夏季になるとナイター営業するエリアが増える。

 サマーシーズンに入るとナイターフィッシングの営業を行うエリアが増えてきます。クローズの時間を延長し、夜の9時ごろまでナイターとして営業をします。1日券とは別に、ナイター料金を設定しているエリアがほとんどです。

 ナイターと聞くと、プロ野球などのスタジアムのような大きな照明設備によって、フィールド(ポンド)全体が明るく照らされている様子をイメージするかもしれませんが、エリアのナイターフィッシングはそれとはかなり様相が異なります。照明はポンドの周りに設置された街灯程度の照明が数か所。水面は真っ暗です。わずかな照明だけの暗い中で釣りをするのが、エリアのナイターフィッシングなのです。

 通い慣れたエリアでも、夜のとばりが下りると雰囲気は一変。少々異様とも思える斬新な雰囲気の中で釣りができるのが、ナイターの魅力のひとつ。そして、もうひとつの魅力が、日が暮れて涼しくなった中での釣りができること。ナイターの魅力にどっぷりとハマり、足しげく釣行するアングラーも少なくありません。今回は、エリアの夏の風物詩ともいえるナイターフィッシングの楽しみ方について解説しましょう。

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ナイターといっても大きな照明でポンド全体を照らしているわけではない。陽が落ちるとポンドは真っ暗になり、ここで釣りをするのがナイターフィッシング。

ライトは必須。虫よけスプレーもあると安心。

 ナイターフィッシングと日中のデイゲームとは、雰囲気だけでなくほかにもいろいろと異なります。用意しておかなくてはいけないナイターならではのアイテムや釣り方・狙い方があります。まずは、必要なアイテムや装備について解説します。

 ライトは必須になります。できれば2つ用意しておくとよいでしょう。ひとつがヘッドライトなど手元を照らせる小型のライト。そしてもうひとつがバッカンやタックルボックス回りを広く照らせるライトです。日中もあると安心ですが、暗くなってからより必要性の高まるのが虫よけスプレー。夜間になって虫たちの行動が活発になり、アングラーにまとわりついてきます。服装も半袖短パンではなく、なるべく肌の露出を抑えた長袖長ズボンを着用しておくと安心です。

 UVを照射するコンパクトなUVライトも用意しておくと、釣果アップの後押しをしてくれます。UVでカラーコーティングされたルアーに照射して使うことで、暗闇の中でもほのかに光り、トラウトへのアピールが格段に強くなって集魚力がアップだけでなく、ルアーがどのあたりを泳いでいるのか、といった視認性が上がって釣りやすさが向上します。

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手元を照らすのに便利なヘッドライト。ルアーの交換など、必ず用意しておきたいアイテム。

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バッカンやタックルボックスなどの周囲を照らすのにあると便利な、大きめのハンディライト。

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UVライトを照射し、グローカラーに蓄光させる。暗い中でも確実にアピールしてくれる。

手感度の優れたロッドとタックルバランスが重要。

 ナイターでは日中ほどシビアなルアーチェンジをすることがないので、タックルは23セットも準備しておけば十分です。しかし、セッティングには気を配ります。感度を重視したタックルセッティングにすることが重要になります。ラインやティップの変化でアタリを察知する目感度は利きません。また、サイトでトラウトの動きやルアーに対する反応、さらにアワセのタイミングを視認することはできません。アタリや水中からの情報は、すべて手感度頼りになります。そのため、感度を重視したロッドやタックルバランスが重要になってくるのです。

 ラインセレクトにも注意が必要です。オススメがナイロンやフロロカーボン。感度に優れたPEやエステルも使えなくはないのですが、こちらのラインにはリーダーが必要になります。ラインブレイクしたときなど、暗い中でリーダーを結びなおすのは大変な作業になります。リーダーを必要としないナイロンやフロロが、オススメになるのです。

デイからナイターに切り替わるタイミングはいつ⁉

 ナイターでのトラウトたちのコンディションは、日中とはがらりと変わります。では、どのタイミングでコンディションが切り替わるのでしょうか 日が傾き、薄暗くなりだした時間帯、いわゆるイブニングタイムでは、まだ、日中のサマーパターンを引きずっています。水通しのいい場所やシェードにトラウトたちは集まり、ルアーはデッドスローに引いてじっくりと見せてバイトさせるか、イレギュラーな動きでのリアクションバイト狙いがサマーパターンのセオリーになります。

