超ハイアピールのワイドアクション

 今回、 WABCRA SLIM 39F SRの開発にあたり、 超ハイアピールが大きなテーマでした。

 「とにかく強い。 超ハイアピールのクランクが、欲しかったんです。 魚を広範囲から呼べて、 スイッチを入れることができ、 さらにデッドスローな巻きスピードにも対応します」

ここまで超ハイアピールクランクは数少なく、 強いアクションのおかげで 魚を寄せるパワーも大きくなっているのです。

 「ただ単によく動くだけではなく、 しっかりと水を動かすので魚へのアピールは抜群です。 水噛みもよいので、 手元に引き抵抗やブルブルとしたアクションを感じやすくなっていて、 巻いているだけでも楽しい気分にさせてくれるクランクです」

 ハイアピールだからこそ魚にスイッチが入って、 連発する場面が多くなります。

 「表層から中層レンジのサーチクランクとしても有効ですね。 この超ハイアピールなアクションで連発すれば、 スプーンには反応が弱いけど、 ある程度活性がある魚が一定数いるという状況把握にもなります。 また、 大規模ポンドでもハイアピールで魚が見つけてくれるので出番が多くなります。 あとはタフな状況下でも、 水を動かすハイアピールな事で魚にスイッチが入り、 よく釣れることもあります。 ローテーションの中で必須なクランクですね」

ハイアピールアクションは、 状況を把握するうえでも重要な要素なのです。

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左右移動式ウェイトの採用

 WABCRA SLIM 39F SRは、 ウェイトが左右に移動する構造をしています。

 「ウェイトが左右に自由に動きます。 これによってルアーがアクションしたときにウェイトが左右に動くので、 より大きなワイドアクションを実現したとともに、 ウェイトが移動式のため適度なイレギュラーアクションが入ります。 イレギュラーといっても、 大きいトリッキーな動きではなく、変則的な若干の動きで魚にスイッチを入れる適切なアクションにしています」

もちろん一定の規則正しく泳ぐクランクもよく釣れますが、 一定の動きの中に少しの変化が加わるだけで、一気にスイッチを入れるきっかけにもなるのです。

 「僕はクランクを巻くときも、 よく誘いを入れて動きに変化を加えることがあります。 この誘いのあとに魚がバイトする場面が多くあります。 イレギュラーアクションは、 魚が食べようか迷っているときに、 その一押しで口を使わせることができるんです」

このイレギュラーアクションも過度に動いてしまうと、 かえって魚を驚かせてしまいます。 WABCRA SLIM 39F SRは、 和田さんの理想とする適当なイレギュラーアクションを具体化するために、 テストを繰り返して魚にスイッチを入れるアクションを徹底的に突き詰めました。 その結果、 左右移動式ウェイトの移動幅やウェイト移動によるサウンド感とともに、 魚に対してベストなセッティングとなっています。 このようなイレギュラーアクションも、 超ハイアピールにした要因の一つなのです。

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和田さんのホームエリアのひとつである『フィッシングフィールド中津川』で撮影。ヒットを連発し、WABCRA SLIMの高いポテンシャルを実演。

水面直下はもちろん一段下のレンジも得意

リップは、垂直に近い角度に設定しています。

 「これは水面直下を引きやすくしたかったからです。 水平に近いリップ角度もよいのですが、 水面直下は巻きにくくなってしまいます。 そこで、 水面直下も巻きやすくて、さらに一段下のレンジも引くことのできるクランクベイトを作りたい、と考えていました。 今回のリップ角度と形状が理にかなっていて、それらふたつの条件を両立させられました」

角度が垂直に近いことで、 水を受けやすく水面直下が巻きやすくなっています。 そして、 正面から見るとリップの両サイドを直線的なデザインにしています。 このストレートな形状を設けたことにより水を逃がし、ロッドを下げると一段下レンジも巻きやすくなっています。

