投げ釣りの最近のブログ記事

文・写真 / 松尾 幸浩 まつお ゆきひろ  1954年兵庫県三木市生まれ DAIWAフィールドテスター

全日本サーフキャスティング連盟 兵庫協会 神戸投翔会名誉会長

落ちギスを狙え!!

 朝夕はめっきり肌寒くなってくると、いよいよ「落ちギス」のシーズン到来です。

 越冬に備えて、深みへ落ちる前に体力を蓄えるため捕食活動が活発になり、浅場でシロギスの群れに当たれば18cm~23cmの良型がほとんどで、数釣りも十分期待でき、釣趣も脂の乗った食味も抜群で、10月~11月には投げ釣りの最高のターゲットとなります。

 ホームグランドの淡路島では猛暑の影響か夏場から不調が続き、シロギスの群れが消えてさっぱりでした。それでも例年、東浦の久留麻や厚浜、西浦の都志港や鳥飼等ではシロギスの群れが寄る好釣り場も多く、釣れ出すと数釣りが楽しめ、100匹以上釣ったこともあり、落ちギス釣りが堪能できるのですが、今シーズンはどうでしょうか?

 そこで、落ちギスには定評ある兵庫県加古郡の播磨町の沖にある播磨新島の赤灯台波止に9月末に下調べで釣行しました。ここは落ちギスの群れが入ると良型が面白いようにヒットする地元では超有名な好釣り場です。ただ、魚の活性が高まる好期とはいえ、まだまだ夏魚のエサ取りも多く、釣り辛い状況に見舞われるケースも少なくありません。当日はその他にも猛烈な北風が吹き荒れて、港内でも白波が立ち最悪のコンディションになりました。それでも潮回りは良く、朝マズメ時は不調でしたが、午前7時ごろから時合となる引き潮が港内へと流れ込むと、シロギスの群れが入り、活発にエサを追うようになると、ブルッと前アタリの後にゴンゴン、ギューンとサオ先を引っ手繰る強烈なアタリが連発。3連、4連と良型が面白いようにヒット、15cm~24cmが63匹と思った以上の釣果で、盛期に向けて素晴らしいスタートが切れました。 

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 数釣りのコツはシロギスの群れを探して広範囲にポイントを探ること。潮回りによっては遠投で狙う場合や足元の捨て石際で群れることもあり、臨機応変に対応することが大事。また、ブルッと前アタリを見逃さないこと。良型キスの場合は、いきなり食い込むことは少なく、前アタリで合わせてしまうと、シロギスはエサを吐き出して逃げてしまいます。そこで、ブルッと前アタリが出ると一旦サビクのを止めてじっと待ちます。その後でエサを確実に捕食してゴンゴン、ギューンとサオ先を引き込むアタリになりますから、ここで軽く合わせるとハリ掛かりします。それでも食い込まない場合はもう一度サビキ、仕掛けを動かすとまた食ってくることもあります。落ちギスは活性も高いので、大バリ、大エサが基本です。

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 今回使用したタックルは、ロッドがお気に入りのトーナメントプロキャスターAGSの30号―405。自重は何と400gを切る395g。飛躍的な軽さと感度を持ち合わせた超軽量カーボン素材ガイドAGSを搭載。また、ガイド、リールシートを固定するスレッドをカーボンで固定したCWS(カーボンラッピングシステム)を採用しており、ガイドとロッドの一体感から更なる振り抜きスピードが向上して操作性も抜群。取材当日は強い向かい風の中でも軽さは最強の武器となり、一気に胴まで曲げると、強烈な反発で強い向かい風を切り裂く弾道は6色半を達成。シロギスの群れが港内の奥に移動しても多点仕掛けが群れを捕らえ、アタリが止まることなくヒットしました。

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 リールはトーナメントサーフ35

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 大幅な軽量化により自重は410g。飛距離と操作性も抜群。防水、耐久テクノロジー・マグシールド。さらにローラー部にもマグシールドボールベアリングを搭載し、過去にないタフなリールへと進化しています。良型キスが4連で釣れると重量も相当なものですが、このタフなリールでは全く関係ないようにスラスラとリーリングでき、早く浮かすことができるので本当に重宝しています。

