和田プロ監修でテストしたニューモデル

PRESSO-LTD AGS2モデル、 PRESSO AIRにも2モデル。 都合4モデルが追加ラインナップされます。 前回はPRESSO-LTD AGSに追加される55XUL-Sを高田プロに解説していただきました。 今回は同じくPRESSO-LTD AGS 61MLFを和田プロがご紹介します。 61MLFは和田プロが監修でテストを繰り返したロ ッドです。

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ニューモデルは18PRESSO 61MLFの進化バージョン

 「トーナメントでもプライベートでも、 信頼して使い続けてきたお気に入りのロッドのひとつに18PRESSO AGS 61MLFがありました。 今回、 PRESSO-LTD AGS に追加ラインナップされる61MLFは、 この進化バージョンといった立ち位置で開発してきたモデルなんです」

LTD AGS 61MLFの進化を後押ししたのが、 ダイワの誇る最新のロッドテクノロジーです。 そのひとつが 『SVFナノプラス』です。 従来の超高密度カーボンSVFDAIWA独自の製法を取り入れることで、 圧倒的ともいえる高強度と軽量化を両立させました。

SVFナノプラスの搭載は、 大きいですね。 これによって、 ポテンシャルが格段に上がりました」

18PRESSO AGS61MLFでは、 グリップ素材にコルクを採用していましたが、 今回の61MLFではPRESSO-LTD AGSのすべてのモデルに搭載されている 『中空軽量高感度グリップ』 が採用されているため、 手感度の向上にも繋がりました。

 「これも、 旧モデルに比べると、 飛躍的に性能を向上させた重要なテクノロジーのひとつです。 PRESSOLTD AGS 61MLFは、 当初想像していた以上に大きな進化を遂げることができました」

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既存のMLとニューモデルのMLFとの違い

  今回追加された61MLFの他に、 PRESSO-LTD AGS には61MLがすでにラインナップされていますが、 それぞれの性能は大きく異なります。

61MLFは、 低伸度のPEやエステルの使用を前提として開発をしました。 そのためティップはかなり繊細 で、 低伸度のラインの伸びない部分をティップが吸収してくれるので弾きにくいです。61MLは少しだけティップが入るテーパーなので、 ラインを問わずナイロン、 フロロ、 PE、 エステルと万能 に使用できます」

61MLFFはファーストテーパーの 『F』で、PEやエステルに特化させて使用する場合は61MLF、 ライン問わず万能に使用する場合は61MLという選択 になります。

 「低伸度ならではの感度のよさをいかして、 アタリを感じたら弾かずに、アグレッシブに掛けていきたい、 というのがこの2つのラインとの相性をよくさせた理由です」

 ルアーの関しては、 特に相性のいいルアーが1.63g台のやや重ためのスプーン。 フルサイズなど引き抵 抗が大きめのクランクベイト。 そして、 浮上系のロングリップのミノーが、 61MLFと相性のいいルアーになります。

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キャストや取り回しのよさでこだわる6フィート1インチサイズ

 使うアングラーによって個人差はありますが、 和田プロは巻きの釣りにおいて、 6フィート1インチが一番扱いやすいサイズ、 と感じています。

 「ルアーをコントロールするときの操作性、 ランディングのときにトラウトの動きをいなすロッドの取り回しやすさ。 そして、 キャストのしやすさなどトータルに考えたときに6フィート1インチが一番しっくりいく サイズだと思っています」

61MLFは、 キャストフィールが抜群です。 6フィート1インチという長さもさることながら、 ブランクのしなりや反発力が絶妙に調整されているからです。

 「軽くて振り抜きやすいというのはもちろんですけど、 ルアーのウェイトをバット部に乗せやすいんです。 そこから反発力を生かしてスパンとキャストすることができます。 比較的軽めのルアーでも、 思っている以上に遠くへ飛ばすことが可能です」

  沖を直撃したい状況では、 この優れたキャスタビリティは頼もしく感じられるはずです。

繊細なティップと張りのあるバットが絶妙のバランスを細部に至るまで妥協を許さずにテストを繰り返し、 その中でも和田プロが特にこだわったのがチューブラーティップのフィーリングとバット部分の張り具合です。 ティップはショートバイトでも、スッと初期掛かりさせられる繊細な柔らかさを求めました。 また、 絡みついてきたり、 強めのバイトでも弾かない柔らかさも重要になってきます。