 イブニングタイムからさらに暗くなり、空に浮かぶ星の輝きが増しだしたことからナイタータイムに突入します。このタイミングで、トラウトたちのコンディションもガラリと変わってくるのです。高水温による夏バテでダレていたトラウトたちの活性は上がり、活発に動くようになります。また、水がよく動く居心地のいい場所から離れて、ポンド全体に散るようになります。日中に比べると、圧倒的に釣りやすい状況に一変します。 

ライトの下は一級ポイントだが、細心の注意が必要。

 ポイントのセレクトは、日中ほどシビアに絞り込まなくても大丈夫です。ただし、注意してほしいのがライトの下で釣るとき。明るくてルアー交換の作業などしやすく、また、明かりに虫たちが群がり、それを狙うトラウトたちも集まってきます。状況のいいポイントではあるのですが、ライトが作る自分の影がネックになります。影が水面に落ちると、それだけでトラウトたちの警戒心が一気に高くなってしまいます。もし、ライトの下で釣りをするのならば、自分の影に細心の注意を払うことが非常に大切になります。

 影とは別に注意したいのがヘッドライトなどの明かり。ライトの明かりが水面を照らすと、これもトラウトに大きなプレッシャーをかけてしまいます。釣りをするときには、必ずヘッドライトを消すようにします。 

カラーはグローの他にマットブラックも用意。

 ナイターで使いたいルアーが、スプーンとクランクベイトの巻き系ルアー。ミノーやトップウォーターの操作系のルアーは、あまり使用しません。釣れない、というのではなく操作系はサイトでバイトを察知することも要求されるルアーで、暗い中では少々不向きになります。その点、巻き系ルアーですとアタリを手感度でとりやすく、しっかりとアワセていくことができるのです。

 ルアーカラーは、グローが鉄板のカラーになります。ほのかに光、暗い中でもトラウトに確実にアピールしてくれます。そして、意外に実績の高いのがマットブラック。暗い中でのブラックだとほとんど目立たないのでは⁉ と思うかもしれませんが、実は、シルエットがクッキリと浮かび上がり、トラウトのその存在を気付かせやすくなるのです。

 ルアーやカラーは、それほどシビアにローテーションさせなくても大丈夫。釣れるルアーやカラーが見つかれば、それが意外と長く釣れ続きます。暗いので、すぐに見切ることはないので、反応があればそのルアーで少し粘ってみてください。

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タフだけど夏はレベルを上げる絶好のシーズン。

 真夏のエリアフィッシングは、少々手強いタフなシーズンになります。冷たい水を好む冷水系のトラウトたちにとって、サマーシーズンのポンドの高水温は活性を下げてしまう大きな要因。人間同様にトラウトたちも夏バテをするのです。

「水温15℃までは、トラウトたちは元気な状態をキープしてくれます。でも、そこから徐々に水温が上がりだすと、活性は少しずつ下がり始め、18℃を超えると夏バテ状態。このあたりから、サマーシーズンに突入、といった具合になっていくわけです」と高田達也さん。

 しかし、サマーシーズンに入って暑さでトラウトたちはバテ気味とはいえ、全く釣れなくなるわけではありません。サマーシーズンのトラウトのコンディションを把握し、的確にパターンを組み立てていけば、必ずトラウトたちは応えてくれます。

「この季節、漠然と釣りをしていては、なかなか結果は出ません。パターンを模索しながら攻めていかないといけないわけですが、逆にいえば、スキルを上げていく絶好のシーズンでもあるんです。思うように釣れなければ、釣れない原因を探さないといけません。釣果を上げるには、常にいろいろなことを考えて釣らないといけないのがサマーシーズンで、これが、レベルアップさせてくれるんです」

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高水温が苦手なトラウト。エリアのサマーシーズンは少々タフになるが、パターンをキッチリと組み立てていけば、釣果は出せる。

活性を下げる要因を把握してポイント選び。

 サマーシーズンは、高水温が低活性の引き金になります。そして、もうひとつ、活性を下げるファクターが溶存酸素量の低下です。溶存酸素とは、水中の溶け込んでいる酸素のこと。水温が上昇することでこの酸素量が低下し、トラウトたちは息苦しさを覚えてしまうわけです。