 シンカーはトーナメントでも多用しているフロートシンカー(20号~30号)で、砂泥底でもサビキやすく、アタリも明確でシロギス釣り用として最適です。

 力糸はサーフセンサーハイパーテーパーちから糸+Si 0.6号~6号

 道糸はUVFサーフセンサー+Si 0.3号250m

 ハリは型が20cm前後なら小針で数釣りに適し、エラにひっかかりやすい針先形状の投魂T―3の6号~7号を使用し、24cm~26cmの大型が混じる場合はハリ掛かりが良く、キスが暴れてもバレにくい投魂T―4の9号を主に使っています。

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【追記】

 淡路島で有望なのが西浦にある都志港。ここは大きな港で、例年、10月末ごろから広い港内にシロギスの群れが入り、20cmオーバーが数釣れ、30cm級のジャンボもヒットしたことがあり、11月の盛期になると京阪神から多くのキャスターが詰め掛ける超人気釣り場。しかも、車横付けで狙えるのでファミリーフィッシングも多く、釣れ出すと大フィーバーとなります。昨年は11月中旬に釣友と釣行し、午前中は潮も動かずに苦戦をしいられましたが、午後から潮が動くとシロギスの活性も上がり、ダブル、トリプルと楽しめました。

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ここでは、シロギスの群れが東側のテトラ周辺まで移動することがあるので、遠投重視でリールはトーナメントサーフ45を主に使用しています。45mmストロークだからこそ実現可能な中近距離から遠距離までカバーできる対応力、トルクフル&スムーズな巻き上げ性能。起伏変化を伝えるブレのない回転性能。今まで経験したことのない最強武器でこれからの落ちギスと戦います。

 また、落ちギスのシーズンはカレイの乗っ込み時期とも重なり、これから両方を狙うので私は多忙を極め、益々忙しくなりますが、今年の春には淡路島の仮屋漁港で50cm夢のジャンボイシガレイを釣ったので、この秋も正夢になるようにチャレンジしたい!

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~シロギス釣り師の興味を引くクーラーが登場~ ダイワ『ミニクール』

 

今回の投魂物語は、ダイワから新製品をご紹介します!

2020年7月、シロギス釣り師の興味を引く大きさのクーラーが発売されました!

名前は『ミニクール』

このクーラー、釣りはもちろんのこと、スポーツや手軽なアウトドアレジャーでも利用することを想定して設計

され、ペットボトルや食べ物の保冷にも最適なクーラーとなっています。

カラーはホワイト・マゼンダ・ブルー・グリーン・イエローの5色があります。                  

サイズは8.5リットルと10.5リットルの2サイズ。

メーカー希望本体価格は8.5リットルが5,300円、10.5リットルは5,600円。

『ミニクール』の詳細情報はこちら

このクーラー、投げ釣り・特に砂浜からのシロギス釣り愛好者には、ちょっと気になるモノに見えませんか?

ご存じの通り、シロギス釣りのクーラーは、釣り人が想像力を働かせ、独自の工夫を施してカスタムし『自分だけのクーラー』に仕上げている方が多いですよね!(メーカーの別売りパーツだけでなく、100円ショップやホームセンターで使えそうなものがないか探すことが楽しい!)

このクーラー、まさに「カスタムのし甲斐があるクーラー!」に見えます!

 

ただし、シロギス釣りに使用するにはデメリットもあります・・・ 

・投入口が無い  保冷力が心配

『ミニクール』にはスポーツやアウトドアレジャーでの使用も想定して設計されているため、投入口がありません。シロギスをクーラーに入れる度に、蓋を開け閉めする必要があります。その際、中の冷気が出てしまう心配がありますが、そこは、スチロールやウレタン・アルミ・木材等で中蓋を自作して冷気が逃げにくい工夫をする という楽しみもあるかと思います。

次に気になることは、晴天の砂浜で使用した時の保冷力です。『ミニクール』に使用されている断熱材は「スチロール」になります。クーラーの断熱材には「スチロール」「ウレタン」「真空パネル」があり、保冷力と重量・価格は「スチロール」が低く、「真空パネル」が高くなります。保冷力を補う方法として、クーラー内部の底面に断熱材や保冷剤を敷くなどの工夫ができそうです。ダイワから発売されている保冷剤CPアイス」が底面にピッタリ収まる設計になっていますので、おすすめです!

