文・写真/中本嗣通   1959年大阪府生まれ。DAIWAフィールドテスター。投釣倶楽部大阪会長。投げ釣りの他、ビートルズ、昭和のプロレスを愛する。
 
 
 今シーズンの個人的なシロギス釣果はことのほか好調で、もう数匹の尺近い大ギスや数釣りといった好釣果を上げています。しかし、キャスター仲間の話では今年の関西圏の釣り場ではシロギスが不調らしく、とくに淡路島エリアでは例年になく絶不調とのこと。いつものことですが、他人様が「アカンなぁ…」というターゲットが好調に釣れる傾向が強い僕は、よっぽどヘソの曲がったヒネクレ者やという証拠でっしゃろな。しかし、梅雨が明けとなればいよいよ“真夏の投げ釣り”が本格的にスタートします。そうなると釣況もイッキに好転し、青松白砂の美しいサーフでは渾身のフルキャストで多点掛けしたシロギスを波打ち際から次から次へと引き出す正調な「夏の投げ釣り」を楽しめるに違いおまへん。
 
 …でも、チョット待っておくんなはれ。剛力タックルで遥か沖を攻めるばかりが夏の投げ釣りではおまへんで。そォ~う、夏の高水温で活性を上げた投げターゲットたちはエサを求めてビックリするほど岸近くにまで回遊してきよります!そのために、チョイ投げのファミリーが足元で「…アッと驚く為五郎ォ~♪」的な大物を釣り上げるケースも間々ありまっからネ。つまり、お正月のカレーCMのように「遠投もイイけど、中~近投もネ?」ってことで、この夏はもっと中~近投ポイントに注目してやれば思いのほかにオモロイ投げ釣りを楽しむことができるかも知れまへんで。
 
 
 てなことで、そんな中~近投ポイントで良型のシロギスやクロダイ、うまくいけば大型のマダイも狙える京都府 宮津湾の「田井一文字波止」へ単独で釣行したのは6月初旬のお昼過ぎ。平日釣行ということで先客もまばらな状況だったため、スンナリとA級ポイントである北端に『サーフスタンド750』を設置できました。
 
 
 
 
 まずは、タックルの準備から!軟らかい穂先で鋭いアタリに追従する2本の『TOURNAMENT SURF T』25号-425・Wに2018年のNEWモデルである『18POWER SURF SS 3500QD』をセット。
 
このリールには『UVFサーフセンサーNEO+Si』3号を200m巻き込み、その先には『UVF棚センサーブライト+Si』6号×10mを力糸として結びます。
 
 オモリは遊動L字天秤に『フロートシンカ―G』23号を装着したモノを使い、キス針の3本針仕掛けにチロリを刺して軽くキャストしてやりまっせ。ちなみに、この釣り場は足元から10m以上の水深があるので、キャスト後にシッカリとラインを送り込まなければオモリが手前へ戻ってきて「ポイント呆け」を引き起こすので要注意ですわ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 50~60mラインにある砂底のカケアガリで丹念に仕掛けをサビいていると、ファーストキャストから赤サーフの穂先が“クククッ”と鋭く絞り込まれます。その刹那に手首を返して合わせを入れると、軽い重量感が柔軟な赤い穂先をクイッと曲げてくれましたで。巻き上げ途中にも“キュキュッ”とシメ込む引き味を楽しみながら巻き上げてくると、まるでサンダーバード2号のような濃緑色のフロートシンカ―に続いて浮いたのは美しいパールピンクに輝く良型シロギスの23センチでっから、思わず昭和47~48年当時に全盛だった天地真理みたいな(?)可愛い笑みをこぼすオッサンでっせ。
 
 しかし、その後はアタリ一つない退屈すぎるブレイクタイムが続きます。再び赤サーフの穂先にハッキリとした魚信が出るようになったのは、ちょうど夕マズメに干潮の潮止まりから満ちへと動くタイミングが重なった午後6時前。この好条件に活性を上げた18~24センチのシロギスや20~25センチ前後の小ダイ、掌級のマコガレイやカワハギ、25センチ級のアオハタにキューセンといったバライティーにとんだ獲物が途切れることなく次々とハリに掛かってくるので、もォ~う、忙しいこと、忙しいこと…。
 
 この時合で感じたのが『18POWER SURF SS QD』のメリット。とにかく軽さにはビックリ仰天? 軽量さに加えて25mmストロークのコンパクトなボディは取り回しがよくて扱いやすく、スムーズな打ち返しを可能してくれます。だから、こんな入れ食い状態においてもモタつかずに次のキャストへと移れたので、時合を逃がすことなく釣果を積み重ねられた一因やと思いますわ。また、軽量&コンパクトであるがゆえにキャリー性も向上しているので、釣り場へ持ち運ぶ負担をグッと軽減してくれているのもありがたおますわ♪
 
