C&Rに特化させたミノーとクランクベイトをニューリリース

 エリアでもないネイティブでもない、トラウトルアーゲームを満喫できるもうひとつのスタイルのキャッチ・アンド・リリース(以下C&R)。前回は、このC&Rの特徴や魅力を小林さんが解説しました。今回はこの秋にリリースされたばかりの『DOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタム』と『WABCRA 30 DR C&Rカスタム』の特徴や基本的な使い方を、引き続き小林さんが解説します。このふたつのルアーは、C&Rに特化させたルアーです。

たくさんのルアーを用意していた方が有利になる

 DOUBLE CLUTCH F1 C&RカスタムとWABCRA 30 DR C&Rカスタムをご紹介する前に、C&Rで用意しておきたいルアーについて解説しましょう。

 C&Rは自然の河川をそのまま利用していて、エリアよりもネイティブに近いフィールドコンディションです。そのため、ネイティブで釣りをするときのような数種類のルアーがあればカバーできる、と思いがちですがそんなことはないのです。エリアほどたくさんのルアーを用意しておく必要はありませんが、少しでも多くいろいろな種類のルアーを準備しておいた方が有利になります。スプーン、ミノー、スピナー、クランクベイトと用意しておきたいルアーの種類は多岐にわたります。また、ルアーカラーも数色だけでなくレッドやオレンジなどのハイアピールカラー、キラキラと輝くメタリック系、ホワイトなどの膨張色、さらには紫外線に反応して発光するケイムラなど、いくつかの色をスタンバイさせてそれを効率よくローテーションします。

 環境はネイティブなのですが、用意しておきたいルアーの種類やカラーがたくさん必要なのには、もちろん理由があります。

「ネイティブでは、ルアーに反応してくるトラウトだけを狙い、バイトがなければ、移動して釣り上がっていきます。しかし、区間が設けられているC&Rでは、頻繁に移動して釣り歩くのには限度があります。一か所に留まって粘らなくてはいけないような状況にもよく遭遇します。このとき、同じルアーを延々と投げ続けても釣果は望めません。そこでタイプの違うルアーやカラーをテンポよくローテーションさせ、トラウトの目先を変えながら反応のいいルアーやカラーを選んでいくわけです。ですので、ルアーの種類やカラーは、ひとつでも多く用意していた方がよいのです」

 いくつものルアーの中から、口を使ってくれる反応のいいルアーを探し出すという作業が加わり、C&Rでのゲーム性は高くなります。ひとつでも多くのルアーを用意していた方が有利なC&R。ここに、C&Rに特化させたDOUBLE CLUTCHとWABCRAが加わることは、間違いなく釣果アップの背中を押してくれるのです。

絶妙な浮上速度でバイトを誘発するDOUBLE CLUTCH C&Rカスタム

 DOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタムには60㎜と45㎜の2サイズがラインナップされ、共に既存のPRESSO DOUBLE CLUTCH 60 F1と45 F1をベースにしています。違いは、PRESSOでは60 F1と45 F1では細軸のファインワイヤで#8(60 F1)と#10(45 F1)サイズのフックがセットされているのに対し、CRでは太軸の#460㎜)と♯645㎜)のフックがセットされています。

 C&Rでは大型のトラウトのヒットの確率が高く、また、流れの中でやり取りするためにパワフルで激しいファイトになります。そのため、耐久性のある太軸がセットされているのです。そして、太軸を採用しているもうひとつの理由が、浮上スピードにあります。

「当然、太軸でサイズの大きいフックの方が、わずかですがウェイトが重たくなります。これにより、オリジナルよりもC&Rカスタムの方が、少しだけ浮上スピードが遅くなるんです」

 浮上スピードが遅すぎるとトラウトに見切られやすく、バイトにつなげられません。逆に速すぎると追わないことが多いのです。特に、厳寒期になると低水温のためにトラウトの動きは緩慢になり、速い動きにはついていけないのです。太軸のフックをつけてウェイトを少しだけ増すことにより、絶妙な浮上スピードを実現させたのです。また、浮き上がりだすときも一気に急浮上するのではなく、ジワリと浮き上がっていきます。このタイミングも、トラウトのスイッチを入れやすいのです。