 「しなやかさだけでいけばソリッドもありなんですけど、 引き抵抗の大きいルアーの場合、 バイト時に少しティップが入りすぎてしまうこともまれにあるんです。 そのため、しなやかさを持たせたファーストテーパーのチューブラーを選択。 様々な調子のティップをテストし、 感度もよく、 理想とする繊細なチューブラーティッ プを採用しました」

  バットの張り具合は、 MLとしては比較的マイルドなフィーリングで、 こだわりを持たせています。 具体的には キャスト時やファイト時など、 ある程度の負荷が掛かったらナチュラルに曲がってくれる調子になります。 それでいて、柔らかくはない粘りのある張りです。

「張りがなさすぎると、 操作系ルアーを動かすときにアクションが緩慢になって、 思い通りの動きをルアーに与えずらいです。 また、 遠投時のバイトがあってもタイムラグが発生して、 瞬時に掛けていくことも難しいです。 逆にバットが極端に硬くなると、 ファイト時の追従性が悪くなって、 魚が暴れやすいというリスクが上がってしまいます」

  繊細なティップ。 そして、 マイルドかつ粘りのある張りを持たせたバットセクション。 これらを絶妙なバランスで備え、 積極的に掛けにいくようは強気の釣りをしっかりとサポートしてくれるロッドフィールです。

 「最新のDAIWA技術を詰め込み、 進化した61MLF。 プロトモデルをトーナメントでも使用して早速成績を出せている実績のロッドです。 是非ご期待ください!」

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PRESSO-LTD AGSには『55XUL-S』と『61MLF』。そして、PRESSO AIR AGSには『55M-MT』と『510UL-E』のそれぞれ2モデル、都合4モデルが新たに追加ラインナップされました。この4モデルを3回にわたり、ご紹介していきます。今回は、55XUL-Sを高田達也さんが解説します。

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5フィート5インチのショートサイズがもたらすメリット。

 パワーは、軟調子のXUL(エクストラウルトラライト)。XULは現行のPRESSO-LTD AGSシリーズでは初めての採用で、先代のPRESSO-LTD AGSにラインナップされていた55XUL-Sの進化バージョンといった位置づけになります。

XULというパワーの表記だけを見るとソフトなロッドフィールに思われますが、実際に使っていただくと、それほど柔らかい、といった印象は受けません。サイズが5フィート5インチと短いこと。それと、単純に柔らかくしているのではなく、張りを少し抑えた柔らかさで設計しているからです。使っている感覚としては6フィート前後のUL、といったフィーリングになっています」

 5フィート5インチのショートサイズにすることで、取り回しが圧倒的によくなっています。トラウトがヒットしてからのロッド操作がしやすく、トラウトの動きをいなしながら主導権を握って寄せてくることが可能。また、ロッドを引き寄せてネットランディングするときも、取り回しやすいショートサイズだとスムーズにトラウトをネットに収めることができます。

「ネットインさせる直前って、ロッドのしなりを十分に生かすことができないんでバラしてしまうリスクが大きくなります。でも、それを最小限に抑えられるのがこのサイズなんです」

 サイズが短くても、飛距離への影響はほとんどありません。昨今の優れたロッドテクノロジーによって優れた反発力を実現させ、短いサイズでも十分な飛距離を確保してくれます。

「短いことにより、キャストしたときの振り抜け感は、かなり上がっています。気持ちよくキャストを繰り返せますし、キャストコントロールのアキュラシーも上がっています」

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ショートサイズ、ソリッド、XULのバランスが絶妙。

 ソリッドティップのMEGA TOPを採用しています。ショートバイトでもトラウトに違和感を覚えさせることなくナチュラルに初期掛してくれるし、絡みついてくるようなバイトに対しても、弾くことなくしっかりとフッキングしてくれます。さらに従来のカーボンソリッドよりも圧倒的に感度に優れたソリッドティップがMEGA TOPなのです。

「ショートサイズのブランクにソリッドティップを搭載したとき、ベリーからバットに張りを持たせるとロッド全体がバタついた感じになってしまうんです。キャストで振り抜いた直後にティップが慣性で暴れたり、ミノーやボトムバイブといった操作系ルアーをコントロールするときも、思い通りのアクションがつけにくくなります。これらを解消するためにXULのパワーを採用したわけなんです」