*写真は850です

この点を理解して使用すれば、シロギス釣りにも使用できるのではないでしょうか? 『ミニクール』には「肩掛けベルト」「座れるボディー」「プルーフケース」「ハンドル」「両開き上蓋」「フンバルマン(クーラー底部のすべり止めゴム)」が標準装備されています。

  クーラーのカスタムに興味がある方は試してみてはいかがでしょうか?

『ミニクール』 商品詳細紹介ページを是非ご覧ください!

 

 文・写真/小池勝 こいけまさる 1945年広島市生まれ DAIWAフィールドテスター 

   全日本サーフキャスティング連盟 島根協会 G・A・Cサーフ会員

 

1987年4月下旬のこと、画期的な形状をした発売前のトーナメントプロキャスターSS―45リールは、 9人の男たちと一緒に長崎県の上五島空港に降り立った。

 6月1日の全国一斉発売に先立って、《ザ・フィッシング》ロケの収録のためだ。

番組のキャスターは、わが国のルアーフィッシャーのさきがけ、テツ西山こと西山徹氏、釣り人は《鴨谷計幸のカレイ指南》でおなじみの、全日本サーフ広島協会長鴨谷計幸氏(当時)と、がちがちに上がってしまった私の二人。

 ロケの結果は、尺ギス天国とは言え4月下旬の釣況は厳しく、一日目などは暴風雨で体が吹っ飛びそうな状況、結果最大は26㌢と物足りない結果だったが、リールとニューロッドのポテンシャルには驚愕と大満足の連続だった。

 

 

【それまでのリール、その時々の釣り人たちを楽しませてくれました。】

 

    (1960年代スポーツ5000)              

 

    (1980年代プロキャスターST)

 

 スポーツ5000は、一つのスプールに太糸も細糸も巻けるよう《エコノマイザー》が常備されていました。

 プロキャスターST8000は、ライン放出を重視してコップ型スプールに設計されていました。

このころが投げ釣り万能タイプのリールから、キス釣りに対応するリール開発の黎明期だったように感じます。

そして前出のごとく1987年に登場したのが、ドラグなし45mmストロークの《トーナメントプロキャスターSS-45》

 あれから33年、45mmストロークのリールは日本全国のキャスターに愛され続け、キャスターの皆さまの声を反映しながら、数々の後継機を送り出しながら今日に至っている。

そして今、2019年登場の最新機種を手に、キスに遊んでもらっている私は、なんという幸せ者だろうか。

(19 トーナメントサーフ45を手にしてキスとの対話を楽しんでいる)

大好きなキスに一年中遊んでもらっている私、自分なりの季節ごとの付き合い方をご紹介します・・・・・、ただお魚釣りは数学のように「答えは一つ!」ってことはありませんので、ここは目くじらを立てないようご笑覧ください。

 冬・・瀬戸内の海水温が10°Cを切っていたころ、冬ギスと言えば九州の平戸島や天草諸島に出かけていたものですが、現在では瀬戸内海の海水温上昇により、場所さえ探せば一年中引き釣りを楽しめるようになりました。

 1月の小雪がちらつく中、ちょっとした港の中で水深が4m前後あれば、お腹周りに脂肪を溜めこんだ冬ギスが食ってきます。

      

    (ある年の1月18日の釣果) 

 《多回性産卵》と言って、水温が最適でエサが豊富なら、カレイやチヌなどの魚とは違って、何回でも産卵を繰り返すシロギスですが、さすが冬季の水温では産卵はしないため、お腹周りには脂肪が貯まっています。

春・・3月のお彼岸が過ぎたころ、ちょっとだけ活性化を感じさせる春ギス、冬ギスでも夏ギスでもない微妙な警戒心で、アタリは「モソモソ」といった感じで冬ギスよりも釣りにくくなります。春ギスの場合、食い込ませようとするよりも、一匹ずつ即合わせで掛けることが多く、巻くスピードも、できるだけゆっくり巻いてキスが追いついて、エサを吸い込めるように誘います。