 C&RでのDOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタムの使い方はいろいろ。

「ただ巻きでも釣れます。リトリーブさせながらのショートトゥイッチで小刻みに動かすのも有効です。また、エリアではデジ巻き、ネイティブではグリグリ、といった呼び方をされていますが、リールハンドルをテンポよく巻いては止めるアクションも縦の動きを出すことができて、実績の高いアクションになります」

 60㎜と45㎜の使い分け方は、基準になるのが60㎜です。飛距離が出しやすく、また、C&Rでは大型トラウトが多いので、60㎜がちょうどいいサイズになります。対して45㎜は、放流されたトラウトのサイズが比較的小さいフィールドに有効です。30㎝前後のレインボートラウトを多く放流しているC&Rもあり、そんなフィールドでは45㎜をメインに使うとよいでしょう。

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DOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタム

サイズ=45㎜ ウェイト=1.6g タイプ=ハイフロート カラー=6カラー フック=ヴァンフックME-41B6

DOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタム

サイズ=60㎜ ウェイト=2.9g タイプ=ハイフロート カラー=6カラー フック=ヴァンフックME-41B#4

ヨタヨタとしたナチュラルな動きが天然河川のトラウトに有効

 WABCRA 30 DR C&Rカスタムは、PRESSO WABCRA 30 DRをベースにしています。DOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタム同様に、オリジナルではファインワイヤの#10のフックを採用しているのに対し、C&Rカスタムでは♯6の太軸のフックがセットされています。

「大きなトラウトとのファイトを配慮した太軸フックになっています。そして、もうひとつが動きの制御。オリジナルのWABCRAは、ピッチの早いブリブリとした動きをみせますが、C&Rカスタムではやや重たいフックをセットすることでその動きを少し抑え、優しいナチュラルなヨタヨタとした動きになっています。C&R区間の川で生活しているトラウトの場合、極端に強い動きを嫌がることがあるんです」

 使い方は、ただ巻きが基本。トゥイッチやジャークといったアクションを加える必要はありません。ただし、リトリーブコースは、少々こだわるようにします。キャストのときの着水点を上流側にするアップクロスで投げ、そこから流れに乗せてドリフト気味に引いてきます。リトリーブの最中は、ある程度の引き抵抗を感じながら巻いて、リップに水を噛ませてしっかりと泳がせるのがキモ。ダウンクロスでほぼ正面から水流を受け、デッドスローで引いてくるテクニックもありますが、水流が速すぎると動きが強くなりすぎてしまうので、ちょっと注意が必要です。

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WABCRA 30 DR C&Rカスタム

サイズ=30㎜ ウェイト=2.9g タイプ=フローティング 最大潜航深度=約1.2m カラー=6色 フック=ヴァンフックME-41B#6

トラウトのコンディションにあわせたカラーローテが大切

 カラーはDOUBLE CLUTCH F1 C&Rカスタムも、WABCRA 30 DR C&Rカスタムも同じカラーで6色をラインナップ。

 チャートヤマメオレンジベリーやネルカレッドは寄せる力が強いのが特徴。水に溶け込むカラーがパールヤマメで、ナチュラルにアピールします。オリーブヤマメはアングラーからの視認性がよく、ルアーの位置を把握しやすいので流れの中での釣りに不慣れなアングラーでも使いやすいカラーです。カゲロウベージュやケイムラカディスはトラウトが捕食するカゲロウとトビゲラ(カディス)をイメージさせたカラーになっています。6色どれもが様々な状況に対応できるカラーになっています。中でも小林さんが強く推しているのがオリーブヤマメ、ネルカレッド、カゲロウベージュです。

「ネルカレッドのネルカは、紅鮭の学名『オンコリンクスネルカ』から取っています。その紅鮭の婚姻色をイメージさせたカラーにしているんですけど、この色がハマることが多いんです。婚姻色って、トラウトの何かに強く反応するようなんですね。カゲロウベージュとケイムラカディスは、ケイムラを採用しています。紫外線によって発光するケイムラは、エリアのルアーでは以前からよく採用されていましたが、最近ではネイティブ用のルアーでも注目されているカラーです。寒さが厳しくシブってきた状況でも実績を残しているカラーなんです」

これらのルアーで、冬のトラウトフィッシングの新たな楽しみ方C&Rを満喫してくださいね。

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チャートヤマメオレンジベリー

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パールヤマメ

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オリーブヤマメ

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カゲロウベージュ

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ネルカレッド

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ケイムラカディス

2024年11月

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