、ネイティブ問わず、トラウトを追いかけて一年を過ごしております。
とはいいながら、業務のもろもろで、今年は解禁スタートダッシュに乗り遅れました。
やっと初釣行がかなったのが3月下旬(ちょっと前ですが)、場所はいつものアマゴの里、伊豆の里川。
関東に住む事務局の印象だと伊豆、というと暖かいイメージがありますが、早朝の気温は3℃。
いや、アンダーウェア必須という感じ。
以前、三浦スタッフにこのエリアの気温の話をしたところ、
『だってそこは避暑地ですよ、涼しくて当然です』と。
確かにそうですね。
まずは昨年、いい思いをした本流中流域を狙いますが、不発。
今年は本流用にワイズストリーム62L-3を使ってみました。
ルアーは、小林モニタープロデュースのシルバークリークミノー50S。
62L-3は、ティップの柔軟性が高く、ミノーだけではなく、
低水温時に効果的なスプーンにも向いているように思えました。
都市型ハイプレッシャーリバーをイメージして開発されただけに、
軽いルアーの操作性にたけているのもいいですね。
シルバークリークミノーは、アップストリームでトゥイッチを掛けたときに、スカスカせず、
適度な抵抗を感じるので、事務局のような素人アングラーには操作感がつかみやすいですね。
その抵抗感を感じながら、柔らかく、少しづつスラックを使うことを意識していくと、
従来のミノーより、短い距離で、より多く細かくアクションを加えることができるのかな、と。
(あってるかね開発担当N?)。
また、クロスからダウンのときの抜群の安定感とアクションの小気味よさは、最高。
低水温期には、ステイ気味で誘うことも多いですよね、水面に飛び出さない安定感と、軽やかな動きは、
本当に操作して、見ていて楽しい。
そんなこんなで、新タックルの感触を確かめながら、一日本流から支流まで動きまわったのですが、
残念ながら、魚からの反応が返ってくることはなく。。。
多分ネイティブトラウトを始めた年以来の、解禁ボウズとなってしまいました。
要因としては、数日前に降った冷たい雨の影響でしょうか、水温低下、水も少し濁り気味、雪代かな、
そもそも気温もさっき言った通り低かったし、あー前週の3連休のプレッシャーもあったかも、
そうそう山の上にはうっすらと冠雪が(こういう言い訳って、不思議とすらすらでてきますよね)。
夕方、解禁当初行くとよく釣れる、本流域の放流場所付近も狙ってみましたが、
事務局の腕でも掛かってくれるような優しい魚はすでにいませんでした。
残念ですが、事務局がこの川の、美しいアマゴの姿を見るのには、少し時間がかかりそうです。
事務局:mel