今年のキスマスターズ決勝大会は9月20日(金)~9月22日(土)に開催です。
毎年各地のブロック大会から勝ち上がってくる選手で盛り上がるこの大会。
今年はダイワテスターの吉野海洋さん、川口友輝朗さんが決勝に進出します。
決勝への準備も忙しい中、勝ち上がりから決勝へ向けての抱負に至るまで、インタビューをさせていただきました。どのようにブロック大会を戦って、決勝ではどのように戦おうと考えているのか。非常に興味ありますよね。少々長くなりますが、吉野テスター、川口テスターそれぞれのインタビュー内容をご紹介します。
まずは吉野テスターから
ブロック大会からの勝ち上がりおめでとうございます。Cブロックは2位で通過。当日はかなり暑かったですが、影響はありましたか?
「暑かったです。現場で炎天下では温度計が45度を指していたとか。でも、大きな影響があったとは思っていません。ある意味想定内でしたから。」
(写真左端が吉野テスター)
想定内ですか?
「そうです。以前この会場の弓ヶ浜で釣りをしたことがあり、あの場所は気温が上がると魚が薄くなることは知っていました。水温が上がりきる前の1回戦では手前でも良く釣れていました。しかし、その後2回戦の後半では魚が岸から離れ、超遠投エリアでの釣りが成立する状況になるとみていました。また、全体的に魚が多い場所ではありますが、場所ごとにムラがあり的確に魚のいる場所を捉えていかないとうまく行かない場所です。そのため、エリアの狙いを定め、その場所をきっちり狙っていく必要がありました。」
経験から、状況を読み戦略を組み立てて行ったということですね。
「事前情報を持っていたこともかなり助けになりましたが、試合中に収集する情報もかなり重要でした。1回戦終了後に手前で釣れていたという情報が多数あったため、2回戦開始直後は手前を探るところから開始しました。ですが、場荒れのせいか手前のエリアは良くなく、すぐに7〜9色あたりを探る方向に切り替えました。」
大胆な戦略の転換ですね。こういう場合結構勇気のいる決断ではないですか?
「実は、1回戦を戦っている間、手前を釣るだけではなく、超遠投も試し情報収集していました。この動きで、超遠投して8~9色エリアにいい感じの場所があることが分かりましたが、1回戦は手前のエリアを中心に手返し重視で戦いました。1回戦が終わって、他の選手と話をした後、2回戦の中では最後の切り札としての超遠投エリアを使おうと決めていました。
そうして、2回戦の最初の一時間は手前を、最後の1時間は超遠投で攻めていきました。」
遠投力のある吉野モニターならではの強みを活かした展開に持っていったという感じですね。
「そうですね、やはり投げは遠投ができれば圧倒的に有利です。しかし、そんな状況でも、当然リスクはあります、かなり飛ばさないといけないのでハリ数は少なくしなきゃならない。釣りをする中でも相当飛ばさないとダメかなと感じるところもあったので、ハリ数などに手を入れるのですが、当然1投あたりで取れる魚は減ります。ここは勝負の勘所も必要なところでした。」
1回戦、2回戦の状況はよく分かりました。そんな中、タックルは何をどんな理由で選んでいたのですか?
「タックル検討のとき、マスタライズキスの35号SMTを使おうかと考えていました。この選択はどちらかと言うと手前のエリアを意識した選択になります。感度のいい竿ですので情報量が多く繊細な釣り向きの選択です。もちろん遠投にもすごくいい竿でもありますが、超遠投をするのにはあまり合わないと感じています。本当に飛ばしたいときや向かい風に投げなければならないときは最後の強い押しにより竿が曲がりすぎるため、究極な飛距離をかせぐにはやはりコンペシリーズがいいと思いコンペシリーズを選びました。
最終的に予選では1回戦、2回戦とも遠投を意識し、サンダウナーコンペ35-405を選びました。2番節が長めの設定で、しっかり反応して遠投させてくれる相棒です。向かい風であってもしっかりと竿の硬い三番から弾き出すパワーが魅力です。
リールはトーナメントサーフ45のハイギアを使いました。遠投からの回収を意識してのギア比選択です。ハイギアにのみ付属の7.5度テーパーの浅溝スプールもいい仕事してくれたおかげで、多くの魚をキャッチする事ができました。
糸選択ですが、2回戦の序盤は8本撚りの0.4号、後半は距離を稼ぐため0.3号にしました。オモリはトップガン35号、タングステンは効きます。」
決勝大会についてですが、会場の唐浜での釣りは経験がありますか?