「サマーシーズン攻略のひとつに、ポイントのセレクトが挙げられます。高水温と溶存酸素量の低下が活性を下げるわけで、このふたつがポイント選びでのキーになるんです」

 水温が上がりにくいところ、そして、溶存酸素の豊富な水があるところに、トラウトは溜まりやすくなります。水温が上がりにくい場所がシェード、そして、インレットなどの水がよく動く場所です。

「シェード狙いでは、日陰の中のど真ん中よりも日陰と日向の境目の辺りに、やる気のあるトラウトがいることが多いです。その周辺を重点的に攻めていくといいですね」

 水がよく動く場所は、水温が上がりにくいというだけでなく、酸素が多く溶け込んだフレッシュな水を供給してくれる場所。インレットやアウトレット、水車回りなど水のよく動く場所はサマーシーズンでは外せないポイントになります。

「水があまり動いていなくても、噴水や散水といった周辺にも、トラウトが溜まりやすいですね。水しぶきが水中へ酸素を供給してくれるので、溶存酸素量の多い場所になるんです」 

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インレット。水の動きが激しく、水温は極端に上がらず、さらに、相損酸素が豊富な水が流れ込んでくる。

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散水や噴水回り。水があまり動いていないようでも、水面を叩く水しぶきによって酸素が水中に供給される。

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シェード(日陰)と日向の境には、やる気のあるトラウトが溜まりやすい。その付近を重点的に探ってみよう。

コンディションの変化にも注意を払っておく。

 ポイント選びだけでなく、ポンドを取り巻く環境の変化にも、細心の注意を払っておきたいです。

「特に注意しておきたいのが風。風が吹いて水面が波立つことで、水中に酸素をたくさん供給してくれるようになります。それまでニュートラルになっていたトラウトたちが、急にルアーへの反応がよくなりだすことも珍しくありません」

 風が吹いてきたら、チャンス到来の合図。表層付近を徹底して狙っていくようにします。このほか、太陽に雲がかかり日照が弱くなったタイミングでも、急に表層付近にいたトラウトの活性が上がることもあります。

「周囲のコンディションのちょっとした変化を見逃さず、それに合わせて臨機応変に狙っていくことも、サマーパターン攻略ではとても大切なことになります」

フィネスとリアクションを使い分けて攻略。

 ルアーでの攻め方は2パターンあります。デッドスローに動かし、じっくりと見せてバイトを誘うパターン。もうひとつが、シャープでスピーディーな動きのリアクションで狙うパターン。静と動の両極端で攻めていくのが、サマーシーズンのセオリーになります。「夏バテのトラウトはルアーに反応しても、それを速く長く追ってくることはありません。

ですので、トラウトが追いつけるスローな動きで誘うのが鉄則になります。巻きのスピードが速いと、すぐに諦めて追うのをやめてしまいます。ルアーへの反応が鈍く、あまりやる気のないニュートラルになっているトラウトに対しては、目の前をゆっくりとルアーを巻いてきても興味を示しません。こんなときは、強制的にスイッチを入れるリアクションが効果的なんです」

 デッドスローでフィネスに攻めていくときには、マイクロスプーンやクランクベイトを使います。ただし、フルサイズのクランクベイトだと、波動が強すぎて逆にプレッシャーをかけてしまうこともあります。クランキングでは、そのあたりにも気を付けながら使うようにしたいです。リアクション狙いのルアーがミノーやボトムバイブ。いわゆる操作系のルアーです。ジャークやトゥイッチ、ボトムバンプなどのシャープな動きでリアクションバイトを狙っていくのですが、このときに注意してほしいのが移動距離。キレのある動きは重要ですが、その時の移動距離が長いと、すぐにバイトするのを諦めてしまいます。キレはあるけど移動距離の短いアクションを入れた後は、ちょっと長めのポーズを入れて喰わせるタイミングを与えてあげることが重要になります。

「攻め方のローテーションは、最初はスローな釣りで狙っていきます。それである程度釣り切ったと思ったら、リアクションの釣りにスイッチします。初めにリアクションの強い釣りからスタートすると、そうでなくてもタフになっているトラウトたちにプレッシャーを与えてしまうことになりかねません。それともうひとつ。トップウォーターもサマーシーズンには必須のルアーになることを覚えておいてください。活性が上がって表層に集まりだしたタイミングでは、ポッパーを使いたいですね。夏場は水面上を飛び交う虫も多くなりますし、水面に浮くものに対して興味を持っているんです」

