トーナメントマスタライズキスSMTで秋のシロギスを先取り 

文・写真/石亀明夫 1953年千葉県生まれ DAIWAフィールドテスター 日本サーフキャスティング連盟マスターズサーフ会長 SBC投・全国決勝大会の競技委員長を務める。 

 

ここ数年、「今年のシロギスシーズンは遅れていて…」だとか「海水温が異常で良い情報がなくて…」といった枕詞が定番となっていて、異常気象の影響で昔とは釣れる時期や場所がズレてきているように感じます。

特に今年の関東地区は7月に入っても涼しく、どこからもシロギスの良い便りがありません。また、8月に入ると今度は余りの猛暑に昨年釣れた場所も音沙汰なし。シロギスの群れが小さいのか、「釣れたよ~」という情報の翌日にはもう釣れない。。。といった感じ。お盆の頃はいつもプチ爆釣が期待される外房の鴨川は、台風の影響で荒れ模様。竿すら出せないありさま。

 

さてさて、今年のフィッシングショーでキャスター垂涎の的となったトーナメントマスタライズキスSMT。その会場で突如発表されたAGSガイド取付料無料キャンペーンに唖然!騒然?!となった釣り界。そんなこんなで、トーナメントマスタライズキスSMTのAGS仕様が手元に届いたのは6月。SBC投げ神奈川大会の数日前でした。(長かったぁ~)

手にした瞬間の感想は軽~い!細身だけどシャキっとしていて穂先(SMT)に関してはしなやかな設定。この竿を使用するまでは、感度が欲しければ多少飛距離が落ちたとしてもL字固定天ビンから遊動式の天ビンに換えれば済む事だ。と軽く考えて余り重要視していませんでした。いや~この感度のすばらしさにはビックリ!

それなのに休みと天気との巡り合わせが悪く、せっかくのトーナメントマスタライズキスSMTを堪能できない日々が続きました。そんなモヤモヤが溜まりきる頃、ようやく海水浴が終了して場荒れしていない岩井海岸に行くことができました。

岩井海岸での第一投目。5色半に投入して底の感触を確かめつつゆっくりサビくと、クックックッと中型らしきアタリ。そのフッキングしたであろうシロギスをゆっくりとこちら側に泳がせるようなイメージでトレースしてくると、その傍にいた大型ギスがそのシロギスに反応したらしく大きく竿を引き込みました。グッ~!とくる大きなトルクに負けないようにこちら側が主導権を握り、仕掛けをまっすぐにするイメージで堪えて対応。更なる多点掛けを期待し、2尾ついた仕掛けを何事もなかったようにさらにサビク。そしてまたグッグッグッ!と竿を抑え込むような追い食いに成功・・・で4点掛け。
 
岩井海岸といえば、小ギスの数釣り場。名だたる名手が数釣りの練習に度々訪れる所です。

6色半からサビいてくるとプルプルっと小さなアタリ。沖目は小ギスのようです。SMTだとアタリが本当によくわかります。5色付近で中型らしい元気なアタリ。どうやらここから4色位の間に良型ギスが溜まっているようです。
しかし2~3投すると小ギスが混じりだしたため、大型目指して即、移動。このような良型の拾い釣りが出来るのも岩井海岸の楽しみ方なんです。遠浅で変化の少ない海岸でもポイント探しに歩けばこんなのがポツポツ上げられます。

いつもこの時期なら近場にいる岩井海岸のシロギスも今回はちょっと遠投が必要。
ちなみに、今回持ち込んだトーナメントマスタライズSMTは27号です。エッ!随分軟らかめの竿を選んでいるな。と思われるかもしれませんが、元竿の強度が上がっているので従来の号数感覚では30号以上のポテンシャルがあるかもしれません。

元竿が長く、重心がリール側に設定されているため思った以上に軽く感じられ、一日中振り続けても疲労感が少ないです。AGS効果も相まっているのでしょうね。

飛距離においてもこの重心位置が重要で、スイングスピードが速くなることで初速を付けることが出来、距離のアドバンテージが大きくなります。

実釣でもしなやかな設定のSMT効果でサビく際のオモリの暴れが解消され、違和感のないサビキが期待出来ます。又、ここぞといった一発の遠投も元竿と2番の継ぎ目あたりを意識して押し込めば思いの他、距離が伸びるかもしれません。

この日は雨模様だったものの、2時間程で30尾の釣果で早上がりです。

SMTでしか味わえない独特なアタリを堪能でき大満足!

本当にすばらしい竿が出来て、これからの釣行が毎回楽しみです。
 

2021年11月

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