2019年8月アーカイブ

文・写真/松尾幸浩 まつおゆきひろ

1954年兵庫県三木市生まれ DAIWAフィールドテスター

全日本サーフキャスティング連盟 兵庫協会 神戸投翔会名誉会長

 

 

私がエンジェル・ジュニアサーフに入会したのが高校1年生の15歳の時。必然的に全日本サーフキャスティング連盟兵庫協会に所属することになり、それから光陰矢の如し、今年で半世紀を迎えることになりました。本当にあっと言う間の50年でしたが、健康で好きな釣りを続けることが出来たので、両親や家族には本当に感謝の言葉しかありません。

 

全日本サーフキャスティング連盟はキス釣りや大物釣りを行っているのみならず、陸上でロッドとリールを使って飛距離を競うスポーツキャスティングというものを実施していることを入会して初めて知りました。学生時代は陸上競技(長距離)とハンドボールをやっていたので、足腰と腕、肩には自信がありましたが、身長168cm、体重65kgと小柄なので最初はオーバースローで100mを投げるのに四苦八苦しました。そこで、その当時から200m近く飛ばしていた先輩のクラブ員に指導してもらい、釣りよりもスポーツキャスティングに重点を置いてST種目の練習を続けると、リールを持つ左手(私はサウスポー)の使い方が素晴らしいと褒められました。これはキャストした時に左肩の後ろからリールを持った手が頭のはるか上を超えて弧を描く様子のことで、飛ばす人にはよく言われる振り幅が大きいということでした。

これで飛距離はどんどん伸び、オールジャパンキャスティング大会では199mの最長飛距離をマーク。第4回ジャパン・トップ・キャスターズにも優勝することが出来ました。

それから数々の大会で優勝することが出来、印象に残っているのが、ST種目からスウィング投法に変更して、ジャパンワールドキャスティング大会の一般の部(道糸3号、ちから糸あり、オモリ25号)で192.45mの最長をマークして優勝することが出来たことです。また、中華民国の全国遠投競技大会では第4種目(道糸2号、ちから糸あり、オモリ15号)で211.50mをマークして見事優勝。また第3種目(道糸5号、オモリ15号、ちから糸なし)では最長154.44mをマークして日本新記録も樹立しました。

今は秋の大会に向けて練習を再開しているところであり、新しく装着したスポーツキャスティング専用設計の「RCSサーフスプール45COMPETITION」を使用して上位入賞を目指したいと思います。

本当に今思えば夢のように強い時期もありましたが、残念ながら小柄な体格と、五十肩や年齢とともに体力が低下を感じ始めました。60歳をはるか過ぎると目に見えて飛距離ダウンが感じ取られたので、昨年の7月からジムに通いパワーアップするため体力維持に努めています。その甲斐もあり、昔取った杵柄、まだまだ、最大限の飛距離は出せています。以前は釣りでもトーナメントプロキャスター35号の425を軽々と振っていましたが、今は硬くても33号、普段の釣りでは30号を主に使用しています。振れる、振りやすいを念頭に置いた号数選択により、胴を曲げる投擲ができています。

また、振りやすいというのも最大の要因の一つです。力だけではなく、より効率よく投げるためにも、スウィングスピードを上げることが重要です。このためには、4.05mよりも3.85mのショートロッドを選ぶと思った以上に振りやすく飛距離も期待出来ます。このような長さはトーナメントプロキャスタースカイキャスターにラインナップされており、トーナメントプロキャスターでは30号の405と比べて、20cm短いことも貢献して重さでは25gも軽量しています。

この差があることにより一日中振っても振りやすく、狙ったポイントに精度高いキャストが出来、また疲れも軽減出来ます。そして、使用するリールも重要な要素となります。折角、フォームが完璧になっても投げ専用の大型リールを使用しないと思ったほど飛距離はアップしません。私はトーナメントサーフ45を使っていますが、スプールストロークの長さが45mmもあり、また、テーパー角別専用設計の「LCスプール」で最大限距離を稼ぐことができています。自重も395gと非常に軽く、スウィングスピードも速くなって遠投性能は抜群です。

 

では、非力でもより遠くへ飛ばすことが出来るでしょうか?

このためには先ほど述べたように、「曲げられるロッド」を選ぶことです。体力があまり無いのに、35号や40号の硬調子のロッドを選ぶとロッドに負けてしまいます。先ず、胴が曲がらないのでコントロールがつきません。キャスト時に無理なフォームになり、ちから糸を離すタイミングもバラバラになるからです。そのため、硬いロッドよりも振りやすい、胴を曲げられるロッドを選ぶことが大切です。トーナメントプロキャスタースカイキャスターでは27号があり、またプライムキャスターパワーキャストでは25号もラインナップしています。

 

