もっと釣りたいのならば秋のパターンを覚えておこう。

 厳しい残暑が落ち着いてきたら、エリアは『秋のハイシーズン』に突入です。ポンドの水温が徐々に下がりだし、それに合わせてトラウトたちの活性も戻ってきます。ポンドの中を元気に泳ぎ回り、また、ルアーへの反応もよくあります。秋のエリアは、とても釣りやすいシーズンなのです。しかし、少しでも釣果をアップさせたい、と思うのならば、秋のハイシーズンの特徴を把握し、そしてそれにアジャストさせた攻略法を構築していく必要があります。今回は、秋のハイシーズンをテーマに、高田達也さんが解説します。

活性の戻ったトラウトたちは散る傾向にある。

「秋のトラウトのコンディションの特徴のひとつとして、散った状態になりやすいことが挙げられます。高水温の夏場は涼を求めてシェードだったり、水のよく動くインレットや散水周辺など、居心地のいい場所に溜まる傾向にあります。しかし、秋になって水温が下がり活性が戻ったトラウトたちは行動範囲が広くなり、ポンド全体に散った状態になるんです。

 また、散るのは横の面だけではなく、縦のレンジもバラける傾向にあります。ルアーによく反応してくるトラウトが表層にも低層にもいることが多くなるんです。このような状況のために場所をあまり選ばず、また、レンジもシビアに攻めていかなくても、そこそこの釣果を上げることができて、釣りやすいシーズンになるわけです。

 しかし、漠然と釣りをしていては、釣果は頭打ち。もう一歩上の釣果を目指すのならば、この散った状態を上手に攻めていく必要があるんです」

 散った状態を上手に攻めていくには、まずは、遠投が重要になります。飛距離を出して広範囲を攻めていくことで効率よく散ったトラウトを狙っていくのです。もうひとつが、レンジのセレクトとリトリーブスピードのコントロール。どのレンジでもある程度の反応は出るのですが、その中でも特にヒットやアタリの多いレンジに的を絞ります。その好反応レンジでルアーローテーションを行うわけですが、このとき、リトリーブスピードに気を配ることが大切になります。

「最初は少し重ためのスプーンで、速めの巻きでチェックします。そこからスプーンウェイトを落としてリトリーブスピードを少しずつ下げていくんです。最終的にはクランクベイトを使ったデッドスローまでスピードダウンさせます。こうして、スピードを落としながらチェックし、より反応のあるスピードを見つけて、それで重点的に攻めていけば、漠然と釣りをしているときよりも、圧倒的に釣果をアップさせることが可能になるんです」

オススメの明滅系カラーは、水質にあわせてパターン選択。

 秋のハイシーズンで実績の高いスプーンカラーが明滅系です。ただし、明滅系がよいからといって、ファーストから終わりまでそのカラーを使うわけではありません。

「カラーローテーションで基軸になってくるカラーは、そのポンドの水の色にマッチさせたカラーになります。クリアウォーターならばグリーンメタリックやブルーメタリック。マッディならばオリーブやブラウン系といった地味なカラーになります。これらのカラーをベースにしつつ、明滅カラーをサシ的に使うことで、トラウトの目先を変えられて釣果を伸ばすことができるんです。

 明滅カラーでも、いくつかのタイプがあります。クリアウォーターならば表がアピールの強いカラーならば裏は黒などのダーク系。マッディならば表は地味なカラーで裏がホワイト、といったあたりをチョイスするといいと思います」

大型トラウトが難しくなる理由とその攻略術。

 秋のハイシーズンは、いろいろなルアーによく反応して非常に釣りやすいコンディションですが、一部例外があります。大型のトラウトは、釣り上げるのに一筋縄ではいかなくなるのです。

「大型トラウトは、秋になるとスポーニング、つまり産卵を意識するようになるんです。実際には養殖イケスで生まれ育ち、品種改良されたトラウトたちは、産卵をすることはありません。でも、DNAには『秋になると産卵』といった情報がインプットされていて、意識だけは産卵に向いてしまうんです。こうなると、捕食なんかは二の次になり、ルアーに対しての反応が極端に鈍くなってくるんですよね。このような理由によって、秋は大型トラウトのヒット率がガクンと下がってしまうわけです」

 スポーニングを一番強く意識する水温は1415℃。この水温に近づくにつれ産卵への意識が強まり、それを過ぎると産卵を忘れたかのように再びルアーを追い出すようになります。秋の大型トラウト狙いはかなりタフではありますが、その打開策が全くないわけではありません。

