センシティブチューンはエリアの釣りにマッチ
LUVIASにSTモデルが追加ラインナップされました。STとはセンシティブチューンのこと。当ブログでは、これまでに何回かセンシティブチューンをご紹介してきましたが、改めて解説させていただきます。
ノーマルのLUVIASの回転主要部であるベアリング(BB)はグリス仕様BBを採用していますが、STではこれをオイル仕様BBに変更。オイル仕様にしたことで、繊細かつダイレクトな巻き心地を実現しました。また、ピニオン部のマグシールドを取り除き、可能な限りの軽量化も目指しています。
「ノーマルのLUVIASは、完成度の高いすごくいいリールです。これにSTのチューンナップをしたことで、エリアでの使いやすさにさらに磨きがかかった感じです。BBがオイル仕様になったことで滑らかになったんですけど、単純にスムーズに回転してくれる、というのではなく敏感な滑らかさに仕上がりました。巻き感度が、圧倒的にアップしました。スプーンを泳がせたときのプルプル感や状態は、ロッドではなかなかわかりずらいんです。だけど、巻き感度がいいと微妙な巻き抵抗の違いがはっきりと分かって、スプーンが水を噛んで正しく泳いでいるか、否かがしっかりと認識できます。
また、巻き感度がいいと、スプーンに限らずクランクベイトを使っているときでも、ポンドの水の動きや強さを感じやすくなります。水流が強い場所では巻き抵抗は重くなるし、水流がなかったり後ろから水に押されているような状況では軽くなります。優れた巻き感度は、これを教えてくれるんです。水流が複雑なポンドでは、優れた巻き感度は頼もしい性能なんです」と、今回、LUVIAS STを詳しく解説してくれる三浦敬児さん。
もし可能ならば、ノーマルのLUVIASとLUVIAS STとを使い比べてほしい、とも三浦さんはいう。チューンナップによってエリアでの使いやすさや釣りやすさが、どれだけアップするのかが分かるはずです。
「リールをチューンナップしているエキスパートアングラーって、意外と多いですよね。もっと使いやすくしたいからチューンナップしているんです。購入した時点ですでにチューンが施されているLUVIAS STは、チューンナップの重要性やよさを経験できる恰好のリールだと思います」
LTとSFとの少し異なる個性&性能
LUVIAS STにはLTとSFの2タイプをラインナップしています。それぞれの性能は少し異なり、適材適所でLTとSFを使い分ければ、よりLUVIASのポテンシャルを引き出すことができます。
LT
LUVIAS ST LTには9個のBBが搭載されています。そのうち、回転主要部の6個のBBがオイル仕様になっています。回転性能は敏感な滑らかさです。
「LTは、マイクロスプーンからボトムルアーまで、すべてのルアーをカバーする汎用性が一番の特長といえます。巻きトルクも強く、引き抵抗の大きなディープクランクなんかでも、ストレスを感じることなくグリグリ巻いてくることができます。また、50㎝を超えるようなビッグトラウトがヒットしても、トラウトに主導権を渡すことなく寄せてくることが可能です。
ハンドル1回転で64㎝の糸巻き量(LT2000S-P)があります。トルクを生かした強い釣りだけでなく、メタルバイブやミノーなどのクイックな釣りにもマッチしています。アクションを加えた後に出るラインスラッグを素早く巻き取ってくれて、次のアクションにスムーズに移行することができます」
いろいろなルアーでセンシティブチューンを体感したいのならば、LTモデルが最適といえます。
SF
LTに比べると、ボディが小さくデザインされているSF。それに合わせて、内部のドライブギアも小さくなっており、それがよりフィネスな釣りに特化された仕様となっています。
「マイクロスプーンなどを使った繊細な釣りにマッチした性能です。巻き感度が優れているだけでなく、手感度も優れています。手感度をよくしてくれるのが、軽さです。自重が135g(SF1000S-P、SF2000SS-P、SF2000SS-H)しかなく、タックルを握る手の負担が小さくなります。負担が少ないということは、小さなアタリも察知しやすくなり、それが手感度のアップに直結するんです。
SFを初めて使ったときに、感心させられたのがSFに採用されているHG-I型フィネスノブのグリップです。自分の場合、強くつままずに触れる程度の弱い力でつまむようにしています。弱い力でも違和感を覚えずに指の腹にフィットいてくれて、すごく巻きやすいんです。グリップを優しくつまんでリーリングするアングラーって意外と多いと思うんです。そんなアングラーには、このHG-I型フィネスノブはかなりおすすめできます」
LT、SFに共通の最新テクノロジー
LUVIAS STには、優れた最新テクノロジーを惜しみなく採用し、そのボディに凝縮させています。その中でも特に三浦さんをうならせたのが、AIRDRIVE ROTORとATD TYPE-Lです。
「不要な贅肉を一切そぎ落として、究極ともいえる軽量化を実現させたローターがAIRDRIVEROTORです。この軽さがもたらしてくれるメリットが低慣性。始動がすごくスムーズになりますし、何といっても停止させたときにピタッと止まります。始動と停止を繰り返すデジ巻きでは、驚くほどキレのいい動きを出すことができるんです。
ATD TYPE-Lのドラグ性能も特筆ものです。利き出しが非常にスムーズで滑るようにしてラインが出て行ってくれます。細いラインを使って、ファイトも多少強引にやり取りするトーナメントシーンなんかでは、このドラグ性能は非常に心強く感じます」
性能ではないのですが、三浦さんがたいへん気に入っているのがマットブラックのデザイン。PRESSOのロッドはもちろん、他のロッドにセットしても違和感なく一体化してくれるボディカラーだ、といいます。
「センシティブチューンが施されたLUVIAS STは、その優れた巻き感度によって様々な水中の情報を教えてくれます。情報が多いということは、アングラーがいろいろと考える機会を与えてくれることにもなります。使いやすい、釣りやすいというだけでなくアングラーのレベルアップを後押ししてくれるリールがLUVIAS STですね」