2022年3月アーカイブ

Q6:SilverCreekミノーの製品名に「カスタム」と付いているモデルは何?

小林:この質問に関しては、渓流ミノーイングを含むルアーフィッシングのご経験がある方に向けて回答させていただきます。入門者や初級者の方は、まずは製品名に「カスタム」と付かないスタンダードモデル3種(44S51S61S)を使い分けたほうが、釣果を得やすいですし、いざカスタムモデルを使ったときに特徴をつかみやすいと思います。

 さて、SilverCreekミノーのカスタムモデルには「スローフォール」「ダート」「ダイビング」の3タイプがあります。オールマイティなスタンダード3種に対してカスタムは"特化した性能"を備えているのが特徴です。悪くいえば不器用で、スタンダードに比べれば出番は少ない。場所によっては、「あの岩の流心側の深み!」「あそこへキャストしてこのコース!」「さっきルアーを追ってきただけで食わなかったあの魚をバイトさせるために!」というくらい限定的な状況を攻略するためのアイテムです。

 詳しくはQ79で一つ一つ触れていくとして、まずはざっくり説明させていただきます。

スローフォールカスタム40SS

 渇水で普段より浅くなった小渓流や渓流で活躍する。通常のシンキングモデルでは根掛かりが多発してしまう、水深60cm未満のシャローでも使いやすい。降雪量が少ない年はシーズンを通じて出番が多い傾向がある。

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ダートカスタム48S53S

 トゥイッチで左右にスライドダートする。直線的な軌道のスタンダードモデルを使っていて、「魚が追っては来るけれど、ミノーとの距離が詰まりきらずバイトに至らない」といった状況を打開するための一手になる。

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ダイビングカスタム50FS

 スパッと沈んで、立ち気味にセットされた大型リップがガッチリ水を掴む。ピンポイントの深みやアップストリーム(上流へキャストして下流へ引く)に特化した、カスタムの中でもとくにクセが強いモデル。

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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)

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1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。

前回に引き続き、カラーの話となります。

Q5-03:最低何色あればローテーションに困らない?

小林:下記5系統のカラーがあれば、ほとんどの状況に対応できます。

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■派手系パーマークあり

 小渓流・渓流における必携カラー。

・ハイアピール:チャートヤマメ/ピンクヤマメ/桜ヤマメ/夏色ヤマメ/ライムイワナ

・ワンポイントアピール:オレンジヤマメ/パープルヤマメオレンジベリー/山吹ヤマメ

■ナチュラル系パーマークあり

 渓魚の縄張り意識を刺激しやすいカラー。ナチュラル系としても使用可能で小渓流から中流までエリアを問わず出番がある。

・ヤマメ/黒サビヤマメ/アマゴ/チャートヘッド黒サビアマゴ/イワナ

■ナチュラル系パーマークなし

 渓魚の食性に訴えるイメージで使用したいカラー。とくに、エサとなる小魚が多い中流でハマると強い。

例:TS/若アユ/ワカサギ

■ベタ塗り系

例:CH紅桜鱒

 渓魚に婚姻色が出ている時期に強さを発揮するカラー。また、魚がスレている釣り場や、渓魚が昆虫を意識している夏に効くことも。

■ゴールド系

例:アカキン/アカキンヤマメ/クロキンヤマメ

ゴールド系のなかでも「赤+金」はトラディショナルなヒットカラーで、その威力はいまも健在。「赤」は鮭鱒類の皮や身に含まれるアスタキチンサンの色であり、婚姻色としても表出する、鮭鱒類にとって特別な色である。

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Q5-04:SilverCreekミノーの多くが"アルミ貼り"なのはなぜ?

小林:端的に言ってしまえば「釣れるから」です。とくに、渓魚の活性が高まる朝・夕マヅメの中流・渓流や、木々がオーバーハングしている小渓流の水中は、かなり暗いです。また、よく晴れているときの空が開けているエリアでも、太陽の高さ(≒水面に光が差す角度)によっては、太陽光のほとんどが水面で反射して水中に差し込まず、アングラー(明)と渓魚(暗)の感じる明るさに大きなギャップが生じます。

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 暗い水中で"アルミ貼り"のSilverCreekミノーは、まるで小さいフラッシュを焚いているかのようにピカッ、ピカッとフラッシングします。渓魚から発見されやすいですし、ロッドワークや流れの変化でミノーが姿勢を変えたときの明滅効果が高く、渓魚に追いのスイッチを入れることができます。

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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)

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1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。

Q5-01:"最初の1色"におすすめはどれ?

小林:背中が蛍光色に塗られた"アングラーから見やすい色"、「チャートヤマメ」「ライムイワナ」「夏色ヤマメ」「桜ヤマメ」などがおすすめです。流れの中でミノーを引くと、慣れないうちは"イメージと実際にミノーが泳いでいる位置"がズレてしまいがちです。そのせいで、ねらったコースを引けなかったり、根掛かりでルアーをロストしたり。そんなストレスを解消してくれるのが、先に挙げた"見やすい色"というわけです。

 また、こうした色は"ルアーの位置がハッキリわかる"ので、サイトフィッシングにも適しています。見えている魚にアプローチするときも、追尾してきた魚とルアーとの距離を測ってアクションを仕掛けるときも、見やすい色は大きなアドバンテージになります。

 さらに、渓魚の反応もいい。とくに"好奇心や反射"と"威嚇"が重要な小渓流において、目立つカラーはよく釣れるうえに使い勝手もいい、必携カラーと言えます。

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Q5-02:カラーで釣果に差は出る?

小林:出ます。ミノーのタイプやサイズを適切に使い分けることのほうが重要ですが、カラーをローテーションすることで"魚の反応"が大きく変わった経験を何度もしています。またQ5-01でも触れたように、カラーによる"使い勝手"の良し悪しも大事なポイントです。

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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)

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1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。

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