硬過ぎるロッドを曲げようとすると、リールを持った利き腕を真っ直ぐに押し出す傾向になり、飛距離を生み出すために大きく撮らなければいけない振り幅が小さくなってしまいます。昔から手首を軽く曲げてスナップで投げるなどと言われていますが、飛距離を出すためには体重移動を行って腰で振る方がいいと思います。現在のロッドは3DXやSVFカーボンでその反発力は凄まじく、またV-ジョイントのお陰で強度アップとスムーズな曲がりを実現していますから軽い号数の竿でも、上手く竿を曲げることができれば飛びます。

 

飛ばすために必要なテクニックは何度も言いますが、「ロッドの胴を曲げろ!」これが重要です。

 

ロッドの反発を生かすためにも出来るだけ胴を曲げるために、キャストする場合には遠心力を利用しますが、ロッドのトップガイドから、ちから糸のオモリまでのタラシは長いほど遠心力は大きくなり、胴に負荷をかけてくれます。この遠心力を大きくするため、リールの前後ぐらいまでタラシを取る回転投法を使いますが、慣れないとコントロールは非常に難しいです。

飛距離がまぁまぁ出なくてもポイントの狙ったところへコントロールよく仕掛けをキャスト出来る方が重要となる場合もあります。このような場合は、比較的コントロールも付けやすく飛距離も出るスリークウォータースロー(V字投法)でキャストするのがお勧めです。この場合のオモリのタラシは2番のバットガイドの位置ぐらいがいいと思います。フォームは野球のピッチャーの動作と良く似ており、軸足に体重を乗せてキャストを開始すると体重が移動して腰が入り、最後に正面を向いて胸を張る。リールを持つ手は出来るだけ頭の上を通るように弧を描くのがベストで、この一連の動作が重要ですね。文字で伝えるのにも限界がありますので、飛距離アップを望むならキャスティングの上手な方にコーチをお願いするのが一番の早道だと思います。

出来れば冬場にランニングして足腰を鍛え、筋トレでパワーアップして先ず丈夫な身体を作ることも重用になります。それからキャスティング練習をして少しでも飛距離アップが出来るように精進することが大切だと思います。

 

飛ばせることのメリットは、何と言っても魚の居るポイントを広範囲に探れることです。100mしか投げられない人は150m先の魚を釣ることは決して出来ません。特にキストーナメントではこの差が歴然であり、沖合の深場までキャストできる人はキスの型も良く重量勝負になると遠投力のある選手が有利になることが多々あるからです。

 

最後にタックルの小物類も飛距離を出すためには重要な要素となります。完璧な投法と最適な小物類を合わせて使うとより飛距離がアップします。先ず、ラインは細いほど空気抵抗が軽減されて飛びます。現在ではPEラインを使用するのが主流ですから、一番細くて耐磨耗力が大幅にアップ、コスレにも強い「サーフセンサーネオ+Si」の0.3号―300mがお勧め、そして、キャスト時の強い衝撃でも安心の強度がある「サーフセンサーハイパーテーパーちから糸+Si」の0.8号~6号を結びます。また、キャストによる指先へのダメージを軽減するために「グルビタフィンガー」を使用し、オモリは高比重タングステンを使用し遠投性と感度を両立したTGフロートシンカーを、使用するロッドの硬さによって25号~30号を使い分けていきます。実釣では飛行時の仕掛けの抵抗も大きく、ハリ数を少なくするのも飛距離アップにつながりますね。

 

この中で出てきた商品の詳細情報は下記商品名をクリックしてご覧いただけます。

トーナメントサーフ45

RCSサーフスプール45COMPETITION

トーナメントプロキャスター

スカイキャスター

プライムキャスター

パワーキャスト

サーフセンサーネオ+Si

サーフセンサーハイパーテーパーちから糸+Si

グルビタフィンガー

TGフロートシンカー

文・写真/大野 等(おおのひとし)1969年富山市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
全日本SCF・北陸協会岩瀬釣友会会員。

 

 

今年フルモデルチェンジした19トーナメントサーフ45

 

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

発売からモデルチェンジを繰り返してきましたが

ヨンゴーの歴史と、私自身の年代とヨンゴー(あえてヨンゴーと記載させて頂きます)を

世代ごとに語ってみたいと思います。

 

第一世代

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

和62年(1987年)ダイワからトーナメントプロキャスターSS-45が発売

(石亀テスターからSS-45の写真をお借りしました)

 

SS-45発売当時の私といえば、ちょうど高校3年生。

その後、SS-45II、Z45Tとモデルチェンジを繰り返していきました。

この世代ですが、10年以上続いたわけですが、この間に、PEラインが発売されて、投げ釣りが一気に進化した時代だったと思います。

ただ、流石に10年以上も、同じ基本設計で頑張ってきてこの世代の後期の頃になると当時のヨンゴーのウイークポインが露わになってきたように思います。

今になって思いで的に、皆さんが「ああ、そうだったよなあ!」と思って頂ける事としてラインローラーがギュルギュルすぐ泣き出すこと。

ボディこそ、ウイスカー製でしたが、ローターがマグネシウム製で手入れを怠ると(釣行後は、すぐに水洗いして、錆止めのオイルスプレー塗布などなど)塗装がボコボコと浮いてくる。

