文・写真/大野 等(おおのひとし)1969年富山市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
全日本SCF・北陸協会岩瀬釣友会会員。
仕事柄、朝から釣りに行くということがなかなか出来ないので、午前は仕事で午後から釣りというパターンが多く
午後からの2~3時間程度の釣行でシーズン中だと、だいたい一釣行あたり30~50匹程度って感じで釣って来ています。
「北陸だから魚影が濃いからだよ」なんて思われる方も居るかもしれません。確かに太平洋側と日本海側の魚影が濃さの違いはあるかと思います。
しかし、北陸だから簡単にバンバン釣れるかと言われたら、朝から釣りに出ていてもなかなかツヌケしない方も居るのも事実。
この釣果の違いはどこから来るのか?
それは、連掛け出来るか・出来ないかによる差から来ると思っています。
それじゃあ、キスの連掛けのコツは?とよく訊かれます。
私がよく例え話として出すのが「小アジのサビキ釣り」です。
ドボン!とサビキを水中に落しただけではサビキに多くの針が付いていても1匹、2匹しか釣れてきません。
小アジが海中に居るタナを、上手くサビキを上下し動かしながら通していきます。こうすることでサビキのついた多数の針により多くの小アジを付けることが出来ます。
上下方向の小アジのサビキ釣りを、投げて遠くから手前に引いてくる方向に変えてやったのがキスの投げ釣り。
キスの居る層を上手く通してやると針により多くのキスが付いてくるわけです。
他にもサビキ釣りと似ている点があります。小アジのサビキ釣りで、魚が掛かっても何もせずにしていると魚が暴れ回って仕掛けがグチャグチャに。絡ませないように、穂先を操作しながらテンションをかけてやるように操作します。
トラブルがあったり、手返しが悪いと仕掛けのロスにもなりますし、時間のロスになって小アジの釣れる数が伸びていかない。
キス釣りも同じでドボンと放り込んで放置
では、キスの釣れる数は伸びません。
引き釣りは、仕掛けを投げてサビくという動作で、キスを掛けていきます。キスが掛かった仕掛けを、キスが居るタナ・場所に通していく釣り方です。この時に、仕掛けが絡まないテンションで引いてくるのがコツです。
このように、小アジのサビキ釣りとキスの数釣りは共通するところが沢山あるような気がします。
普段の釣りでは竿先を操作しながら仕掛けにテンションを掛けサビく方法(竿サビキ)を使っています。竿サビキだと、竿を動かして動かした分だけ、竿を戻しながらリールを巻き取るという動作を繰り返していきます。
竿サビキの際、ギア比4.9の05PEモデルだとその時のラインスラックを早く巻き取る事が出来ます。
また、ハイギアモデルの他のメリットは、仕掛けの回収が早くなるので、手返しよく釣りをすることが出来ることにもあります。
トーナメントサーフ45HG05PEにはギア比4.9というハイギアが搭載されています。ハイギアだと巻きが重くなるという印象を持たれる方もいるかもしれませんが、このリールでは違います。リールのZAIONボディによるボディ剛性と、アルミマシンカットタフデジギアにより、ハイギアモデルでありながら連掛けしたキスをぐいぐい巻きあげてくることが出来ます。
さて、夏後半~秋に掛けての北陸のハイシーズンとなると、そのタナがキスの絨毯になっているのでは無いかと思われるくらいキスが群れています。
投げて、そこに仕掛けを通すだけで、キスがガンガン掛かってくる。
こうなってくると、少しでも仕掛けが止まっている時間があるとキスが食い上がってきて仕掛けがぐちゃぐちゃの団子状になってしまうので、リール巻き続けるだけのリールサビキでの釣りとなります。
こういうときは、ハイギアより巻き上げトルクがあって、定速での巻き取りがやりやすいローギアモデル、LG06PEを使いました。
「一投で十匹なんて当たり前。十回も投げれば百匹オーバーというペースが、夏~秋の喰いが立っているときの北陸の釣り」連掛けの魅力はなんといってもこれが出来たときの嬉しさです。
こんな感じで、昨シーズンは、2種類のギア比のトーナメントサーフ45を使い分けていました。
ですが、ギア比によってリールを交換するとリールの巻きスピードや、巻いたときのハンドルに掛かる重さが違って気になるときがあります。
こういう場合は標準ギアと呼ばれるギア比4.1搭載の06PEをオールラウンダーモデルとしての使い方もアリかと思います。
ローギア(LG06PE)、ハイギア(HG05PE)、標準ギア3(06PE)のギア比のリールが用意されており、それぞれの釣り方に合せて、ギア比をチョイスして頂ければ良いかと思います。
今年は、北陸でも雪がほとんど降らない暖冬でした。桜の花も観測史上最速の開花だそうです。4月の中旬では北陸でもまだ1匹1匹を海中から引き出すような渋い冬のキス釣りですが、GWぐらいからは多点針に複数匹のキスを掛けてくる本格的なシーズンが始まると楽しみにしています。
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