文・写真/大野 等(おおのひとし)1969年富山市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
全日本SCF・北陸協会岩瀬釣友会会員。
 

 

 

 

 


45(ヨンゴー)の愛称で親しまれているダイワサーフリールのフラッグシップモデル、「トーナメントサーフ45」。

初代のSS-45が発売されてから約30年の年月が経ちます。

その歴史の中で、モデルチェンジを繰り返しながら信頼を積み重ねてきていますが、残念ながら時々耳にする言葉がありました。

「45は最高なんだけど、ラインローラーがねぇ~」の一言。

13トーナメントサーフ45の説明書にも、ラインローラー部分の注油に関する説明が書いてあります。

その通りに、こまめな注油を行うなど手入れをシッカリしていれば大丈夫なはずなのですが、それでも異音やゴロツキが度々発生することがありました。

 

■ラインローラー部のマグシールド化検討について

今を遡ること3年前、13トーナメントサーフ45が発売された直後のことです。

ダイワから1台のリールが送られてきました。

外観は、まるっきり発売されている13年モデルのトーナメントサーフ45。

担当者から、

「マグシールドユニットをラインローラー部分に組み込んだ45預けておきます。絶対にラインローラー部分は分解しないで下さい!

シーズン中使っていて、シャリ感や、ラインローラーが回ってないなど異常を感じたら、すぐにダイワに送り返して下さい」

との説明を受けました。

ハッキリ言って、シーズン中は13トーナメントサーフ45を酷使しました。


5月~11月のキス釣りのハイシーズン中になると、午後からの2、3時間という釣行はもちろん、週4日、5日連続で行くこともありました。

帰ってきてもタックルはそのまま保管し(つまり、汚れたままのリールは水洗いもせず)、翌日もそのまま使うというような状態です。

あまりにも「汚いなあ~」と感じたら、水洗い。

テストですから、あえてこのような雑な使い方を行ってきました。

 

1年使って、一旦返却。ダイワでラインローラー部の検証を行い、マグシールドユニット搭載2シーズン目のテストへ突入しました。

そして、あっという間に昨年2015年で3シーズン目に突入。

3シーズン目のラインローラー部は、マグシールドユニットではなく、マグシールドボールベアリングを組み込んでのテストに変更となりました。

さすがに手入れもほとんどしない状況下では、ラインローラーの回りが悪いなあと感じたことは発生しています。

その原因として、ラインローラー部分に汚れが付着していたため、回転が悪くなっていたのです。

そんな時は、流水でラインローラー部分の汚れを落とします。

爪先でラインローラーを数回動かしたら固まっていた汚れが落ちてラインローラーの回転も復活です。

まあ、ここまで酷くなるまで手入れもせずに使っての事ですので、釣行後の水洗いを行い汚れを落としておけば、よっぽどのことが無い限り大丈夫かと思います。

 


3シーズンのテストを積み上げて、ようやく誕生した16トーナメントサーフ45。

単純に「マグシールドボールベアリングをラインローラー部分に搭載した」だけではなく、過酷なフィールド環境でのテスト実績が何よりの証拠です。
だからこそ自信を持って勧めれるし、使って欲しいと本気で思います。

結果的にラインローラーの耐久性は劇的に向上しています。

 

■7.5°のハイテーパースプール、通称「ナナハンスプール」。

このスプールも、テストの積み重ねがあったからこそ誕生しました。

SS-45から連々と続く、45シリーズの6°テーパー。

そして安心の2°テーパーという2種類のテーパー角が45シリーズの基本でした。

ここで、「遠投」というキーワードに対して、更なるハイテーパーもあり得るのでは?ということで、

各種のハイテーパーを検証、そしてギリギリの線で落ち着いたのが、7.5°という絶妙のテーパー角でした。

そして出来上がってきた7.5°テーパーのスプール。

まだ話には続きがあって、ここで満足しないのが面白いところです。


従来の基準のスプールの前ツバのエッジ高から、順に削って低くしていく検証まで始まりました。

PEライン。

今でこそ当たり前に投げ釣りで使われていますが、二十数年前、新素材ラインとして船用が発売され、それをを流用して投げ釣りに使うようになった黎明期から使っています。

その頃から使っているからこそのPEラインの特徴の伸びの無さからくる、いわゆるPEのバックラッシュは幾度となく経験しています。

担当者から、

「エッジレスの方向性でエッジを削り込んでいく」と聞かされた時は、どこかで無理が来ると思っていました。

ダイワテスター陣で、エッジ高を削り込んでいったスプールを、実釣の中で検証を行いました。

私も釣り場にカウンターを持って行き、投擲回数を記録していきます。

 