 「水面直下を引くにしても、引き波を立てて巻くか、 それを立てないかで魚の反応は大きく変わってきます。 超ハイアピールアクションでありながら、 表層レンジの細かなコントロールも可能にしています」

早巻きや通常スピードでルアーをワイドに動かして釣るのが基本で、出番も多いのですが、 特にタフな状況やトラウトが水面を意識しているときに、 和田さんがオススメする釣り方が、ロッドを立ててデッドスローリトリーブをする水面の『モジモジアクション』です。 デッドスローのスピードにも対応しているワブクラスリムは、 シルエットの大きさと強い水押しでアピールをしながらも、 スピードはゆっくり巻くことができます。この釣り方がタフな状況にも連発することも多く、 是非試していただきたい釣り方です。 このように、 デッドスローのモジモジとしたアクションも得意で、 ある程度の早巻きにも対応する広いスピード域を持っているのがWABCRA SLIM 39F SRです。

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細長のボディはトラウトの視覚に対しても強烈にアピールし、それが高い集魚力になっている。距離が離れた場所にいるトラウトを呼び寄せられる。

厳選した実績のカラーラインナップ

WABCEA SLIM 39F SRは10色のカラーラインナップです。 後日アップするWABCRA Jr.SRと同じカラー展開になります。

 「カラーラインナップは厳選に厳選を重ねた10色のカラーラインナップです。 グローや蛍光、 パール、 食わせカラーと豊富な展開になります。 この10色があれば、 水質や状況問わずカラーローテーションが完結するほどの実績カラーです」

カラーについての特徴やセレクト方法、ローテーションに関してはまた次の機会に、和田さんに詳しく解説していただきます。 次回はWABCRA Jr.に追加ラインナップされたSRモデルをご紹介し、その次の回でカラーラインナップの詳細を解説いたします。

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やや扁平ボディ。水を切るようにして大きくウォブリングし、水を押し出すだけでなく撹拌させる能力も高い。

 PRESSO CLAZY 45SSを復刻、 そしてブラッシュアップ!

 「今回、 NYORO CLAZY 57S開発にあたって、 2010年に発売されたPRESSO CLAZY 45SSの復刻とともにブラッシュアップさせて、一から形を作り直しました。」 と和田さん。

 「その当時、 湾曲ボディに逆さのリップをつけるという今までにない斬新なデザインをリリースしたのです。 そのPRESSO CLAZYが時を経て、 釣り場の状況やタックルの変化にアジャストさせて進化し、ついにデビューします。」

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 独自の湾曲ボディが魚を惹きつける

への字ボディというよりも、 ひらがなの 「ひ」 のような独自の湾曲ボディが大きな特徴。

「初代CLAZYの湾曲ボディを継承しつつ、 もっと細く、 もっと湾曲できないのか? と試行錯誤しながらボディを作っていきました。この湾曲ボディにすることで、 ニョロ特有のウネウネ感を増すことができるのです。 湾曲ボディが左右に揺れ動き、 視覚的なウネウネ感を大きく演出します。 またリップを比較的大きめに設定しているので、 ゆっくり巻くと優しくウネウネと動き、 スピードを上げていくと徐々に大きく動くという、 スピードの幅も持たせてあります。

また、 テールの先端部分を下げた湾曲ボディは、フッキングをよくする、といった意図をもったデザインになっています。

 テールを下げることで、 魚が下からついばむバイトも掛かりやすいです。 また、 あえてテールの動きを抑えてあるので、 よりフッキング率を高めています。

 頭を大きく振りながら、 テールは暴れすぎずにウネウネと動いてトラウトにアピールします。」

スプーンのようにカウントダウンで使うことができる

 「NYORO CLAZY 57Sの基本の使い方をご紹介します。

基本的には投げて巻くだけです。 3.5gのウエイトがあるので飛距離が出しやすく、 スプーンのようにカウントダウンさせて表層からボトムレンジを広く探ることができます。