また、ストッパー機構が旧態依然のラチェット式(その頃の他のリールは、インフィニットアンチリバースが順次搭載されていっていた)等など。

今からすれば、20年以上前の事になりますので、懐かしさこそ感じられる事かと思いますが、当時のヨンゴーのウイークポインとでもありました。

また、PEラインの出始めの頃は、いわゆるバックラッシュを多発した方も多く、その解決策として逆テーパー形状のABSスプールを提案したのもこの世代でした。

私自身は、この世代のヨンゴーと共に過ごした20代でした。

 

第2世代

2001年、満を持してまるっきりの新型として発売されたZ45C

ボディは表面に特殊な処理を施すことにより腐食耐性を持たせたエアメタル製、ネジもジュラルミンを採用するなど徹底的に軽量化されZ45IIではついに、45mmストロークという大型リールでありながら395gと夢の400g台に突入。

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

 

(真っ赤なボディが印象的だったZ45II competition)

 

PEラインの使い方も、釣り人の方が慣れてきて、最後の1色程度はテンション巻きをするなどして対応出来るようになってきて、45mmストローク、6度テーパーという正テーパースプールの他に、2度スプールなどのバリエーションが出てきた時期でもありました。

2005年のフィッシングショーで展示された「I'ZE FACTORYのTOUNAMENT SURF Z45ⅡLight」

当時のZ45IIをベースに徹底的な肉抜きなどで軽量化を行った試作モデルですが

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

重量は、なんと295g

このとき軽量化のために、肉抜き出来るところは、肉抜きしたわけですが。

そこでやったのが、ローター裏の肉抜き。

今となってみれば、この試作機が次の世代にバトンタッチする試金石となった様な気がしています。

私の30代は、この世代のリールと共にありました。

 

第3世代

2008年発売のZ45

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

 

いまだに、08トーナメントサーフZ45の愛用者も、キスマスターズなどのトーナメントでは多々見かけます。

2007年、発売の前年になりますが、初めて試作機を使わせて頂いただいたときは

まさか、ローター裏をくり抜いてくるとは思いもしまませんでしたので、今までのリールでは考えられないような大胆なデザインに大変驚かされました。

はじめてZ45の試作機を渡されたときに、思わず「軽っ!」って声が出てしまった事を今でも覚ええています(360g)。

 

マグシールド搭載の13トーナメントサーフ

そして、ナナハンスプールとマグシールドラインローラーが搭載された16トーナメントサーフと進化。

マグシールドの耐久テストと、ナナハンスプールのスプールエッジのテストでは、とにかく、何度も海に通ってのテストとなりますので大変でした。

(そのためのテスターなのですが)

その話は

2016年6月アーカイブ

「16トーナメントサーフ45誕生秘話」投魂物語

に書きましたので、是非ご一読を。

 

私自身は、この世代と40代を過ごしました。

 

第4世代

今年、ついに大幅なモデルチェンジを行った

19トーナメントサーフ45

#トーナメントサーフ45 #ダイワ #投げ #リール

 

例に漏れず2018年の昨年、試作機を使わせて頂きました。

最初の印象は、前モデルまでは、だんだん、ヤンチャになっていったデザインに比べたら

ちょっと、落ち着いたイメージのデザイン

大人になったって感じですかね。

 

まずは、渡されて最初にすることは、もちろん、リールのハンドルをクルクル(笑)

その回転の滑らかさには、すぐに気がつきました。

ただ、思わず聞いちゃったのが、「ストッパーレバーどこ?」最初は、今までとストッパーレバーの位置が変わって、リールのボディ下側に変更されたので、違和感がありましたが、テストで1日使ったら、慣れてしまいましたけどね。

今年発売されて、普段の釣りで19トーナメントサーフ使っていますが、リールの剛性感、組み付け精度の高さなどからくる回転の滑らかさ、リールから感じるノイズが少ななどのおかげで、キスを釣っているときの、楽しさが一桁上がった気がしています。

私自身の事ですが、実は今年、ちょうど50歳の節目の年を迎えました。

 

10代後半、高校生の年に発売された「ヨンゴー」ですが45mmストロークという基本設計が、30年以上前から変わらない

そして、年代と共に、ブラッシュアップされて、モデルチェンジ、世代交代を繰り返しながら、ここまでやってきた

しかも、いままでのスプールがすべて使うことが出来るという互換性を捨てずにやってきた。

「ヨンゴー」以上に、ここまで投げ釣りを愛する人たちに長きにわたって信頼され愛されているリールは他には無いのでは無いでしょうか。

 

まだ19トーナメントサーフ45を使ってない人には、ぜひ、このリールを使って釣りをしていただきたい。

トーナメントで勝つため

そして

普段の釣りで投げ釣りの愉しさを感じていただくため

 

 

最新のトーナメントサーフ45の情報はこちらをクリック

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