 ショートサイズにソリッドティップを搭載したのでパワーはXUL。さらにソリッドティップとXULとの組み合わせによって、取り回しやすい5フォート5インチにすることができました。それぞれの個性を損なうことなく、最良のバランスで出来上がったのが55XUL-Sなのです。

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ポテンシャルを最大限に引き出しルアー&ライン。

 様々なルアーをカバーする汎用性は持たせてありますが、55XUL-Sのポテンシャルを最大限引き出すためには使用ルアーや使う状況をある程度絞り込んだ方がよいでしょう。

「アタリの小さなショートバイトのときには、ソリッドティップを搭載したXULが頼もしく感じられます。甘噛みのようなバイトでも、フックをしっかりと口の中に残して初期掛かりさせてくれます」

 ショートバイトが多く出る状況では、アワセ方が重要になります。ビシッと強く合わせるのではなくスイープや巻きアワセで、優しくフッキングさせること。優しいアワセでもXULのアクションとソリッドティップが、しっかりとフッキングさせてくれます。

55XUL-Sと特に相性のいいルアーが、1g前後の軽量スプーン。アンダー1gスプーンでも、ブランクがしっかりとしなって適度な反発力によって、思った以上の飛距離を出すことができます。スプーンの他には、マイクロクランクもオススメですね。ヒットしてからのトラウトの動きへの追従性もいいので、バラしにくいんです。強いアタリに対しても弾かれずにオートマチックにフッキングしてくれます」

 ナイロンとエステルが、55XUL-Sと相性のいいライン素材になります。口に残して初期掛かりさせるオートマチックなフッキングで狙いたいときにはナイロン。小さなアタリをキッチリとキャッチして、掛けていきたいときにはエステル。状況に合わせたラインセッティングによって55XUL-Sのポテンシャルを、さらに引き上げることができます。

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夏季になるとナイター営業するエリアが増える。

 サマーシーズンに入るとナイターフィッシングの営業を行うエリアが増えてきます。クローズの時間を延長し、夜の9時ごろまでナイターとして営業をします。1日券とは別に、ナイター料金を設定しているエリアがほとんどです。

 ナイターと聞くと、プロ野球などのスタジアムのような大きな照明設備によって、フィールド(ポンド)全体が明るく照らされている様子をイメージするかもしれませんが、エリアのナイターフィッシングはそれとはかなり様相が異なります。照明はポンドの周りに設置された街灯程度の照明が数か所。水面は真っ暗です。わずかな照明だけの暗い中で釣りをするのが、エリアのナイターフィッシングなのです。

 通い慣れたエリアでも、夜のとばりが下りると雰囲気は一変。少々異様とも思える斬新な雰囲気の中で釣りができるのが、ナイターの魅力のひとつ。そして、もうひとつの魅力が、日が暮れて涼しくなった中での釣りができること。ナイターの魅力にどっぷりとハマり、足しげく釣行するアングラーも少なくありません。今回は、エリアの夏の風物詩ともいえるナイターフィッシングの楽しみ方について解説しましょう。

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ナイターといっても大きな照明でポンド全体を照らしているわけではない。陽が落ちるとポンドは真っ暗になり、ここで釣りをするのがナイターフィッシング。

ライトは必須。虫よけスプレーもあると安心。

 ナイターフィッシングと日中のデイゲームとは、雰囲気だけでなくほかにもいろいろと異なります。用意しておかなくてはいけないナイターならではのアイテムや釣り方・狙い方があります。まずは、必要なアイテムや装備について解説します。

 ライトは必須になります。できれば2つ用意しておくとよいでしょう。ひとつがヘッドライトなど手元を照らせる小型のライト。そしてもうひとつがバッカンやタックルボックス回りを広く照らせるライトです。日中もあると安心ですが、暗くなってからより必要性の高まるのが虫よけスプレー。夜間になって虫たちの行動が活発になり、アングラーにまとわりついてきます。服装も半袖短パンではなく、なるべく肌の露出を抑えた長袖長ズボンを着用しておくと安心です。

 UVを照射するコンパクトなUVライトも用意しておくと、釣果アップの後押しをしてくれます。UVでカラーコーティングされたルアーに照射して使うことで、暗闇の中でもほのかに光り、トラウトへのアピールが格段に強くなって集魚力がアップだけでなく、ルアーがどのあたりを泳いでいるのか、といった視認性が上がって釣りやすさが向上します。