「秋に大型のトラウトを獲りたいのならば、リアクションで攻めていくのが最良のパターン。リアクションのルアーといえばミノーです。小魚のエサをイメージさせてバイトさせるわけではないので、カラーはナチュラル系よりもチャートや半透明のゴーストなど、強くアピールさせる色がいいですね。また、ミノーアクションは、控えめよりも大きく動かしアピールさせてみましょう」

 レギュラーサイズのほとんどのトラウトたちは、産卵とは無縁の行動をとりますが、大型トラウトはスポーニングを意識して釣るのが少々難しくなります。レギュラーサイズの数釣りだけでなく、ビッグサイズのトラウトも狙っていきたいのならば、リアクションで狙えるミノーは必須のルアーになります。

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婚姻色の出てきた良型のトラウト。産卵を意識しているため、ルアーへの反応が悪くなり、これがタフになる理由

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ロッド操作でトゥイッチやジャークを駆使し、ミノーをトリッキーに動かして大型トラウトに反射的にバイトさせる

開催予定の日程と参加方法

秋の気配を感じ始めると、エリアの水温は徐々に下がりだして適水温に近づいてきます。そして、暑さでバテたトラウトたちの活性も戻ってくれば2024年後半の秋・冬シーズンが開幕です。この開幕にあわせてTRY PRESSO'24が開催されます。今シーズンは、年内に10か所の人気管理釣り場で開催を予定しています。昨シーズン同様に注目のタックルやニューアイテムがブースに展示され、それらを使って試釣することができます。また、PRESSOのフィールドテスターがやってきて、エリアフィッシングスクールを開講します。(参加するテスターの顔触れは未定) 

TRY‼ PRESSO'24の日程と会場は次の通りになります。 

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以上の10か所で開催を予定しています。

参加費は無料になります。ただし、会場となる管理釣り場の遊漁券などは、各自でお買い求めください。参加受付方法は、DAIWAアプリのMyDAIWA会員証からチェックインします。事前にDAIWAアプリをダウンロードし、MyDAIWA会員登録をお願いします。

実釣するからチェックできることは、たくさんある

今シーズンも来場を予定している高田達也さん(924日の開催には来場決定で、そのほかは未定)に、TRY PRESSOの楽しみ方をお話していただきました。

「ロッドやリールのタックルをショップで購入するときは、実際に手に取って選びますよね。ロッドならば硬さ、リールならば回転の滑らかさなどをチェックします。だけど、ショップではわからない、実釣しないとわからないことってたくさんあるんです。例えば、ルアーをつけてキャストしたときのロッドフィール。小さなアタリがどれくらいキャッチできるのかといった感度。また、ヒットしてからトラウトを寄せてくるまでのドラグの調子やロッドの曲がり具合など。さらに、いつも自分が愛用しているリールを展示されているロッドにセットしてみて、全体のタックルバランスなんかもチェックできるんです。

TRY‼ PRESSOでは、気になるタックルを手に取ってみるだけでなく、それで実際に釣りをして、いろいろな所をチェックできるのが一番の楽しみ方というか、魅力ですよね。今シーズンはPRESSO LTD AGSから2モデル、PRESSO AIRからも2モデルが追加ラインナップされ、さらにリールでもLUVIASがフルモデルチェンジされました。もちろん既存のタックルもたくさん展示しています。ちょっとでも気になる、と思ったらぜひ手に取るだけでなく、それで釣りをして試してみてください。

釣り教室では、私が講師を努めます。わからないこと、疑問に思ったことがあれば、何でも質問してください。会場でお会いできるのを楽しみにしています」 

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当日は釣り教室の講師だけでなく、タックルの説明もわかりやく解説してくれるミスター・PRESSOの高田達也さん

カスタムの魅力を知ることのできる絶好の機会

PRESSOだけではなく、TRY PRESSO'24ではSLP WARKSもブースを出展予定です。魅力的なカスタムパーツを多数展示。もちろん、カスタムでチューンナップしたリールを使って実釣&試釣していただくことも可能。和田浩輝さんはSAL WARKSのテスターも務め、その彼からカスタムパーツでのチューンナップやドレスアップの魅力やメリットといったお話を直接聞くこともできます。

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カスタムパーツで武装したリールを相棒に、トーナメントで善戦を繰り広げている和田浩輝さん

初代LUVIASが誕生してから20年。 今シーズン、満を持して6代目LUVIASが誕生した。ZAIONボディ× ZAIONローターを搭載し、 軽量性と剛性という相反する性能を高次元で実現しています。このNEW LUVIASを和田浩輝さんにじっくりと解説していただきます。

「僕は学生の頃、 12LUVIASを愛用していました。 当時はその性能にも満足していましたが、 愛用していたからこそ感じる24LUVIASの進化。軽さ、 操作性や感度の向上など、 あらゆる面でダイワテクノロジーの技術の高さ実感ました」