 それだけに、少ないキャストでイチ早く答えが出るシロギスやカワハギといったターゲットを“ラン&ガン”で釣り歩くパターンにおいても、持ち疲れを軽減してくれる『18POWER SURF SS QD』はバッチ・グゥ~でっせ。さらに、25mmストロークにもかかわらず35mmストロークを上回る「ハンドル1回転=94センチ」という巻き取り長さを活かしてスピーディーかつ効率的にポイントを攻めることも可能なので、次々と新たな釣り場・ポイント移動して釣り探るスタイルにはドンピシャやといえまっからネ?
さてさて、目が回るほどの忙しくて楽しい時間が終了すると、こんどは大物用仕掛けに交換してアタリを待つことにします。特に薄暗くなる日没直前~直後の時間帯がポイント周辺にマダイが回遊してくる最大のチャンスなので、「ドリァ~?」と気合を入れ直して赤サーフの穂先を凝視し続けます(ナントいっても過去には60~70センチオーバーの大ダイ級も数多く釣れてまっから、イヤが応でも期待が大きく膨らみまっせ)。
 
…がしかし、この日は見事に空振りです。夜投げの好時間帯も嫌なウミケムシとゴンズイに邪魔をされ、わずかに20~26センチの小ダイ数匹が釣れただけの寂しい釣況に落胆したオッサンは、深く座った折りたたみ椅子にもたれて「夢の中へ行ってみたいと思いまへんか?」といつしか熟睡してしまいました…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 夜明け前に肌寒さを憶えて目覚めると、戦闘再開です。徐々に周囲が薄明るくなっていく中、型物のシロギスを求めて赤サーフ1本で一文字波止の内向きをラン&ガンで攻めていくと、20~23センチ級を5~6匹ほど追加します。…が、残念ながら狙いの大型と呼べるサイズは顔を見せてくれないまま予定の納竿時間を迎えましたで。
 
 釣り座に戻って後片付けをしていると、『サーフスタンド750』に残っていた1本の赤サーフの穂先が不意に引き込まれます。…と同時に、『18POWER SURF SSQD』からカン高いドラグ音を鳴り響く激アタリが登場。素早くQDをシメ込んで大きく合わせをブチ入れると、赤サーフが綺麗なカーブを描いて「オッ!?」と思える重量感が手元へと返ってきよりましたで。
巻き取り途中で派手に頭を振って何度も穂先を締めこむ強い抵抗をみせて海面へ浮いたのは、ギラリッといぶし銀に輝くクロダイ。一匹¥250もする高価な本コウジに食ってきたコイツは42センチという良型でっから、こんどは昭和のTVドラマ『前略おふくろ様』でカスミちゃん役がメッチャ可愛かった坂口良子の天使ような笑顔を浮かべて迎えの渡船へ乗り込むオッサンなのでありました?
 
 …てなことで、残り福のエエ魚が釣れてご機嫌のうちに納竿できた今回の釣行ですが、最後に25mmストロークのコンパクトボディにも拘らずヘビー級のクロダイの剛力にも力負けしないで楽々と寄せた『18POWER SURF SS QD』のパワフルな巻き上げを体験して「これは使えるリールや?」と実感。
 
 まっ、100mを大きく超える超遠投ポイントを攻めるには35mmストロークが有効。100m前後までの投点ならば充分にカバーでき、しかも軽量&コンパクトかつパワフルな巻き上げ、クイックドラグや最先端の防水・耐久テクノロジーであるマグシールド、リニューアルされた糸落ち防止機構等などの充実した装備をまとった『18POWER SURF SS QD』は、まさに釣り場の条件やキャスターの使い方によっては「投げ釣りの新たな選択肢」としての活躍が期待できる魅力的な投げ専リールやと思いましたで♪
 
文・写真/高橋明彦 1965年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
  日本サーフキャスティング連盟神奈川協会。茅ヶ崎サーフキャスティングクラブ会員。
 
 
 
 
【グランドサーフ25】
今年は3代目スカイキャスターの登場で、更に元竿節長設計のロッドが出揃いました。
さらにはトーナメントサーフ35も加わるなど新製品の話題で盛り上がっています。
そんな話題沸騰の中、密かに注目されているのがグランドサーフ25です。
一見、投げ専用リールとしてはコンパクトサイズという以外は華やかさやインパクトは感じにくいかもしれません。
しかし、このリールの注目すべきところは投げ専用リールとしては異例の高速巻き上げが可能なところなのです。
具体的には16トーナメントサーフ45の巻き上げ量がハンドル一回転あたり75cmに対して、グランドサーフ25は94cmも巻き上げることができるのです。
仕掛けの回収速度にすると25%UP
私自身、30年間45シリーズを使い続けていますが、こんな小さなボディで高速巻き上げができることに少し衝撃を受けました。
 
