文・写真/渡部裕司 1963年愛媛県松山市生まれ DAIWAフィールドテスター
全日本サーフキャスティング連盟愛媛協会松山キャスターズ会長
今回はまず、私のホームグランドの松山沖中島の四季折々の釣りを紹介いたします。
中島は、私の家から車で3分の三津浜港からフェリーで約1時間30分のところにある島です。睦月島、野忽那島を経由するので、フェリーに乗る時間はやや長めですが、週末は仕事が終わってから最終便に飛び乗れることから約30年通い続けているお気に入りの島です。
この島から投げ釣りで狙えるターゲットは、カレイ(マコガレイ、数は少ないけどイシガレイ、ホシガレイ、ムシガレイ、メイタガレイ)、シロギス、マダイ、クロダイ、コブダイ、スズキ、キュウセン、カワハギ、アイナメ、ネズミゴチ、シログチ、カサゴ、ソイ、ウマヅラハギ、メバル、マゴチ、ヒラメ、などなどです。
魚種は至って豊富ですが、私がメインで狙うのは、カレイ、シロギス、マダイ。その他の魚はメインターゲットとしてではなく、シーズンや仕掛け、エサなどを変えてサブ的に狙っています。
春先から季節を追って紹介しますと、
3月の中旬ぐらいから5月連休までは「花見ガレイ」狙いで、他魚はマダイ、クロダイ、アイナメ、など。
5月中旬から10月中旬までは、日中は、シロギス狙いで夜釣りでは「マダイ」中心に狙っています。
10月後半からは、「カレイ」メインで、マダイ、クロダイ、シロギス、カワハギなど狙っています。最近は特に、肝パン!カワハギが釣れることから、邪道ですが少し針を落として二刀流で釣っています。この時期はマコガレイの刺身をカワハギの肝で食べる!このゴールデンコンビはやめられません!
年が明け1月~3月にかけては、やはり1年中で最も魚影の薄い時期になりますが、残りガレイ、越冬ギスを中心にアイナメ、ソイ、カサゴ、メバルなど狙うことが多いです。
このエリア(島)は、ほぼ島一周どこでも釣りができますが、潮の流れが比較的早いポイントが多く、一日中同じポイントで釣りをすることが難しいです。例えば満ち込みの潮でAポイント、引きの潮でBポイント、と言った感じで最低でも一日2か所のポイントで竿を出すことが多いです。こんな時に、振り出しの竿はポイント移動に便利で、決断も迷いなくできます。
このように恵まれた中島で、今年発売のトーナメントサーフTの動画撮影を行いました。
(動画はトーナメントサーフT商品ページ下の方へスクロールしていただくと見れます。)
実は、置き竿で狙う投げ釣りのタックルのメインである赤竿こと、トーナメントサーフTの動画撮影のメインターゲットを決めるのには迷ってしまいました。上述の通り、私がメインでマダイを狙うのは10月中旬まで。それ以降はカレイメインにシフトしていくためです。
10月下旬の撮影スケジュールでしたので、瀬戸内海のマダイ・カレイねらいか?宇和海のアマダイ・イトヨリダイねらいとすべきか、迷っていたのでした。結局、赤竿には魚の王様マダイでしょう!という事で、マダイに決定。脇役としてカレイも釣れればラッキーという感じにすることにしました。前述のように豊かな海ですので、釣果自体には不安なくお引き受けしました。今だからお話できますが、後によくよく状況を考えてみて気が付いたことは、この時期はまだ水温が高くマダイ釣は夜釣りで釣ることが多かったということでした。撮影は明るい時間帯で実施しますから、更にハードルを上げてしまったことに後悔しましたが後の祭り。
そうこうする間に撮影当日。昨年末は暖冬と言うことで、例年のデータが当てにならず、半端じゃないエサ取りの猛攻は覚悟していました。しかし現場は、急激に水温が下がっていたせいか、エサ取りどころか全くアタリもない状況。私自身も経験したことがない状況で、手も足も出ぬまま撮影終了となりました。振り出し投げ竿のフラッグシップである赤竿の撮影で、しまった!という感じでした。
ここは何としてでも起死回生、泣きの撮り直しをお願いしました。撮影時期は師走へと差し掛かり、スタッフの皆さんがこの年末に予定を合わすのはなかなか厳しく、カメラマンさんと私で何とか12月初旬に撮影していただけることになりました。
しかし、12月になるとマダイが少なくなり、反対にカレイが釣りやすくなります。最悪の場合はマダイを諦めカレイ、いや秋の五目釣りか・・・。こんな弱気になっていました。
撮影は2日間。1日目は、お昼の12時から日没まで、2日目は早朝から13時までの予定でした。
初日の釣り開始。お昼の撮影開始以降、やはりエサ取りも少な目で、アタリも少ない感じ。まずいかな?
