文・写真/大野 等(おおのひとし)1969年富山市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
全日本サーフキャスティング連盟・北陸協会岩瀬釣友会所属。

 


今年発売となった「トーナメントマスタライズキスSMT」は、前作から5年の年月を経てモデルチェンジとなりました 

 

商品名にも付いた「SMT」という文字が示すとおり、一番の特徴は、投げ竿初となったスーパーメタルトップ(以下、SMT)を採用したことにあります。
でも、開発に携わらせて頂いている立場からすると、「やっとSMTを搭載した穂先が実戦投入されたか!」という気持ちがあります。

まず、原稿を書くに当たって探し出してきたのが、この写真。


撮影日を確認してみたら、2007年8月10日能登での撮影でした。

当時のロッド企画担当者が手にしているのは、2009年発売となったトーナメントマスタライズキスのプロトモデル。
ここで打ち明けてしまいますが、2007年当時のトーナメントマスタライズキス開発時にも「感度」というキーワードを開発テーマとして掲げていた中、SMTを搭載したロッドも選択肢の一つとしてテストを繰り返し行っていました。(この写真の竿がそのプロトになります)


当時のSMTは、「投げ竿の穂先に採用するには柔らかすぎる」という判断からソリッドタイプの金属素材にカーボンを巻き付けて強度を上げた穂先を、船竿の穂先のように継いだような継穂スタイルで作っていました。

他魚種で実績のある「SMT」ですから、投げ竿に採用してもテストを繰り返して突き詰めていけば「感度」というキーワードに関してはすばらしい物になったのかもしれません。ですが鮎竿やカワハギ竿、エギングロッドのような繊細な穂先では無く、投げ竿というシッカリとした竿の穂先に「SMT」という金属が先端にあるということで、どうしても持ち重りが改善できずにいました。
この課題はクリアすべき内容であり、再検討が必要であるという結論に至り、2009年発売のトーナメントマスタライズキスに「SMT」搭載という選択肢は見送りとなりました。
 

SMTに関して、そこで開発が終わった。。。わけでは無く、トーナメントマスタライズキスが発売された後も、幾度もSMT搭載穂先のテストを行っていました。

 

2013年7月能登半島先端に近い、珠洲市の海岸。


 

並べられた3本のロッド。
1本はトーナメントマスタライズキス、そして2本のプロトロッド。
「今日は実釣で使ってみて、何か違いが感じられるか試してみて下さい」と、企画担当者から告げられました。

実際に使用してみると「どれも同じロッドに感じるのだけれど、1本だけ、何となく穂先に感じる余韻が違う?」というのが第一印象でした。同行のロッド設計者と企画担当者から、「実は、プロトの2本はトーナメントマスタライズキスと基本設計は同じで、使用しているカーボン素材の変更したもの。大野さんの感じられた「余韻が違う」という1本には、穂先にSMTを巻き込んであります」とのネタばらし。

「以前、SMTは穂先の持ち重りの問題で見送りになったはずでは?」と質問してみると、

「今まではソリッドタイプのSMTしかなかったのですが、新たに中空のSMTが出来ました。まずは投げ竿と鮎竿に先行して採用したいと考えています。以前は継ぎ穂スタイルでしたが今回は穂先にSMTを巻き込んだ状態で搭載しようと考えています。この状態で、SMTの有無で何か違いが感じられるか?というのを、試しに来ました!」と告げられました。

結果的に、違いが感じられると確認が出来たため、中空のSMTという新素材を搭載した新しいトーナメントマスタライズの開発がスタートとすることになりました。 



トーナメントマスタライズキスSMTを穂先側先端から覗き込むと中空の金属素材が見える。

トーナメントマスタライズキスを開発していた頃は、トップガンなどを使用してキスのアタリがより明確に出ることを追求していました。ところが現在はフロート系のシンカー使う人が多くなってきています。
フロート系シンカーを使うとキスのアタリが明確に出るようになりますが、錘の引き感が軽くなっている分、針先に掛かるテンションも低下するためキスのアタリに対するフッキング力は低下します。フッキング率を上げる手立てとして、絶えず穂先でテンションキープを行うことが必要になってきます。
となると、硬い穂先よりある程度海底の砂紋に対して穂先が追従してくれるようなしなやかさがある方がフロート系シンカーを使う上では都合が良くなります。単純に穂先を柔らかくするだけでは、アタリの出方は鈍くなるのでそれは採用できない。それを補うのにSMTが最大限効果を発揮するんです。
    
 SMT=超弾性チタン合金は、非常に高い復元力を持っており、SMTを使った穂先はカーボンだけで作った穂先では為しえない、独特のしなやかさを備えます。このしなやかさがフロート系シンカーを使う上では非常に相性がいいんです。



 
 

SMTは、素材特性として振動の持続性があります。その優れた特性よって、しなやかな穂先でもアタリを明確に手元まで伝えてくれます。トーナメントマスタライズキスSMTは、感度だけでは無くて元竿を長くすることで、初速を上げて飛距離を稼ぐ新たな遠投理論を採用し、飛距離と感度というトータルバランスに優れた、新たな時代のトーナメントスペックのロッドとして生まれ変わりました。
 


このように、投げ竿にSMTが搭載されるまでには、長い年月の開発によって実用化にたどり着いた、というヒストリーがありました。
一切の妥協のないダイワのモノ作りに、今後も期待していただきたい。 
 

今回の投魂物語は、よりダイワテクノロジーを知っていただきたい!という気持ちから「AGS」を題材に挙げてみました。

そもそも、AGSの略ってご存知でしょうか?