ウネウネとしたアピールをしながら広範囲を探ることができ、 状況にアジャストできるルアーです。 また、 ボトムルアーとしての使い方も有効です。 この湾曲したボディのおかげで魚を惹きつけてくれるので、 ボトムズル引きやボトムシェイクも魅惑のアクションをしてくれます。」

こだわり抜いてセレクトした厳選8色のカラー

 「カラーラインナップもこだわりが詰まっています。 NYORO CLAZY 57Sにマッチしたカラーを繰り返し修正しながら厳選しました。その厳選カラーをそれぞれご紹介しましょう」

ブルパダブルピンク ブルパグリーンスパイス

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「この2色はベースがグリーングローで、 それぞれピンクとライトグリーンにテール部に蛍光レッドを透けないように塗装しています。 グリーングローは明るく発光するのでトラウトに対してアピールをします。 それでいて透けずにテールは蛍光レッドのため、定番の強めのカラーになります。サーチにもオススメできるカラーです。」

オレッドRG

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「ベースはレッドグローで、 その上に蛍光オレンジと蛍光レッドを飛ばし塗装。 レッドグローはボヤっと発光するので魚に対しては食わせのグローになります。 そして、少し透けるように塗装しているので、 ブルパダブルピンクやブルパグリーンスパイスよりも少しアピールが控えめなカラーです。」

フルレッドグロー

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「名前の通りレッドグローを塗装。 もちろんこのままでも釣れますし、 お好みに蛍光色などを上から塗ってオリジナルカラーにしてもよいカラーです。」

ひよこピヨちゃん

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「後日ご紹介するWABCRA Jr.SRWABCRA SLIMにもラインナップされている新色。 あえて蛍光ではないイエローとテールに蛍光レッド、 その上にブルーパールを塗装。 イエローで寄せてテールの蛍光レッドでバイトを誘います。 グローだと強いときにこのカラーの出番になります。視認性もよいのでサイトフィッシングもしやすい実績カラーです。」

胡麻塩グロー

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「いわずと知れた定番カラー。 クランクはもちろんNYORO CLAZY 57Sでも有効です。 グリーングローがベースで、黒と白の飛ばしがコントラストになり魚にチカチカとアピールしてスイッチを入れます。」

トッピングフード

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「こちらもいわずと知れた定番カラー。 グローも蛍光色も入っていない食わせカラーとなります。 派手がダメなら地味! というローテーションで釣果アップに繋がることが多いです。 派手なカラーとともに必ず持っておきたい地味カラーです。 」

クリア

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「ノーマルのままでもよいですが、 お好みのカラー塗装のベースに最適なクリアもラインナップしました。

以上が厳選してセレクトしたカラーラインナップになります。是非、実釣でお試しください!」

 

大きく動き、アピールの強い強波動スプーンが誕生

 三つのルアーがPRESSOに新しく仲間入りしました。ATTRAWABCRA SLIM、そしてNYORO CLAZYです。それぞれのルアーの特徴や使いこなし術を3回に分けて詳しくご紹介します。今回は、ATTRAを高田達也さんにご紹介していただきます。

「開発スタートから試行錯誤の連続でしたが、一切の妥協を許さずに完成にこぎつけることができました。自分でいうのもなんですけど、予想以上にいいものができました。ぜひ、実釣でATTRAの優れた性能を試していただき、ヒットを連発させて実感していただきたいです」と、ATTRAを監修した高田さん。

比類のない大きな動きで強烈にアピール

 ヘッド部分のラインアイを支点にして尻を左右に大きく振る、ワイドウォブンロールがATTRAの一番の特徴であり、武器でもあります。

「現行でリリースされているPRESSOのスプーンの中では、一番大きな動きです。また、これまでの歴代のPRESSOスプーンたちと比べても、トップクラスの動きの強さです」