体調管理に気を配り、快適に釣りをすることも夏の攻略術。

 ここ数年、猛暑が続いています。トラウトも暑さでバテ気味ですが、アングラーも暑さに備えてエリアフィッシングを楽しみましょう。

「小まめに水分を補給するなど、熱中症には十分に気を付けてください。猛暑の中で釣りをするときには、体調管理を怠らない。これもサマーシーズンを攻略するうえでの大切なことです。

2回目はシーズンとタックルをご紹介。

 ビギナーやエントリーアングラーのために、渓流ルアーフィッシングをわかりやすく解説。前回はこの釣りの魅力とルール&マナーを小林将大さんに解説していただきました。後編となる今回も、小林さんに引き続き解説していただきます。後編では渓流ルアーフィッシングのシーズン、そして用意しておきたい装備やタックル&ルアーについてご紹介します。

フィールドとトラウトのコンディションは季節ごとに変化。

 ほとんどの渓流には解禁期間と禁漁期間が設けられています。言うまでもなく禁漁期間は、釣りをしてはいけません。河川によっては若干の違いがあるものの、多くが31日から9月いっぱいが解禁期間。つまり釣りをしてよい時期になり、これが渓流ルアーフィッシングのシーズンになります。ただし、一部の川ではCR(キャッチ&リリース)区間という特別な場所とレギュレーションを設けていることがあります。こちらは、禁漁期間であっても釣りができることがあります。

C&Rでのルアーフィッシングは、本格的な渓流とはまた一味違った魅力やおもしろさ、楽しみ方があります。こちらのC&Rに関しては 、機会があったらご紹介させていただきます」

 さて、本題の渓流ルアーフィッシングのシーズンに戻りましょう。解禁期間は約7か月間。この間、シーズンイン直後から終盤まで、魚たちも川のコンディションもすべて同じというわけではありません。季節ごとの変化の特徴や狙い方、いわゆるシーズナルパターンを解説します。

初期

 解禁から、桜が咲き出すころまでが初期になります。「解禁に入ったばかりは、なんとなくよく釣れそうな気がしますよね。でも、意外とこの時期は難しいんです」

 小林さんのいう難しい理由は、まだ水温が上がり切っていないから。3月に入れば春の気配を感じるようになってきますが、寒い日も多く、水温は冬期のままで上がり切ってこないからです。冷たい水を好む冷水系の魚であるトラウトといえども、一桁台の水温では活性はなかなか上がってこず、ルアーへの反応も鈍いシーズンです。

中期前半

 初期から中期の前半に入るタイミングは何月のいつごろ、といった具体的な日時では決めません。小林さんの場合は、桜の開花でそれを判断しています。

「それぞれの河川は場所も違えば標高も違います。ですので、中期に入る時期が早いところもあれば遅い川もあるんです。桜の開花も、全国一律で咲き始めるわけではありませんよね。桜の開花と中期に入るタイミングが一緒のことが多いので、私の場合は、それを判断基準にしているんです」

 桜が開花し出せば、そろそろ中期に入る時期とワクワクし、満開になったところで中期前半に突入したと判断します。葉桜から新緑が彩る5月に近くになれば、トラウトたちの適水温である1214度にまで水温は上がってきます。

「この中期前半に入ってから5月の下旬までは天候は安定しているし、シーズンで一番釣りやすい時期だと思います」

 そして、梅雨に突入していくと、トラウトたちの活性はさらに上がってきます。ちなみに、四国地方ではアマゴのことを『雨子』と書くことがあります。雨が降ると元気になる、というのが雨子と書く由来ともいわれています。

「桜が満開になってから梅雨までの中期前半は、非常に釣りやすいシーズンです。渓流ルアーにエントリーするのならば、この時期が一番いいと思いますよ」

中期後半

 梅雨が明けてから8月下旬までの盛夏が中期後半になります。このシーズンは、暑さによって水温が上昇。また、渇水も起きやすい時期なのでフィールドコンディションはあまりよくなく、少々難しい時期になります。

「河川選びが重要になってきます。冬に積雪の多い雪山を抱えた河川は、極端な水温上昇は起こしにくく、トラウトたちもそれほどタフにはならないですね。源流に近い上流域も水温の上昇はそれほどではないんですけど、渇水によってフィールドのコンディションが悪くなってしまうこともあります」

