新製品ウィンドサーフT開発秘話

文・写真/渡部裕司 1963年愛媛県松山市生まれ DAIWAフィールドテスター 

全日本サーフキャスティング連盟愛媛協会松山キャスターズ会長

 

今回は今年度の新製品ウインドサーフTについて、開発過程でのエピソードや実際に釣行してみての感覚や性能などご紹介いたします。

まずは、昨年の夏ごろだったと思いますが、ロッド担当者から連絡があり

「来年度の新商品「ウインドサーフT」で行こうと思います。」

「ウ・ウ・ウ・ウインドサーフ・・・」

って聞きなおしたのを鮮明に覚えています。振り出し竿では、その時はトーナメントサーフシリーズ、スカイサーフ、ランドサーフ、ロングサーフなどが代表的なシリーズでしたので、直ぐに

「リールにはある名前ですがどのクラスになるのですか?」

担当者は、「スカイサーフTとランドサーフTの間になると思います。」

・・・「え!!兄弟が増えるのですか?」

こんな会話でスタートしたのを昨日のようにハッキリと覚えています。当然ですが、そんな会話の中で次に出てくる言葉は、価格は?ガイドは?色は?こんな感じでした。価格は定価で3万円台とお聞きしましたので、このクラスになるとバットがふにゃふにゃと柔らかいイメージをもっていたので、できるだけバットをしっかりと張りのある先調子が良いとお伝えしました。

次のプロトが出来、テストに行った際、少し調子の違う3本30号を使用して実釣でテストしたのですが、第1投目を投げてみて、驚いたことがありました。まずはスクリューシートの威力、そして、ガイドセッティング。

 

「5点Kガイドでこんなに張りのある竿が作れるんですね!」っと驚きを伝えました。

また、私のホームグランドは瀬戸内海ですので、潮の流れが速く流された仕掛けを潮上に巻き上げるだけでもかなりパワーがいるのですが、実釣時にたまたま47㎝のクロダイが流された仕掛けに食いつきオマケに道糸に流れてきた藻が付いた中スイスイ魚が上がってきたのには、本当に驚きました。穂先は少し柔らかくアタリも鮮明にでる、今までの振り出し竿にない先調子の出来上がりにいろんな号数を早く試してみたいなと強烈に思いましたし、出来上がるまでワクワクしていました。

程なくして、次に動画撮影用の竿が送られてきて、竿袋少し開け見てみると????何で青竿(スカイサーフT)送ってくるんや?そうか?青竿と比べて調子を確認するのかな?っと思っていました。次の日に庭で竿袋から出してビックリ!!

ウインドサーフTって

「あ・あ・あああ青色なんや!」

はじめて見られた人も私と同じ感覚だったとおもいます。色については情報をもらっていなかったので、正直びっくりしました。個人的には「青」は好きなので私的にはOKでしたし、元竿にはカラークロスやホワイトのワンポイントなどこだわりが詰まっているというのが第一印象でした。皆様はいかがですか?

さて、新製品ウインドサーフを携えての動画の撮影に臨んだのは10月。私のホームグランドの中島で10月の初旬にカレイを釣るのは、なかなか難しい。本来のシーズンは11月中旬から12月末ですから。反対にシロギスは何処でも釣れるシーズンなので、問題ないと思っていました。しかも、1日半という短い時間での撮影。竿が主役ですから夜釣りもNG、カレイがダメでもマダイ、クロダイ、でもと逃げ道を考えるのですが、早場のカレイ釣り場はどの魚種も少なく、「神様!仏様!カレイ様!」そんな釣行でしたが、諦めかけた最後の最後にマコガレイが釣れました。撮影そっちのけで喜んでいる姿が写っていて正直恥ずかしい気持ちです。

 

ビデオも含む商品ページはこちら

http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/nage_rd/wind_surf_t/index.html

 

本題の竿の調子ですが、テスト時のプロトに色が塗られてくるので、少し調子が変わるかなと思っていましたが、どちらかと言うと良い仕上がりになっていてホッとしました。撮影当日は、30号と27号の2種類を使用しました。私の場合振り出し竿では、竿の号数30号でしたらオモリは27号、竿27号でしたらオモリ25号を使うことが多いのですが、当日は27号の竿を使い、主にオモリ27号、更に風が強くなったときは、オモリ30号を使っていました。振り出し竿は、オモリが重すぎると指先の負担が大きく竿の振り抜きも悪くなりますが、バットを張らしたことでしっかりと振り切れる振りやすい仕上がりでした。更に竿25号でキスの引き釣りをした映像でも感度のよさが写っていたと思いますが、感度も良く冬場のカワハギ釣りにもおもしろそうだと思いました。

改めてこのウインドサーフTの特徴ですが、ブランクスはHVFナノプラスを採用、ネジレ防止の最適構造X45HVFを搭載することでこだわりのバットの張りを実現しました。更に遊動Kガイドで糸がらみを防止し、V-ジョイントファインピッチガイドロックでスムーズな曲がりと持ち前の素材のパワーを引き出してくれています。

他にもリトルセンタータッチグリップ、合わせマーク、更にトーナメントシリーズにしか搭載していなかったスクリューシートで本格振り出しロッドの仲間入り。動画で何度も言っていますが、このリーズナブルな価格でダイワのテクノロジーが満載されており、私が言うのもなんですが本当によく出来た竿になったなと強く思います。2月の大阪フィッシングショーでは、お客様の反応も良く、価格と手に持った感じに驚くお客さまも多かったと思います。

3月にはカワハギ釣りに25号を使用し手持ち竿で1日やってみました。

愛媛県の南予(宇和海)のカワハギ釣りは、真珠の生簀や、養殖マダイなどの生簀際を狙ったり、ロープも点在するところでの釣行が多く、水深がある深いポイントが多いことから、オモリは大きく早く沈めたいし、アタリは小さく、アワセは大きくしないと針掛かりしにくいのですが、バットの張りでしっかりアワせることができます。更にカワハギが掛かった状態でスムーズに駆け上がりもクリアし25㎝級がダブルでも楽々寄せて浮き上がらせることが出来ました。

 

これから、夏の夜釣りシーズンになりますが、ライトな25号、27号で夜ギスやクロダイ、30号、33号では夜釣りでのマダイ、コロダイ、タマメなどの大物釣りにも使えるオールマイティーなロッドだと思いますので、皆様のフィールドや狙うターゲット、体力に合わせてお使いいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

更なる商品の詳細情報は下記リンクから、商品ページでご確認ください。

http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/nage_rd/wind_surf_t/index.html

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