 ウォブリングの動きが大きいということはトラウトの視覚にアピールするし、また、強波動を発生させるので側線にも強い刺激を与えます。強い動き=高い集魚力を備えたスプーンなのです。ATTRAという名前はATTRACTIVE(和訳=魅力的な、引きつける)からとっていて、この命名の由来からも、ATTRAの強烈ともいえるアピール力がお分かりいただけると思います。

「ステディリトリーブすると、規則正しく一定した大きなアクションで泳ぎます。ただ、時々、フッと水が抜けて横に大きくスライドするときがあるんです。これがリアクションになって、ニュートラルになっているトラウトにも、スイッチを入れることができるんです」

 リトリーブして正しく泳ぐ適正スピード域は比較的広く、スピードに緩急をつけやすいのも特徴のひとつ。また、レンジキープさせやすいので、ビギナーアングラーでも使いやすいスプーンなのです。

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ATTRAを監修した高田さん。「大きな動きが最大の武器。スプーンとは思えないほどの高い集魚力を実現しています。ぜひお試しください!」

3つのウェイトを状況に応じて使い分け

 ウェイトは1.5g1.8g2.3g3タイプ。サイズはどれも同じで、肉厚の違いによってウェイトを変えています。

1.5gは、少しゆっくりと巻きたいときに使います。1.8gは逆に速く巻きたいときに使うようにします。2.3gは、遠投の利くウェイトです。沖を直撃したいとき、また、1.8gよりももう少しスピードを上げたリトリーブで放流直後のトラウトを狙うときに有効なウェイトになります」

 カラーは全部で12色をラインナップ。放流直後や朝イチの高活性時に効果的なハイアピールカラーから、低活性時やプレッシャーのかかったときに使いたいナチュラル系のカラーまで、様々なシチュエーションをカバーするカラーラインナップになっています。

「自分的に信頼してよく使っている中間色の『カラシ』もラインナップの中に加えました。このカラーで釣れるときは長く釣れ続きやすいし、アングラーからの視認性もいいので、サイトでも使いやすいカラーです。それと、明滅が強いイエローダガーもオススメですね。テールを大きく振るワイドウォブリングから発する明滅は、トラウトに対してかなり刺激的。遠くにいるやる気のあるトラウトもスッ飛んできてバイトしてくれます」

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サイズはみな同じ。ウェイトの違いで巻きスピードのコントロールや、遠投させたいときなどで使い分ける

適材適所で使ってパフォーマンスを引き出す

ワイドウォブンロールで、強いアクションが一番の特徴のATTRA。このポテンシャルを十分に発揮させるのには、使うタイミングやシチュエーションがとても大切になります。

「どんな状況でも、常に最高のパフォーマンスをしてくれるわけではありません。ハイアピールの特長が生かせるタイミングで使うようにします。それが、放流直後や朝の高活性時になります。活性の高いトラウトは、この強いアピールに興味津々でバイトしてきてくれます。高水温や低水温による低活性時やアングラーが多くてプレッシャーが掛かっているときでも、使えなくはありません。タフっているときに基軸になるのは、控えめな動きのタイトアクションのスプーンになります。このスプーンをメインに使っている中で、ATTRAをサシ的に使うんです。トラウトの目先を変えられ、また、タフったトラウトでも強いアピールでスイッチを入れることができます」

 このほか、ATTRAを使いたいタイミングとしては、スプーン中心の組み立てからクランクベイトやミノーに移行するときです。タイトで控えめな動きのスプーンから、急にアピールの強いクランクベイトやミノーにチェンジするよりも、ATTRAをワンクッションの中継ぎ的に使った方が、いたずらにトラウトに警戒心を抱かせるようなことがなく、スムーズにスイッチできるのです。

「動きの強いスプーンです。ATTRAによってスプーンローテーションの幅が、確実に広がりました。これまでのスプーンローテーションでは獲りきれなかったトラウトも、狙えるようになりましたよ」

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ATTRAを使ってヒットを連発。高活性のときほど、ATTRAが比類のないパフォーマンスを発揮してくれる

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