2024年秋にリリースされた WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIM。アクションや使い方といった基本性能は、前回までにこれを開発プロデュースした和田さんに詳しく解説していただきました。和田さんがこのふたつのルアーを開発するとき、泳ぎはもちろん、カラーにも強いこだわりを凝縮させ進めました。今回はルアーカラーの基礎知識、そして、WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIMのカラーについて、和田さんが解説します。
WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIMをプロデュースした和田さん。どちらのルアーにも和田さんのこだわりが凝縮されている。
グローにはグリーンとレッドの2種類がある
グローには、グリーングローとレッドグローがあります。暗闇での光り方が異なる2種類のグローには、どのような使い分けがあるのでしょうか......⁉
「グリーングローは、暗闇でピカッと明るく光ります。対してレッドグローは暗闇でボヤっと赤く光ります。トラウトに対してもこのままのアピールだと考えてください。グリーングローは明るく光る分、アピールをして魚を寄せる力があり、グローで最初に投げるのはグリーングローになります。レッドグローは薄っすらと光るので、食わせのグローになります。寄せるよりも薄っすら光ってアピールして近くのトラウトに食わせる力があるのです。そのため、グリーングローで釣ったあとにレッドグローの出番となります」
同じグローでもこのようなアピールの違いや使い分けがあるのです。
グローや蛍光色、パール、食わせカラーの使い分け
WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIMには、共に同じカラーの10色がラインナップされています。その中にはグロー(蓄光)や蛍光色、パールといったカラーがあります。 それらの使い分けについても解説していただきます。
「グローや蛍光色などは明確な使い分け、ローテーションがあります。具体的にはグロー→蛍光色→パール→食わせといったローテーションです」
それぞれのカラーのアピールを使い分けることで釣果アップにつながるのです。
WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIMのカラーローテーション
「まずは、グリーングローである『胡麻塩グロー』からスタート。次に使うのはレッドグローである『胡麻塩レッドグロー』や『桜ミストレッドグロー』になります。白っぽい膨張色が効いているのであれば胡麻塩レッドグローを使い、もう少しアピールが欲しいときやマッディな水質では桜ミストレッドグローを使うことが多いです。
次に『クリア胡麻塩ライン』にローテーションします。クリアで透けるようなカラーなので少しアピールは落ちますが、うっすらとグローとブルーパールが塗装されているため適度にアピールしてくれる実績カラーです。その後、グローではなくてもアピールのある蛍光カラーにローテーションします。
蛍光カラーのスタートは『Wレッド』から。蛍光ピンクの上に蛍光レッドを重ね塗りした蛍光スペシャルです。トラウトを寄せつつもクリアベースで透けるので、食わせ力も持ち合わせたカラーです。次に『ひよこピヨちゃん』にローテーション。テールが蛍光レッドでボディは蛍光ではないイエローを塗装しているため、イエローで寄せてテールの蛍光色で食わせる狙いがあります。視認性もよくサイトフィッシングにも最適。爆発力を秘めたカラーです。
次にグローでもなく蛍光色でもない、パールカラーの登場です。『スプラッシュオリーブパール』にローテします。このカラーは全体にブルーパールが塗装されていて、ベースはカフェシャーベット系で、クリア、マッディウォーター問わず万能なカラーです。
この後に食わせカラーの出番です。スタートは『トッピングフード』でオリーブとブラウン、イエローの飛ばしカラーがトラウトに食わせのスイッチを入れます。ただ、イエローが入っているので食わせカラーとしては少しアピールがあります。そこで、もっと食わせに寄ったカラーを追加しました。『デリシャスペレット』です。オリーブとブラウンの中間色がベースで、若草色とブラウンを飛ばしているのでアピールは弱まりますが、トラウトに寄り添った食べやすいカラーになっています。クリアやマッディウォーターを問わずに食わせられるカラーは、必ず持っておいた方がいいカラーです」
蛍光ピンクの上に蛍光レッドを重ね塗りし、食わせと寄席を両立しているスペシャルなカラーのWレッド。さまざまな状況で活躍してくれる。
WABCRA Jr.SRとWABCRA SLIMのカラー詳細
それぞれのカラーは、どのようなギミックがあるのでしょうか⁉ 詳細をご紹介しましょう。
胡麻塩グロー/言わずと知れたPRESSO定番色! 明るく光ってアピールをするグリーングローベースに、ブラックとホワイトの飛ばしの明滅が魚にスイッチを入れます。
胡麻塩レッドグロー/ボヤっと赤く光って食わせ力のあるレッドグローをベースに、腹部に食わせのブラウンラインを塗装した胡麻塩カラー。グリーングローとレッドグローのローテーションでさらに釣果を伸ばすことができます。
桜ミストレッドグロー/レッドグローのベースにピンクを背中に飛ばし、腹部には食わせのラインを塗装。ピンクの膨張色が魚を誘いながらも、レッドグローでバイトを誘発させます。
クリア胡麻塩ライン/ラトリンポッピンバグの『クリアライン』とワブクラの『胡麻塩グロー』を融合させた欲張りなコンビカラー。クリアベースの胡麻塩グローに、腹部はクリアラインのカラーを塗装。加えて全体をブルーパールフィニッシュでコーティングした、 水の色問わずに食わせとアピールを両立させたカラーです。
ひよこピヨちゃん/あえて蛍光ではないイエローをベースに、テール部のみ蛍光レッドを塗装して、全体をブルーパールでコーティングしたカラー。和田さんが特にこだわった絶妙な透け感と配色で、アピール力と食わせ力を掛け持ちます。視認性も抜群なのでサイトフィッシングにも最適で。可愛くも爆発力を秘めたカラーです。
Wレッド/蛍光ピンクの上に、蛍光レッドを重ねた蛍光スペシャル。光に透けるとピンクに見えて、角度を変えるとレッドに見える不思議なカラー。蛍光なので遠くからも魚を寄せることができ、クリアな透け感でバイトを誘います。
スプラッシュオリーブパール/カフェシャーベットをベースに、背中にはブルーパールとブラウンの飛ばしで、腹部には食わせのオリーブラインを施し、加えて全体をブルーパールで塗装しました。アピール力と食わせ力を併せ持ち、クリアやマッディを問わない万能カラーです。
トッピングフード/言わずと知れた定番の食わせカラー。オリーブやブラウンの飛ばしの中に、イエローの飛ばしが入っていることで差し色的にアピールをしてくれます。
デリシャスペレット/オリーブとブラウンの中間色がベースで、ボディのみ飛ばし塗装を採用。加えて全体を艶消しフィニッシュにした食わせスペシャル。地味目のカラーは視認性が落ちやすいですが、絶妙な色味を出したことで視認性も持たせています。タフな状況やで口を使わせたいときに効果抜群で、カラーローテーションの中でも必須なカラー。
クリア/ただのクリアが有効な場面も! 塗装のベースにも最適です。
このように、それぞれトラウトの状況に合わせた、こだわりのカラーをラインナップしています。このカラーがあれば、 状況や水質に合わせたローテーションが可能となり、釣れるチャンスが増えるのです。
以上10カラー。和田さんのこだわりのカラーを是非ご体感ください。
胡麻塩グロー
胡麻塩レッドグロー
桜ミストレッドグロー
クリア胡麻塩ライン
ひよこピヨちゃん
Wレッド
スプラッシュオリーブパール
トッピングフード
デリシャスペレット
クリア