即答できる方は、正直そう多くないと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エアガイドシステム」の頭文字を取って、AGSです。

ぜひ覚えておいていただきたいテクノロジーです。

 

 

AGSは2010年にルアーロッド用として誕生し、まだ5年ほど。投げ専用として登場したのは2014年のため、ようやく2年目といったところになります。

当然「AGSって何?」とまだまだ知らない方が居て当たり前で、興味はあっても使用したことないキャスターの方も本当にたくさんいらっしゃると思います。また既に御使用になられているキャスターの方から、いろいろな話を伺えました。

 

2014年、新生トーナメントキャスターAGSから、キャスターの皆様に初お披露目。(それまでのトーナメントキャスター=赤のイメージを覆す、まさかのブラック仕様)ただ単にAGSガイドを付ければいいという問題ではなく、様々なダイワテクノロジーの融合により、実現できた賜物です。

 

また、2015年春発売となった「トーナメントマスタライズキスSMT」ですが、サプライズの「AGS取付工賃無料キャンペーン」で盛り上がりを見せるなど、ここ2年はAGSに釘付けだったのではないでしょうか。(正直なところ、このキャンペーンに関しては想定以上の応募があり、こちらも驚きが隠せませんでした。)

おかげ様でどちらの機種もフィールドでよく見かけるほど、キャスターの皆様に愛用いただけおり、改めて、この場をお借りして御礼申し上げます。

 

 

AGSの魅力とは?

「キャスト性能アップ」

ガイドが軽くなることで、シャープに振り切れることによりシンカーの初速が上がり、

また、竿ブレの収束スピードの向上から飛距離伸長に繋がります。

 

「感度」

軽量化によりブランク性能が一層引き出せ、また剛性も他に類を見ないほど高く、

ラインを通して伝わる信号を吸収することなくダイレクトに伝達します。

この2点に集約されると思います。

 

飛距離に関しては、実際にガイド仕様差で飛距離が伸びるのかを検証。

結論付けるべく、協力いただいたキャスターの実測値も隠さず記載しています。

ガイドを変えるだけ!で、この結果↓。

 

 

これは驚愕の結果でした。

白ギス釣りにおいても、射程距離が広がるメリットは計り知れないと思います。

 

まだまだAGS搭載機種が少ない状況ですが、今後も試投会などで体感できる環境作りは継続していきたいと考えております。試投会の際は、ご自身でお持ちのタックルを持参いただければ、更に違いが体感できるかと思いますので試してみてください。是非各地で開催される試投会へ参加される際は忘れずに。日程等はHP条や販売店様での告知も入りますので、欠かさずチェックのほどよろしくお願い致します。

文・写真/高橋明彦 1965年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。DAIWAフィールドテスター。第12回SBC投げ決勝大会で6年振りに優勝を手にし、これまでで4度の優勝を果たす。日本サーフキャスティング連盟神奈川協会。茅ヶ崎サーフキャスティングクラブ会員。 

 

9月20日(日)、鹿児島県日置市の吹上浜にて第12回ダイワSBC投2015全国決勝大会に参戦し、念願の優勝を果たすことができました。ここで応援いただきました皆様方に御礼申し上げます。


 振り返ると第1回大会では巨ギスの聖地である鹿児島県内之浦海岸で始まり、今回の吹上浜でダイワSBC投12年の歴史に幕を下ろしました。結局、鹿児島で始まり鹿児島で終わったのですね。


  ダイワSBC投大会については、たくさんの思い出でいっぱいです。
   第1回大会では桜井選手が尺ギスを釣り上げるハプニングが起こり驚かされました。第4回大会の長崎県千々石(ちぢわ)海岸では前夜祭は開催されたものの、大会当日に天候が急変し翌年に延期となったこともありました。第6回大会の長崎県千々石海岸ではマイクロピンギスを足元で横歩きしながら拾う釣りもあれば、第8回大会の釜谷浜では古牧選手の10色ラインでのキスパラダイスにも驚かされました。第9回大会、10回大会を連覇されました早坂選手もここ最近メキメキと腕を上げており、来年度以降も対戦が楽しみです。
 
  

本大会を通じて多くの方々との出会いがあり、たくさんのことを学び、そして素晴らしい交友を持つことができました。本当に感謝します!
 来年度からダイワSBC投大会は、新たに『第1回ダイワキスマスターズ』として生まれ変わります。
きっと今まで以上に盛大な大会になることでしょう。そして優勝するチャンスは誰にでもあります。
大会常連の方も、大会に出たことのない方も奮って参加していただくことで、来年度からのダイワキスマスターズは更に盛り上がります。是非とも一緒に盛り上げていきましょう。

最後に12年間SBC投を支えていただきました主催者並びに運営関係者の皆様、本当にありがとうございました。 

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