さらにAIRDRIVE DESIGNの採用により操作性の向上に繋がり、意のままのルアー操作を可能にしました。

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AIRDRIVE DESIGNがもたらす大きなアドバンテージ

 AIRDRIVE DESINGは、 意のままにルアーを操作することを追求した次世代スピニングリールの設計思想のこと。 このAIRDRIVE DESINGは、 最大4つのテクノロジーで構成されています。巻き出しが軽く、 ハイレスポンスな回転を生み出す『エアドライブローター』。軽量、 トラブルレスな『エアドライブベール』。不要な肉を限界まで削ぎ落し、 軽量化を突き詰めた薄肉設計の『エアドライブスプール』。メインシャフトを高精度カラーで支持し、 さらにピニオンギアと非接触構造とすることで、 高負荷時でも回転ノイズの極めて少ない軽い巻き上げを可能とした『エアドライブシャフト』。この4つが融合しAIRDRIVE DESINGを形成しています。

AIRDRIVE DESIGNは、 エリアトラウトでもメリットしかありません。 特に伝えたいのがエアドライブローター。 従来のローターと持ち比べたことがあるのですが、 とても軽い。 この軽さは低慣性に繋がります。慣性のあるリールだと、 止めるときもリールが回ろうとするので止めたときにグッと重さを感じます。巻き出しのときも止まっている状態から巻き出すので抵抗を感じやすい。 しかし、 エアドライブローターの軽さにより低慣性になったことで、 スっと巻けてピタッと止めれる。 止めたいときも意のまま止めれることができるし、巻き出しもとてもスムーズです。 そのためルアーの動きにも緩急がつけやすくエリアトラウトもとてもマッチしています。 また、 ローターが軽いことで感度も向上して、 ルアーの動きも手元に明確に、 より感じやすくなりました」

これらの相乗効果とリールの重量バランスの改善により、 高次元での操作性を実現しました。

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エアドライブローターにより、今まで以上にキレのあるデジ巻きが可能になった。ピタッと動き、ピタッと止まる。

エステルラインをサポートする高性能ドラグのATD TYPR-L

ドラグはATD TYPE-Lを搭載。トラウトの引きに合わせてスムーズに作動し、 初動レスポンスが高まっています。

ATD TYPE-Lのドラグ性能に惚れています。アワセの大きさに自然とドラグが出てくれて、 エステルラインでもアワセ切れしずらい。にも関わらず、 しっかりと粘りが効いてるのでフッキングミスが少ないんです。また、魚を掛けてからの追従力も素晴らしく、 魚を暴れさせない適度なドラグの出方が自然と魚をいなしてくれるのでバラシが少なくなりました。これはスプール裏の構造の見直しにより、 作動抵抗の少ないドラグ発音機構に進化。よりピッチの細かい滑らかなドラグとなったことに加えて、 ドラググリスもATD TYPE-L仕様になっているため、このドラグ性能を実現しているんです」

ドラグ作動時の滑り出しと追従性を追求し、ドラグ設定を気にすることなくファイトに集中することが可能となりました。

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エステルラインでのアワセ切れのリスクを軽減してくれる優れたドラグのARD TYPE-Lは、エリアフィッシングでは頼もしい機能。

エリアトラウトでのギア比使い分け

今回の24LUVIASで、エリアトラウトにおいてメインになるのはLT2000S-PLT2000S-H になります。それぞれの一回転の糸巻量はLT2000S-P64cmLT2000S-H76cmになります。

「スプーンやクランクを巻く釣りではLT2000S-P、ボトムやミノーなどの操作系の釣りでラインスラッグが出る釣りはLT2000S-Hがオススメです。 巻きの釣りでは、 張らず緩めずの適度なラインテンションが必要で、魚が反転したときにも適度なラインテンションのおかげで弾きにくいのです。 巻きの釣りでもハイギアは使えますが、糸巻量が多いためルアーとダイレクトになりすぎてアタリを弾くときもあります。しかし、 ボトムルアーやミノー、トップウォーターなどの操作系の釣りではLT2000S-Hの出番です。操作系の釣りはラインスラックが出やすく、魚のバイトも一瞬であることが多いです。その一瞬のバイトを逃さずにハイギアモデルなら一気にラインスラックを回収してフッキングに持ち込むことができます。それに加えて、バイブレーション系ルアーのリフト&フォールもハイギアの方が、圧倒的にアクションをしやすいですので、 使い分けは重要です」

このように、 リールのギア比の使い分けは重要で釣果アップにも繋がるのです。

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ギア比に合わせたルアーセレクトをすることで、使うルアーのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能。

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