Q9:「ダイビングカスタム50FS」はどんな場所で有効?
小林:流れが早い瀬のアップストリーム(上流へ投げて下流へ引いてくる)や大淵、滝壺などです。モデル名の最後につく「FS」はファストシンキングの略で「速く沈む」という意味です。さらに、ボディサイズに対して大きなリップがキツい角度で取り付けられているので、グイグイ潜り、少しのロッドワークにも反応してくれます。
SilverCreekミノーを含む渓流用シンキングミノーの多くは"ロッドワークによってリップに水を当てる"ことでアクションさせます。止水で引くだけで良いアクションをするように設計したミノーは、川でダウンストリーム(下流へキャストして上流へ引いてくる)で使った場合、リップに受ける水の抵抗が強すぎてアクションが破綻してしまいます。つまり"川ではあまり使えないミノー"ということになるのですが、「ダイビングカスタム50FS」は、そのタブーを犯したミノーであり、カスタムの中でも最もクセが強いモデルでもあります。
ファストシンキングであることとダイビング性能を活かして、渓魚が潜んでいる深みのピンスポットを直撃する。スタンダードモデルでは、ただ流下してしまうだけの速い流れに対して、アップストリームでもリップに水を受けて"魅力的なアクション"をさせることができる。シンプルにアピールの強さを活かして、渓魚の好奇心や縄張り意識を刺激する。スタンダードモデルを使いこなしている方であれば、「ダイビングカスタム50FS」のクセの強さを活かした使い方がいろいろ思い浮かぶはず。そのアイデアを、ぜひ実践してください。
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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)
1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。
Q8:「ダートカスタム48S/53S」はどんなときに使う?
小林:スタンダードモデルの直線的な動きに、渓魚がチェイス(追い)はするけれどルアーとの距離が詰まりきらずバイトに至らない時などに有効なのが「ダートカスタム」です。スタンダードモデルを使っていると、ミノーが流れの変化に差し掛かったり、岩に当たったりしてイレギュラーな挙動を見せることがあり、そうしたタイミングでバイトを得られることも多い。渓魚にスイッチを入れたり、バイトの間を与えたりするそのアクションを、アングラーがロッドワークで意図的に演出できるのがダートカスタムと言えます。
ダートカスタムには2サイズ(48Sと53S)があります。48Sは小規模河川のアップ(上流に投げる)~クロス(川を横切らせる)を得意とし、53Sは川幅がある瀬のクロス~ダウンクロス(川を横切らせて、下流側から巻き上げること)を得意とします。またダートカスタムはジグザグに引けるので、直線よりもルアーを引く距離が長くなります。渓魚の活性が低かったりスレていたりして、ミノーとの距離が詰まりきらないとき、クイックにアクションさせつつ移動距離を抑えられるダートカスタムが強い味方になってくれます。
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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)
1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。