叶えられた達成感。第11回ダイワSBC投2014 全国決勝大会で表彰台へ!。

 

参戦リポート・写真/松尾幸浩 1954年兵庫県生まれ DAIWAフィールドテスター 全日本サーフキャスティング連盟レインボーキャスターズ会長

 

ダイワSBC投2014で優勝すること!

 

 今年60歳の還暦を迎えて、私はひとつの節目を感じていました。長く、シロギスの数釣り競技にのめりこんできて、この歳になっても納得のいく結果を残してみたい。気力と体力を整えて、万全の準備を持って臨みたい。前号でご報告したとおり、時間があれば近場の砂浜に通い、自身の得意なパターンの確認とイメージのトレーニングに励んでました。

 

 仕掛けについても、打ち返すスピードやリズム。フロートシンカーのアームに私流の工夫を加えて、アタリの取りやすさ、掛かり具合をチェック。多点針仕掛けでの状況による適宜応答を心がけて、SBC投決勝の鹿児島に乗り込みました。

 

 目指すは優勝。以前の準優勝(第2回大会)からの「準」をとること。それは還暦の節目にふさわしいと掲げた目標でした。

 

 
 

 予選1回戦の直前。突然、インスピレーションのようなものが湧きました。まだ薄暗い吹上浜の海を見てピンときたもの。南九州の浜辺なのになんとなく寒々しい。この状態ではキスはまだ遠いのではないか。

 

 まわりでは2色から3色の釣りという目測が語られてました。

 

 前日までそのあたりにキスが集中していたと。私もそこに気持ちがあり、プロキャスター27号425を構えていました。長めの仕掛けなので竿を425にして操作をしやすくしよう。そう思ってはいたのですが、直前になっての心変わり。なにかいまの道具では状況に合わないのではないか。一目散、必死にクルマまで走りました。4色から5色の釣りになるのではないか?

 

 慌ててトーナメントキャスターAGSの30号405に差し替えたのです。整列直前ぎりぎりになんとか戻れてのセーフ。いま思えば、この直感と心変わりがこの日の最初のターニングポイントでした。

 

 1投目。いきなり15連、しかも型はすべて20オーバーの良型ばかり。まわりは小さい。どよめく声を聞いて、やったと思いました。予感的中のロケットスタート。ここからスタートダッシュの波に乗れた。自分の開始直前まで持っていたイメージとテンポが面白いほど決まり、次々とキスが乗ってきます。潮は上げ潮で、私の打ち返すリズムにさらなる応援をくれるよう。

 

 換えたロッドは、狙い所だったゾーンのキスたちをことごとく捉える印象で集中力が途切れない。夢中の1回戦を終えて、気がつけば私はぶっちぎり。自分でも驚くほどの1位通過を果たしていました。

 
 
 

 決勝ラウンドに進んだ4人は、私、早坂直人選手、坂手魚神選手、澤谷彰広選手。いよいよ待ちに待った目標のステージでした。

 

 イケる。イケるはず。1回戦の印象と狙い所を離さなければ、このままの好調モードを持続できるはず。私は少々(というかかなり)舞い上がっていたのかもしれません。釣り用語でいう、魚のうわずり。これが困ったことに人間側がうわずっていた。そして結果から言えば、すべてが裏目。この日の2番目のターニングポイントでした。

 

 潮は下げ潮に入っていたことに、私はもっと早く気がつくべきでした。1回戦のイメージが頭から離れず狙い所から外していたのです。正直なことを言いますと、私のホームグランドである淡路島の砂浜には、吹上浜のような広大かつ干満差のある砂浜がありません。体験値の引き出しが少なかったことと、判断と行動力の甘さを悔やんでいます。

 

 もうひとつの反省として、早坂選手の存在。連覇中の早坂選手に対してどうしても意識をしてしまい、彼の行動がつねに視界にあります。三連覇も目前の勢いの早坂選手をマークするばかりに、まわりを見る余裕を失っていた気がします。それは、おそらく、早坂選手も一緒でなかったでしょうか。

 

 この展開のなか、坂手選手は自身の投げ釣りを繰り返していた。私が気がついた時には、追いつけない状態にいた。いま終わって振り返れば、しみじみと感じることです。

 

 ↑上記の写真は、決勝ラウンドの開始の当初、イケると思って余裕を見せて仲間に撮ってもらった私。しゃがんでいる場合ではなかった(苦笑)

 

 
 

 坂手選手が優勝、2位早坂選手、私が3位、澤谷選手が4位でした。口惜しさは残りますが、同時に、かなえられた達成感はありました。還暦の私でもまだこういう「お立ち台」に立てるではないか。しかも、もうちょっと柔軟に物事を考えて行動すれば念願のお立ち台の真ん中はあるなと。

 

 それにしても、坂手選手は凄かった。立派だったと思います。会場を丁寧に探査して、吹上浜の会場エリアを把握。自身の釣りを貫いていた。若いのに(32歳)、いや若いから出来ることだとも思いますし、私も30代の頃はそうだったなと呼び覚まされる想いまでありました。優勝はひとまずお預けになりましたが、自分はまだまだやれる。これからの目標が継続できました。

 

 こういう若い方々が出てきてくれて、その若い人の壁になったり、逆に若い人に胸を借りて全力で立ち向かったり。そういう想いをより強くした今年。還暦といっても、ほんの通過点。来年への楽しみが増えて、ますますワクワクしてきた私です。

 

 来年、2015年もブロック戦を勝ち上がり、坂手選手に挑むことでいまから胸はいっぱいです。

 

●↓↓↓決勝大会の詳細はこちらをご覧ください。

 

http://www.daiwaweb.com/jp/fishing/event2/data/main/nage/2014/1238750_4247.html

 
 

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