午後15時、夕まずめに場所を変えて勝負するか?この場所で腰を埋めるか?今振り返ればこの時点で平常心での釣りが出来ていませんでした。こんな精神状態で迷いながら移動を判断し、よし!移動や・・・っと思い竿を1本片付けたとき。残りの2本の竿の1本にジジジーと大きなアタリ、上がってきたのが何と今年第一号のマコガレイ。サイズはなんと45㎝。感動的な一匹になりましたが、この日はこれでフィッシングストップとなりました。
撮影2日目。
早朝5時に目的のポイントに到着したのですが、風がまあまああり第一希望のポイントを諦め、第2のポイントで竿を出すことにしました。トーナメントサーフTを準備し、まだ薄暗い時間に第一投目。3セット目を投げ終えたころに、何とかライトなしでエサが付けられるぐらいの午前6時30分。
一投目に投げた竿にジジジー!!大きなアタリ。のった!
ゴンゴンと頭を振る。マダイかクロダイか?どちらかで間違いない。
上がってきたのは念願のマダイ48㎝でした。
「ホッと」一息する間もなく、もう一本の竿に大きなアタリ。何と!58㎝のマダイをゲット。
これで、本当に余裕ができました。こうなると、さらにカレイかクロダイでも追加できればと欲が出るものです。しかし、時間は刻々と過ぎ、諦めかけた午後12時30分。ジジジー!!っと大きなアタリ。何と、58㎝のマダイを追加することができ気持ちよく撮影を終了することができました。
今年発売のトーナメントサーフT最大の特徴は、
の搭載で3代目と比べても格段に強くなり、軽く、美しく曲がるところにあります。
この撮影時の1匹目のマダイは、やりとりの途中、藻に潜られたのですが、竿を煽った状態で溜めていると、らくらく藻がこちらを向き、スムーズに魚が抜けてきました。
低水温になると藻(ホンダワラ)の層が多くなってきます。このような藻を抜くときのコツは、ガンガン竿をあおるとラインにキズがついたり、負担がかかってしまうので避け、竿のパワーでじっくりと煽った状態で藻全体がこちらを向くのを待ちます。藻がこちらを向くと、魚が抜けてくるのです。小舟を引っ張るときにグッと引っ張ったら動きませんがジワーと体重を乗せていたら動き出す感じです。いい竿なら竿がしっかりと働いてくれるのでこのような際も安心です。
そして、このトーナメントサーフTはキャストの時にもその良さを発揮します。6割程度の力で振ってもも充分曲がってくれますし、遠投しようと最高に力を入れた瞬間は、バットのV-ジョイント アルファが効いてきて非常に強い感じです。ギヤーが2段ついているようなイメージです。
更に、大型リールをがっちり固定できるスクリューシート(パーミングシート)。大物釣りには欠かせない、しっかり力が入るリールシートを装備しています。太さもちょうどよく、持ちあまりしないで、しっくり握れます。
デザインもゴールドを使用し、かっこよく仕上がっています。竿全体のバランスのイメージは、3代目を少しだけ胴調子にし、ちょうど2代目と3代目の中間ぐらいのバランスに仕上がっていると思います。投げ釣りは、いろんなターゲットとの出会いを求めることができ本当に楽しいです。是非皆さんもよい道具で充実した釣りを楽しんでください。