4モデルのロッドが追加ラインナップ

PRESSO-LTD AGSには『55XUL-S』と『61MLF』。そして、PRESSO AIR AGSには『55M-MT』と『510UL-E』のそれぞれ2モデル、都合4モデルが新たに追加ラインナップされました。この4モデルを3回にわたり、ご紹介していきます。今回は、55XUL-Sを高田達也さんが解説します。

_G5K1260-Pano.jpg 

5フィート5インチのショートサイズがもたらすメリット。

 パワーは、軟調子のXUL(エクストラウルトラライト)。XULは現行のPRESSO-LTD AGSシリーズでは初めての採用で、先代のPRESSO-LTD AGSにラインナップされていた55XUL-Sの進化バージョンといった位置づけになります。

XULというパワーの表記だけを見るとソフトなロッドフィールに思われますが、実際に使っていただくと、それほど柔らかい、といった印象は受けません。サイズが5フィート5インチと短いこと。それと、単純に柔らかくしているのではなく、張りを少し抑えた柔らかさで設計しているからです。使っている感覚としては6フィート前後のUL、といったフィーリングになっています」

 5フィート5インチのショートサイズにすることで、取り回しが圧倒的によくなっています。トラウトがヒットしてからのロッド操作がしやすく、トラウトの動きをいなしながら主導権を握って寄せてくることが可能。また、ロッドを引き寄せてネットランディングするときも、取り回しやすいショートサイズだとスムーズにトラウトをネットに収めることができます。

「ネットインさせる直前って、ロッドのしなりを十分に生かすことができないんでバラしてしまうリスクが大きくなります。でも、それを最小限に抑えられるのがこのサイズなんです」

 サイズが短くても、飛距離への影響はほとんどありません。昨今の優れたロッドテクノロジーによって優れた反発力を実現させ、短いサイズでも十分な飛距離を確保してくれます。

「短いことにより、キャストしたときの振り抜け感は、かなり上がっています。気持ちよくキャストを繰り返せますし、キャストコントロールのアキュラシーも上がっています」

_G5K0825.jpg

ショートサイズ、ソリッド、XULのバランスが絶妙。

 ソリッドティップのMEGA TOPを採用しています。ショートバイトでもトラウトに違和感を覚えさせることなくナチュラルに初期掛してくれるし、絡みついてくるようなバイトに対しても、弾くことなくしっかりとフッキングしてくれます。さらに従来のカーボンソリッドよりも圧倒的に感度に優れたソリッドティップがMEGA TOPなのです。

「ショートサイズのブランクにソリッドティップを搭載したとき、ベリーからバットに張りを持たせるとロッド全体がバタついた感じになってしまうんです。キャストで振り抜いた直後にティップが慣性で暴れたり、ミノーやボトムバイブといった操作系ルアーをコントロールするときも、思い通りのアクションがつけにくくなります。これらを解消するためにXULのパワーを採用したわけなんです」

 ショートサイズにソリッドティップを搭載したのでパワーはXUL。さらにソリッドティップとXULとの組み合わせによって、取り回しやすい5フォート5インチにすることができました。それぞれの個性を損なうことなく、最良のバランスで出来上がったのが55XUL-Sなのです。

_Z9A0647.jpg

ポテンシャルを最大限に引き出しルアー&ライン。

 様々なルアーをカバーする汎用性は持たせてありますが、55XUL-Sのポテンシャルを最大限引き出すためには使用ルアーや使う状況をある程度絞り込んだ方がよいでしょう。

「アタリの小さなショートバイトのときには、ソリッドティップを搭載したXULが頼もしく感じられます。甘噛みのようなバイトでも、フックをしっかりと口の中に残して初期掛かりさせてくれます」

 ショートバイトが多く出る状況では、アワセ方が重要になります。ビシッと強く合わせるのではなくスイープや巻きアワセで、優しくフッキングさせること。優しいアワセでもXULのアクションとソリッドティップが、しっかりとフッキングさせてくれます。

55XUL-Sと特に相性のいいルアーが、1g前後の軽量スプーン。アンダー1gスプーンでも、ブランクがしっかりとしなって適度な反発力によって、思った以上の飛距離を出すことができます。スプーンの他には、マイクロクランクもオススメですね。ヒットしてからのトラウトの動きへの追従性もいいので、バラしにくいんです。強いアタリに対しても弾かれずにオートマチックにフッキングしてくれます」

 ナイロンとエステルが、55XUL-Sと相性のいいライン素材になります。口に残して初期掛かりさせるオートマチックなフッキングで狙いたいときにはナイロン。小さなアタリをキッチリとキャッチして、掛けていきたいときにはエステル。状況に合わせたラインセッティングによって55XUL-Sのポテンシャルを、さらに引き上げることができます。

 _Z9A8953.jpg

 

 

2024年7月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31