SilverCleekミノーには、渓流ミノーイングの軸となる3つのスタンダードモデルと、渇水やハイプレッシャーを打開するための3つのカスタムモデル(スローフォール/ダート/ダイビング)がラインナップされている。
ご自身が通う渓の攻略に必要なモデルはどれか。それらをどう使い分ければより効果的なのか。
一つ一つ特徴に触れながら、整理していく。
■Q1:SilverCleekミノーは、どんなところが「渓流専用」なの? 他魚種からの流用ではダメ?
小林:まったくダメということはありません。けれどSilverCleekは、渓流専用に「流れを攻略するためのミノー」として設計されていますので、止水を想定したミノーとは明らかに特性が違います。
止水であれば、立ち位置から正面にキャストしても、左右どちらへキャストしても、同じようにミノーを泳がせることができます。けれど川では、流れに対してどの方向へキャストするかによって、ミノーの泳がせ方が違ってきます。立ち位置から下流へキャストして引けばリップが強く水の抵抗を受けますし、上流へキャストすればミノー全体が流れに乗るため、その場の流れよりも速くリールを巻かないとアクションしてくれません(リップに充分な水の抵抗を受けることができません)。そして、やや上流へキャストして流れに乗せながらミノーを引いてくるケースでは、着水直後のミノーは流れに押されているけれど、やがて横から流れを受けるようになり、最後は流れに反して下流から上流へ引くことになる。つまり1回のキャストのなかで、ミノーとアングラーはさまざまな流れに対応しなければならないのです。
SilverCleekが「渓流専用」なのは、"どの方向からの流れや流速に対しても及第点以上の性能を発揮する"ところにあります。とくにスタンダードモデル3種(44S/50S/61S)は、日本全国どこの渓流にも対応するミノーとして高い評価を得ていますし、私のボックスからも決して外れることのない1軍ミノーになっています。
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解説:小林将大(こばやし・まさひろ)
1986年生まれ、東京都在住。幼少期に魚類図鑑を見てイワナやヤマメの美しさにひとめ惚れ。大学では、水産学部でサケ・マス類の生態について学びながら、岩手県を中心に東北の渓でルアーフィッシングに没頭していた。ピンスポットキャストを得意とし、生態学に基づく釣りを展開する。