 
では、グランドサーフ25は実際にトーナメントでも使えるのでしょうか?
答えはキッパリ十分使えます!
もちろん遠投時用にトーナメントサーフも兼用することがベターですが、グランドサーフ25を利用するケースとは機動性を必要とする場面だと思っています。
つまり近投の釣りに適していると考えています。
そもそもトーナメントでは遠投の釣りもありますが、近投の釣りも多いものです。
すべてのトーナメント会場では、シロギス釣りが最盛期に開催されますので、シロギスも十分接岸します。
 
そこで効率よく接岸したシロギスを釣り上げるには、何よりも手返しと釣り座移動の見極めの早さだと私は思います。
こんな状況下で道具として手助けできるのは、軽量かつ早巻き可能なリールではないでしょうか。
つまりグランドサーフ25なのです。
 
また、25mmストロークの替えスプールもコンパクトですから手荷物も小さくすることもできるので釣り座移動も楽になりそうです。色々考えると価値のあるリールだと私は思います。
 
一方、16トーナメントサーフ45と比較した場合のデメリットは、リーリング時の滑らかさは明らかに劣ります
価格の差としても当然なのですが、これは大した問題ではないと思います。
何故なら近投の釣りではシロギスのアタリも明確に感じられるものです。そのような条件下であれば、グランドサーフ25でも十分にシロギスの前アタリも感じ取れるので、この点については全く不便さを感じていません。
 
合わせて、糸落ち落下防止機能は当初は不要と思いましたが、手返しを最優先させる近投の釣りの場合、焦りも加わって万が一でもトラブルを起こしてしまっては元も子もありません。そういう意味で手返し優先の釣りには、糸落ち落下防止機能は安心できるアイテムだと判断できます。
 
今回デビューしたグランドサーフ25は、トーナメント時の近投釣りには100%の実力を発揮できるリールではないでしょうか。
私も今年からグランドサーフ25をトーナメントサーフと同様に主力リール使っていく予定です。
文・写真/高橋明彦 1965年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
  日本サーフキャスティング連盟神奈川協会。茅ヶ崎サーフキャスティングクラブ会員。
 
 
 
 
【スカイキャスター】
何気に青竿と名付けられ幅広い年齢層の方々から好かれ親しまれているスカイキャスターが今年モデルチェンジしました。長らく待ったよ!という声も聞かれましたが、ようやくリリースすることができました。スカイキャスターは、今回で3回目のモデルチェンジになります。
 
 
そもそも。このスカイキャスターは万能投げ竿的なイメージで高度なマニア受けではないと感じている人も多いかと思います。しかし、スカイキャスターは実のところ機能的には非常に高いポテンシャルを持ったロッドなのです。
その一つがです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
初代トーナメントマスタライズキス開発時にシロギスの感度を加速度センサーによる振動レベルとして数値化しました。その後いくつものロッドにおいても計測しています。
 
詳細データは非公開ですが、感度という面ではこのスカイキャスターは非常にハイレベルであったこと。
もちろんその後の仕様に関しても基本的な要の部分は継承し、今回は更にAGSという振動伝達性の高いカーボンフレームを採用することで、感度が飛躍的に向上しているのです。
もちろんSMTを採用したトーナメントマスタライズキスの感度とは異なりますが、魚を判別するために特化した感度という面では、これ以上のロッドは今まで感じたことはありません。
 
 
先日、各地域で試投会が開催されました。私は酒匂と大磯に参加させていただきましたが、皆さんスカイキャスターを振られた印象を聞くと、「意外とロッドの張りが強い」という意見の方が多かったです。
ロッド材質はHVFナノプラスですが、他のSVF仕様のロッドよりハイテーパー仕様に出来上がった分、元はしっかりした印象だったと思います。
 
 
更に元竿節長設計も加わっていますので昨年発売された細身のトーナメントプロキャスターよりロッドの張りが強いと感じられたのではないでしょうか。
 
その反面、ロッドの素材に粘りがあるため絶妙な粘りでほどよい“間”があり、コントロール性も高く、試投会でのトラブルも例年より少なかった印象です。この神奈川の試投会では常に諸先輩の皆様方が裏方の仕事を自主的に手伝っていただき本当に感謝申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
さて、最後に今年も私のメインロッドとなりそうなスカイキャスターAGSですが、今回チョイスしたのは30号-425と33号-425です。相変わらず425を好んで使用しています。
今回、2018投魂カタログやスカイキャスター製品WEBページでも語りましたが、もう少しシンプルな言葉で表してみます。
 
その理由は、私自身が投げ釣りに爽快感を求めているのかもしれません。
 
ロッドが長い分、ゆっくりと大きく曲げて弓のようにオモリを弾き返す雰囲気でスイングするのが大好きです。
 
そういう意味ではHVF素材は私にやさしく、425という長さは尚更その感触を最大限に得られやすいのです。
それと、競技会に於いては、当然ですが長い仕掛けを絡ませない&ハリに装着したエサの脱落を防止するためにも、ロッドは長く、そして大きく円弧を描くように徐々に加速させスイングした方がベターだと感じています。
 
私がスカイキャスターを競技会で選択している理由はそれがすべてです。
 
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