1つのスプールにつき、最低60投以上。

テストを積み上げていきますが、エッジレス方向に一番削り込んで行ったスプールでもトラブルが起こりませんでした。

このテスト結果に一番驚いたのが、私自身かもしれません。

ナナハンスプールのエッジレスというくらいの攻めたエッジ形状。


こういった地道なテストの積み重ねられて、リールの発売に至っています。

是非手にとって、最新テクノロジーを体感いただきたいです。

 

文・写真/小池 勝 こいけまさる 1945年広島市生まれ DAIWAフィールドテスター 
全日本サーフキャスティング連盟島根協会しまねえのみやサーフ会員。

 

 

 


シロギスは、「八十八夜を過ぎると陸を向く」。


カレイなら、「キンモクセイの花が香り始めたら」など、釣り人の間では言い伝えられている。


また、クロダイも「クマンバチがブンブン羽音を立てて飛び始めると、産卵に備え肛門周りを赤くしたチヌが乗っ込みを始める」と言われています。

マダイの場合はどうだろう?


それが、よくしたものでマダイにもちゃんと合言葉があるのです。


古くから広島で精通した熟練タイ投げ師の間では、


「須川の5番灯台に入ったか!?」と言うのがそれにあたります。

 

広島湾の東南に浮かぶ倉橋島、その南岸にある須川という集落の沖合にある灯台辺りの船釣りでマダイが釣れ始めると、広島湾のタイ投げも本格的な開幕になるということ。

こうなると、100g6000円を超える『タイムシ(アカムシ)』と、
一個200円を超える『コウジ』をしこたま買い込んで、いそいそと出かけるタイ投げ師の姿を見かける。

(★100g6000円以上するタイムシ。高級品ですね)

 

「それだけのお金を出せば、どれだけのマダイが買えることやら」などと野暮なことは言いっこなし、
まぁそんな声はタイ投げの魅力に取りつかれた釣り師にはどこ吹く風で聞き流すでしょうが。

 

「ホンムシやゴカイでもマダイが釣れたことがあるのに、なぜ高価なタイムシを使う必要があるのか?」との声が聞こえそうですね。
確かに、カレイ釣りなどの合間にマダイの30~40センチがホンムシで釣れることがよくあります。
しかし大ダイ狙いには潮が大切で、一年にそう何回もチャンスが訪れない釣りの場合、やはりチャンスをモノにしやすいタイムシを使う方がいいと思います。

理由は、ホンムシの場合、エサ取りに弱いんです。
せっかくマダイの通り道にエサを投げ込んでいても知らぬ間にフグなどにエサを取られたり、アナゴなどに食いつかれてはたまりません。

その点、タイムシはエサ取りに強いし生命力も旺盛!
例えば一時間投げっぱなしでも、十分に生きて動いているのです。

 

また、「タイムシはのぉ、タイが好むけぇタイムシゆうんよ!カレイムシなんかありゃぁすまぁが」と、のたまうタイ投げ師もいます。

それほどタイムシとマダイの相性は抜群と言えます。

 

夜釣りで狙うことの多いタイ投げ。

潮に沿って泳いでいるマダイが、暗闇のなか大海原にたった竿3本程度の、長さ5~6㎝のタイムシにたどり着くにはかなりの「作用」が働くものと思います。
(★これから夏にかけてのマダイ釣りは、経験上大型の場合は夜釣りの方に確率が高い!)

私の勝手な推測ですが、カレイがホンムシやゴカイを確認するにはせいぜい7~8mくらいだと思いますが、
マダイがタイムシを確認するには25~30m程度の範囲は詮索可能だろうと考えています。
これもタイムシがたい投げ師に愛用される理由でもあります。

 

ここでお勧めタックルをご紹介!

<大ダイ狙いの場合>
★リール(ドラグ付きが無難です。QDは使い勝手良好ですよ)
トーナメントISO4500~5000
プロカーゴ遠投4500~5000
パワーサーフQD4500~5000


★ロッド(タイ投げに欠かせない飛距離や強引な引きに耐えうる30号以上がお勧めです)
トーナメントサーフT 30-405・W
スカイサーフT 30-405・K


★その他
ライン:サーフキャスター4色ラインR 5号
力 糸:サーフキャスターちから糸 5~12号(5号部分を切り詰めて6号くらいから結束など工夫も)                            ハリス:Dフロン船ハリス真鯛7号~8号

 あるタイ投げ師が言うには、「ハリスには張りが欲しいのだが、反面しなやかさも欲しい」と言って、
「Dフロン 船ハリス 真鯛」を気に入って使ってくれており、7号か8号の結び目なしの通し仕掛けが一般的とのこと。


私のような『夜苦手。。。歩くのも大変。。。。雨が降ったらなおさら腰が重い。。。』といった弱気な者とは違い、高価なエサと言い、ラインやハリスへのこだわり、まさに瀬戸内のタイ投げ師は『投魂』のかたまり!だと思います。

 

(★50センチちょっと切れるクロダイですが、自撮りだと小さく写ります…)


最後に、タイ投げと言えば!
夜釣りや磯場からの釣りが多くなりますので、ライフジャケットの着用は必ず行い、安全を心がけた釣行にしましょう!! 

