ウィンターシーズンのボトムバイブの使い方

ウィンターシーズンはボトムの釣りがキー

 ウィンターシーズンは、底層の釣りがメインになります。冷たい外気の影響などで表・中層の水温は不安定ですが、底層の水温は比較的安定しています。そのために、トラウトたちが底に溜まりやすくなります。これが、冬の狙いが底層になってくる大きな理由です。底層を攻略するルアーはボトムバイブ、スプーン、ミノー、クランクベイトなどいろいろあります。その中でも使用頻度が高く、基軸になってくるのがボトムバイブです。今回は、ボトムバイブにスポットを当てて、その使いこなし術を三浦敬児さんが詳しく紹介します。

「ボトムバイブはウィンターシーズンには欠かすことのできないルアーですが、冬に限らずに通年活躍してくれます。なので、ボトムバイブを確実にマスターしておくことは、一年を通して釣果アップを後押ししてくれます。とても頼もしいルアーなんですよ」

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DEAZA開発時にはそのテストに深く携わるなど、ボトムバイブに精通している三浦敬児さん

ボトムバイブは、ふたつのタイプに分別

 一言でボトムバイブといっても、ふたつのタイプに分かれます。金属板を採用した『メタルバイブ』と樹脂ボディを採用した『プラグバイブ』です。PRESSOではメタルバイブがDEAZA、プラグバイブがSTEPDARTになります。共に、ボトムに着底させてからボトムバンプなどの縦の動きで誘ったり、ボトムとコンタクトさせながらズル引きで引いてくる横の動きなど、基本操作は同じです。しかし、動きやステイさせたときの姿勢など、それぞれの性能は微妙に異なり、使うタイミングや狙い方が違ってきます。

「メタルバイブはスピーディに鋭くリフト&フォールしたり、細かいけれどピッチの速いバイブレーション(振動)など、全体的にシャープな動きをするのが特徴です。プラグバイブは、少しゆったりとした大きな動きになります。バイブレーションのピッチは細かくないものの、比較的大きな振り幅でナチュラルに動くのが特徴です。

 着底させたときの姿勢にも、大きな違いがあります。プラグバイブは頭の部分だけボトムとコンタクトし、テール側を上に向けた逆立ちの姿勢でステイします。ステイさせていても、その存在をアピールしてくれます。しかし、メタルバイブはベタッと横倒しになってしまい、着底させているときの存在感はほとんどありません。同じボトムバイブでもメタルバイブとプラグバイブとでは、動きやアピールが異なるんです。なので、トラウトの状態を考えて使うタイミングを見極めることが、非常に重要になってくるんですよ」

冬はトラウトの動きに合わせてゆっくり短く

 メタルバイブとプラグバイブ。どちらの方がよく釣れる、というのはありません。状況によって、どちらのタイプの方がいいのかが、違ってくるからです。しかし、ウィンターシーズンに限っては、メタルバイブよりもプラグバイブの方が実績が出しやすくなります。

「冬のトラウトのコンディションは、低水温により動きが極端に緩慢になっています。ルアーに反応しても素早く、また長い距離を追ってくることはあまりしません。メタルバイブのキレのある速い動きだと、すぐに追うのを諦めてしまうんです。なので、メタルバイブよりも優しい動きでアピールするプラグバイブの方が、ウィンターシーズンに向いているんです。ただし、メタルバイブが全くダメ、というわけではありません。メタルバイブのキレのある動きは、リアクションでの誘いができます。プラグバイブを使っている中で、サシ的にメタルバイブを使うことが有効な場合も多いんです」

 ウィンターシーズンのボトムバイブパターンでは、プラグバイブをベースにメタルをサシやワンポイントで使うのがよさそうです。

アクションを複合させて最初にチェック

 操作系ルアーのボトムバイブのアクションは多彩です。ボトムバンプやリフト&フォールの縦の動き。ズル引きやシェイク、デジ巻きの横の動きなど様々です。

「最初は1回のキャストで、いろいろなアクションを織り交ぜてチェックしていきます。最初はデジ巻き、次にリフト&フォール、そしてズル引きといった具合に複合させて引いてきます。その中から、一番反応のいいアクションを確認出来たら、今度は着底からピックアップまで、その動きだけで引いてくるようにします。ブラウンやイワナといったイロモノは別にして、ニジマスの場合は、ずっと一定の動きの方がよく反応してくれるんです」

 ウィンターシーズンも、このパターンで攻めていけばよいのですが、どのアクションもあまり派手に動かさないことが大切。前述したように、冬のトラウトの動きは緩慢なので、ボトムバイブをクイックに動かしても移動距離を短めにするのがコツです。また、プラグバイブの場合は、ステイを長くとるなどして、じっくりと見せて喰わせのタイミングを与えてあげることが効果的なこともあります。

操作性を重点に置いたタックル選び

 ボトムバイブは操作系のルアー。そのため、タックルには操作のしやすさが要求されます。

「ベリーからバットにかけては張りがあって、ティップはしなやかなのがいいですね。ソリッド搭載のロッドとは、かなり相性がいいですよ。私がボトムバイブで釣りをするときにメインで使っているロッドがPRESSO AIR AGS 55M-MTです。ソリッドのメタルトップを採用していて、ベリーとバットは少し張りの強い調子になっています。操作性はいいし、感度もいいメタルトップによって、小さなバイトでも初期掛かりさせやすく、また、じゃれついてくるようなバイトに対しても弾かれずにしっかりとフッキングさせられます」

 ラインはPEPRESSO SensorⅡ+Si0.2号を使用。低伸度でロッドの動きをダイレクトにルアーに伝えやすく、タックル全体の操作性をより引き上げてくれます。

「ウィンターシーズンやトーナメントの試合などで、シビアな動きを出したいときには、エステルのPRESSO TYPE-Eを使うこともあります。低伸度で感度もよく、また水馴染みがいいので、タイトなアクションがつけやすくなるんです」 

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ベリーからバットにかけて張りを持たせていると操作性がアップ。レスポンスのいいロッドアクションが可能になる

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