 こんな時、トーナメントサーフ45のLGタイプはもってこい!ハンドル一回転68cmの巻取りで、HGと比べると20cm違います。これは冬ギス・春ギスに限らず、夏場でも効果を発揮する場面もあります。その日のキスの状況でゆっくり巻きたい時など、以前はハンドルノブではなく、ハンドルの軸を3本指でつまんでゆっくりと回していたこともありましたが、LGだとしっかりハンドルノブをもってキスのアタリを楽しむことができます。

夏・・八十八夜(2020年は5月1日)を過ぎ、待ちに待った夏が近づく・・古くからの格言で「八十八夜を過ぎるとキスが陸を向く」というのがありますが、瀬戸内の実際は渋い!!!春ギスに比べ、確かにアタリは夏めいてはいますが、なかなか・・・・しかし逆にこれが面白い! 

6月も中旬になると、愛する瀬戸内のキスには悪いですが、山陰のキスに会いに行きます。

連掛け、大ギスと釣り場を巡り歩く・・・・・。

JR山陰線の列車を見ながら、ある時は裏のお家のおばちゃんに「お茶でも飲みんさい」と優しい言葉を掛けていただきながら。

 皆さまにそっと耳打ち・・・・・・、魅惑的な夏の夜、大ギス狙いの場合、トーナメントサーフ45からちょいと浮気して《アオリマチックBR》《キャスティズム》ロッドで置き竿釣りを・・・・・・・これがまた楽しい♪♪

やっと涼しさを取り戻した静寂の中、突如鳴り響くドラグ音、クラッチをフリーにしたアオリマチックは、違和感なく大ギスのファーストキッスをキャッチする!!

(この時のロッドはトーナメントサーフでしたが)

 8月も終わりに近づくと、早い場所では《落ち》状態を見せ始め、L型天秤をIの字にして良型が連で掛かってきます。

        

 (良型が5~6匹掛かると天秤はまっすぐになって悲鳴をあげているよう)

 

毎年8月の最終日曜日、日本全国に少なくなった《鳴き砂》で知られる島根県大田市の琴が浜で、気の置けない仲間20人くらいで30年近くキス釣りの集いをしています。

 ルールは50匹到達早上がりor3時間・・・・・・。

私はキスを遊び道具として扱うのが好きではないので、落ちの入り口にいるキスを一人何㎏も釣るのは可哀そうだと思っています。 一応、競技なので、早上がりのためには小さなキスもクーラーに入れるようになりますが、そのキスは競技後に、参加者みんなで手分けして刺身・湯引き・てんぷら・ガーリックソテー・南蛮漬けなどにして、残さずおいしくいただいています。

(私はだいたい てんぷらとガーリックソテー係)

秋・・10月の声を聞くと、投げ釣りの2大ターゲットの一つ、カレイ狙いに興じ、キスとの出合いはカレイの産卵が終わる年明けまで、お預けとなります。

ロッドは《トーナメントサーフT30-405》、リールは《トーナメントISO 4500遠投

(カレイ狙いの竿に釣れた良型の冬ギス)

私は以前から、キス釣りを始めるなら《落ちギスシーズン》からと言っています。

エサ取りよりも早く、ガンガン当たってくるアタリを楽しめるからです。

えさは青ゴカイの方が安価ですが、サイズがバラバラで匹数計算だと石ゴカイの方が安くつきます。

動きの鈍い冬ギス・春ギスには石ゴカイの1匹付け。

食いがたっている夏場は、ハリいっぱいか、ちょっと余すだけにします。

落ちに入って8連10連すべてのハリに掛けることにこだわるなら頭の固い方だけ刺し、尻尾は使いません。

柔らかいと食い逃げされ、せっかくパーフェクトを狙っても、エサだけ取られてしまうことになります。

山陰西部における夜の大ギス狙いには青ゴカイが最適です。

私なりの季節ごとの付き合い方をご紹介しました。

    皆さまにも季節ごとの投げ釣りの楽しみ方があると思います・・・

 

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