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手元を照らすのに便利なヘッドライト。ルアーの交換など、必ず用意しておきたいアイテム。

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バッカンやタックルボックスなどの周囲を照らすのにあると便利な、大きめのハンディライト。

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UVライトを照射し、グローカラーに蓄光させる。暗い中でも確実にアピールしてくれる。

手感度の優れたロッドとタックルバランスが重要。

 ナイターでは日中ほどシビアなルアーチェンジをすることがないので、タックルは23セットも準備しておけば十分です。しかし、セッティングには気を配ります。感度を重視したタックルセッティングにすることが重要になります。ラインやティップの変化でアタリを察知する目感度は利きません。また、サイトでトラウトの動きやルアーに対する反応、さらにアワセのタイミングを視認することはできません。アタリや水中からの情報は、すべて手感度頼りになります。そのため、感度を重視したロッドやタックルバランスが重要になってくるのです。

 ラインセレクトにも注意が必要です。オススメがナイロンやフロロカーボン。感度に優れたPEやエステルも使えなくはないのですが、こちらのラインにはリーダーが必要になります。ラインブレイクしたときなど、暗い中でリーダーを結びなおすのは大変な作業になります。リーダーを必要としないナイロンやフロロが、オススメになるのです。

デイからナイターに切り替わるタイミングはいつ⁉

 ナイターでのトラウトたちのコンディションは、日中とはがらりと変わります。では、どのタイミングでコンディションが切り替わるのでしょうか 日が傾き、薄暗くなりだした時間帯、いわゆるイブニングタイムでは、まだ、日中のサマーパターンを引きずっています。水通しのいい場所やシェードにトラウトたちは集まり、ルアーはデッドスローに引いてじっくりと見せてバイトさせるか、イレギュラーな動きでのリアクションバイト狙いがサマーパターンのセオリーになります。

 イブニングタイムからさらに暗くなり、空に浮かぶ星の輝きが増しだしたことからナイタータイムに突入します。このタイミングで、トラウトたちのコンディションもガラリと変わってくるのです。高水温による夏バテでダレていたトラウトたちの活性は上がり、活発に動くようになります。また、水がよく動く居心地のいい場所から離れて、ポンド全体に散るようになります。日中に比べると、圧倒的に釣りやすい状況に一変します。 

ライトの下は一級ポイントだが、細心の注意が必要。

 ポイントのセレクトは、日中ほどシビアに絞り込まなくても大丈夫です。ただし、注意してほしいのがライトの下で釣るとき。明るくてルアー交換の作業などしやすく、また、明かりに虫たちが群がり、それを狙うトラウトたちも集まってきます。状況のいいポイントではあるのですが、ライトが作る自分の影がネックになります。影が水面に落ちると、それだけでトラウトたちの警戒心が一気に高くなってしまいます。もし、ライトの下で釣りをするのならば、自分の影に細心の注意を払うことが非常に大切になります。

 影とは別に注意したいのがヘッドライトなどの明かり。ライトの明かりが水面を照らすと、これもトラウトに大きなプレッシャーをかけてしまいます。釣りをするときには、必ずヘッドライトを消すようにします。 

カラーはグローの他にマットブラックも用意。

 ナイターで使いたいルアーが、スプーンとクランクベイトの巻き系ルアー。ミノーやトップウォーターの操作系のルアーは、あまり使用しません。釣れない、というのではなく操作系はサイトでバイトを察知することも要求されるルアーで、暗い中では少々不向きになります。その点、巻き系ルアーですとアタリを手感度でとりやすく、しっかりとアワセていくことができるのです。

 ルアーカラーは、グローが鉄板のカラーになります。ほのかに光、暗い中でもトラウトに確実にアピールしてくれます。そして、意外に実績の高いのがマットブラック。暗い中でのブラックだとほとんど目立たないのでは⁉ と思うかもしれませんが、実は、シルエットがクッキリと浮かび上がり、トラウトのその存在を気付かせやすくなるのです。

 ルアーやカラーは、それほどシビアにローテーションさせなくても大丈夫。釣れるルアーやカラーが見つかれば、それが意外と長く釣れ続きます。暗いので、すぐに見切ることはないので、反応があればそのルアーで少し粘ってみてください。

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