文・写真/高橋明彦 1965年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
第12回SBC投げ決勝大会で6年振りに優勝を手にし、これまでで4度の優勝を果たす。
日本サーフキャスティング連盟神奈川協会。茅ヶ崎サーフキャスティングクラブ会員。

 

 


フィッシングショーで初お披露目となった「トーナメントサーフ45」ですが、いよいよ発売となりました。
既にご購入された方もいるかもしれませんが、改めてトーナメントたる風格を感じていただければと思います。


ここ数年はラインローラー部のマグシールド耐久試験に時間を掛けて評価を行いました。
昨年、私自身もプロトタイプを使用し、スプールデザインや赤サーフ仕様の色味も好感が持てました。
今回は、キャスターの絶大な信頼を得ているダイワフラッグシップモデル「トーナメントサーフ45」を徹底解剖します。


今回のトーナメントサーフ45は遠投での釣りを意識した設計で仕上げています。大きな変更点は3つ。


①7.5度のハイテーパースプール採用
遠投性を高めることをテーマに、スプールにメスを入れる方向で開発を行いました。
従来のテーパー角度は6度を採用しましたが、ライン放出抵抗を極限まで少なくするために7.5度のハイテーパー化に成功。
PEラインの標準規格に準拠した設計仕様や超極細ライン対応により、スプールエッジも従来品と比較すると大幅に小さくなりました。


超極細ラインを巻くことで、緻密に巻かれ投擲時に下糸を引っ掛けることが少なくなったため7.5度スプールが成立したとも考えています。
ライン放出時の抵抗音なども感じられなくなったことは嬉しい誤算でしたね。
ここまで超遠投を意識したスプールが、標準仕様として発売されたことは正直驚きです。


これも、約30年前に発売したSS-45から脈々と受け継がれる基本性能であるスプール互換性があるからこそ、できることなのだと思います。
親しみを込めて呼んでもらいたい、そんな想いからこのスプールは、「ナナハンスプール」の愛称で呼んで下さい。


②ラインローラー部のマグシールドボールベアリング搭載
長年、サーフリールの弱点として指摘を受けていたラインローラー部の改良は必須でした。
「基準が変わる」
「発想が変わる」
「常識が変わる」

まさしく、マグシールドボールベアリングを纏ったトーナメントサーフ45に相応しい言葉だと思います。
ラインローラーがマグシールド化されたことで当然耐久性も向上しました。
私にとっての大きなメリットは、遠征時の釣行やトーナメントでも安心して使えるようになったことです。
幾らメンテナンスをしていても、従来のベアリングだと遠征時の際、
場合によってはトーナメント最中でもラインローラーの動きが悪くなるケースがありました。
こうなってしまうとライン巻取りの際に異音が発生し、集中力の欠落により釣りができなくなってしまいます。
過酷な環境下で使用されるリールだからこそ、より快適に釣りを楽しめるスペックに仕上げています。
今回のマグシールド化で今後はストレスのない釣りができそうです。


③65mmショートハンドル採用
外見でも機能でも一番大きく変わったと感じられるのがハンドルです。
従来品は85mmのロングハンドルを搭載していましたが、今回は65mmのショートハンドルを採用しました。


ショートハンドル化の最大のメリットは?とよく聞かれますが、まず遠投時の仕掛け回収が高速で対応できるようになりました。
これはトーナメントでも非常に有効で、仕掛け回収時の時間ロスが大幅に解消されます。
1分1秒を競う大会だからこそ、手返し重視といった点では明らかにトーナメントスペックと言えます。
また、従来の85mmでは大きく肘を回さないとハンドルを回すことができませんでしたが、
ショートハンドルによって手首だけでリーリングができるようになりました。
これも大きなメリットであり、リーリングサビキ中に肘を脇腹に固定しながら手首だけで仕掛けをサビくこともできるので、試合中もアタリに集中して釣りができるようになります。


 

この3点の革新によって、サーフリールの常識が変わります。
これからのトーナメントも更にハイレベルな戦いになりそうです。
 
 

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