「初めてです。これまで唐浜では釣りをしたことがないので、その分準備には気を使っています。特に魚の口周り、ハリのバリエーションも多めに想定して巻いています。オモリにもラバーコートしたものを準備するなど考えられることはすべてやっています。
行ったことがないだけに、敏感になっているのかもしれませんが、テレビなどで「カゴシマ」と聞くと反応してしまう自分を最近発見してしまいました。
事前下見の予定もあります。下見した後状況を判断して色々と調整していくつもりです。」
決勝大会への抱負を聞かせてください。
「日本一を目指して、全力を出します。自然相手のスポーツですし、運もあります。そんな中でも、準備含めて持っているものすべてを投入して臨むだけです。
また、こうして競技をやっていけるのも、家族や協力してくださる方々、そしてメーカー様への感謝を忘れずに、期待に応えていきたいと思っています。」
お忙しいところ、ありがとうございました。
投擲だけではなく、実釣の競技でも強い。その強さの源がどこにあるかが感じられるインタビューでした。
続いて川口テスター
決勝進出おめでとうございます。5位でBブロック通過となりました。
「ありがとうございます。実は前日の下見ではあまり状況に合わせられなかったのですが、勝ち進むことが出来てよかったです。」
(写真左端が川口テスター)
Bブロックでは、1回戦、2回戦ともにかなりの好釣果でした。1回戦では8名が2000g越えの結果を出していました。川口さんの結果は1回戦で2207g、2回戦で1773g。このような釣況での試合はこれまで経験したことがありましたか?
「試合でこんなに釣れたのは初めてでした。
試合当日、スタート前に近くで釣りをしていた人を観察していたところ、かなりの数が釣れていました。ここから、試合中も釣り上げる魚の数は多くなるだろうとは考えていました。」
そのような状況を前にして、どのような攻め方を考えていましたか?手返しを重視した方策を考えたりしていましたか?
「数釣りができる状態でしたが、もともとキスを外す、エサをつけるなどのスピードが遅い方ではないので、落ち着いて普段のペースで釣りをすることを意識していました。
状況を見て、まず最初はゆっくり目にサビくようにしました。」
キスの活性が高い状況はまわりのライバルも一緒です。そんな中でも差をつけないと上位には入れないわけですが、どういうところで差をつけることが出来たのでしょうか?
「自分のペースが作れたことに加えて、最初からゆっくりサビくことで、1回戦の前半はかなり多くの情報を集めることが出来ました。その結果、他の人が探っているよりも少し手前によさそうな場所があることが分かりました。1回戦の後半には、このエリアを重点的にを探ることで手返しよく数を釣り上げることが出来たと思っています。
冷静に情報を集めることで、この状況を生み出すことが出来ました。」
会場となった伊良湖で釣りをしたことはありましたか?
「初めてでした。Bブロックは1週間順延となり、当初試合予定日の前日、前々日に試釣し、その後順延日程の前日も試釣をすることができました。知らない場所とはいいながらも、順延により結果的に試釣日数が増えたのは幸運だったと思っています。
実は昨年参加したブロック大会でも順延したことで下見日数が増え、試合への準備が楽になったという状況がありました。」
初めての場所での釣り、準備にはどんなことに気をつけていましたか?
「特に仕掛けのバリエーションを多めに準備しました。D-MAX シロギスT1、T2,T3それぞれのハリを使った仕掛けを準備しておきました。」
ブロック大会ではどのタックルを使いましたか?
「竿はスカイキャスターAGS35号ー405Vを使いました。魚が多いとみていましたのでリールはトーナメントサーフ45のハイギアを使用しました。」
決勝まで1ヶ月を切りました。鹿児島唐浜への準備はいかがですか?
「鹿児島での釣りも初めてです。仕掛けのバリエーションは多く。オモリもいろいろな種類を準備しています。下見は前々日にする予定です。
実はエサの準備ではまだ課題を残しています。チロリを予約しているもののまだ手元に届いていない状況です。チロリに代わるエサを探し準備してはいますが、これが当日どう出るかはまだ未知数な部分が残っています。課題があるものの、考えられることは全てやって臨みます。」
決勝への抱負をお聞かせください。
「今年は何とか1勝はしたいと思います。
昨年が初めての決勝大会進出でした。いま振り返れば、緊張のせいか体が硬かったので実力を出し切れたという感触はありませんでした。
今年はブロック大会の時のように、普段どおりの自分の釣りができ、楽しく釣りができれば、結果も付いてくると思っています。サポートしてくださる皆様への感謝を忘れず、しっかりと準備して大会に臨みたいと思います。」
ありがとうございました。
ご本人は幸運だった、と謙虚ですが昨年に引き続いての決勝進出はやはり実力。がんばって欲しいですね。
さて、決勝大会ではどのような活躍をしてくれるか、大変楽しみ。乞うご期待です。
各モニターについて
吉野 海洋 よしの かいよう 1991年生まれ DAIWAフィールドテスター
JSCF、NSCF所属。石川鱚酔会会員
川口 友輝朗 かわぐち ゆきお 1989年生まれ DAIWAフィールドテスター
日本サーフキャスティング連盟所属マスターズサーフ所属
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