 暑さと渇水がネックになり、中期の前半よりも厳しいコンディションになりがちなのが後半の特徴です。

終盤

 9月初旬から禁漁までが、終盤のシーズンになります。真夏の高水温も峠を越えて活性を取り戻してきた個体もチラホラと出てきます。すべてのトラウトたちがルアーをよく追ってくれるわけではありません。また、終盤に入るとトラウトたちは産卵を意識し出す個体も現れ、ルアーに興味を示さなくなることがあるのです。

「秋はトラウトたちの産卵シーズンです。ルアーに反応させるのが難しくなってきます。この時期にルアーに反応するのは小型のトラウトが多いのですが、30㎝を超える尺モノが釣れることもあります。また、婚姻色も出て他のシーズンでは目にできない、きれいな魚体を観察することもできます。終盤ならではの魅力がいくつもある楽しい時期です」

 時期によってコンディションは変わります。同じ渓流でも、楽しみや魅力が変化していくのも、渓流ルアーフィッシングのおもしろいところでもあるのです。

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季節によって、フィールドだけでなく魚たちのコンディションも変化する。シーズナルパターンは確実に把握しておきたい。

同じトラウトでもエリアとは異なる装備とタックル。

装備

 日常とはかけ離れた深い自然の中で釣りを楽しむために、装備はとても重要になります。「快適に釣るというだけでなく、安全面にも直結します。渓流では水に立ち込んだり渡河したりすることが多く、身の回りの装備ではウェーダーは必須になります」

 ウェーダーは胸まであるチェストハイタイプがよいでしょう。また、ウェーダー選びではサイズも重要になります。渓流では一日の移動距離が34㎞になることも珍しくはありません。行動しやすいサイズの一着を選ぶようにしたいです。

ロッド

 タックルでは、ロッドがとても重要になってきます。

「よく『エリアロッドは使えますか?』といった質問を受けることがありますが、『渓流ルアー用のロッドを使うようにしてください』と答えています。整備されたエリアと深い自然の中にある渓流との環境は大きく異なり、同じトラウトを狙うためのロッドでも釣りやすさが全く違ってきます」

 渓流用ルアーロッドとエリア用ロッドとの一番の違いは、長さです。周囲がオープンになっているエリアでは56フィートが主流ですが、渓流用では4フィート8インチ~5フィート3インチ(142160㎝)が主流のサイズになります。渓流では頭上に木が覆いかぶさっているなど、スペースの狭い場所は少なくありません。そんな場所でもキャストに支障が出ないように、短めのサイズが必要になってきます。

「パワーもエリア用とはかなり違います。35gのルアーが投げやすいアクションとパワーになっています。ヒットしてからも、急流の中で暴れるトラウトを寄せてきやすい追従性を備えています。エリア用ロッドよりも、全般的に張りは強いです。張りの弱い柔らかめのロッドだと、根掛かりが多くなりやすいんです。張りがあると、ルアーを障害物から回避する性能も上がって、根掛かりのリスクは確実に軽減されます」

ルアー

 ルアーは、シンキングタイプのミノーが、渓流ルアーの主役になります。

「ミノーのサイズは5㎝、4.5㎝、4㎝の3サイズを用意しておくといいでしょう。川幅の狭い場所では4㎝、里川などちょっと川幅の広いような川ではアピールを強めたいので5㎝、といった具合に使い分けたいですね」

 ミノーではフックの選び方にも、ちょっとした注意が必要です。マイクロバーブを採用したシングルフックの場合、フッキングミスが少々多くなりますが根掛かりは少なくなります。トレブルの場合は、フッキングさせやすくなる反面、根掛かりは多くなります。

「それぞれに一長一短ありますが、ビギナーの方にはシングルフックをオススメしています。根掛かりが少なくなる分、ポイントに対して根掛かりを恐れずにアグレッシブに攻めていくことができるんです。攻める意識を強く持って釣りをした方が、上達は早くなります」

 ルアーでは、ミノーの他にもうひとつ用意しておきたいタイプがスピナーです。水流を受けるとブレードが回転し、トラウトに強くアピールしてくれます。ただ巻きのステディリトリーブが基本で、ビギナーアングラーでも使いやすいのが特長です。

 タックルとルアーは、渓流専用を使った方が釣果のアップが望めますし、何よりも上達が早くなります。

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整備されたエリアと自然の渓流とでは、環境が全く違う。自然渓流の中でも扱いやすいロッドを使うようにする。

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ロッドやルアーのタックルだけでなく、装備も大切。快適に釣りだけでなく安全性にも直結する。

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