飛びだけじゃない トーナメントサーフ45インプレ 

文・写真/高橋明彦 1965年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
 第12回SBC投げ決勝大会で6年振りに優勝を手にし、これまでで4度の優勝を果たす。
 日本サーフキャスティング連盟神奈川協会。茅ヶ崎サーフキャスティングクラブ会員。
 
 
そろそろサーフでもシロギスが彼方此方で釣れだすシーズンになりました。
私の地元でも例年より早く釣れ始めてますので期待できそうです。
 
今年はトーナメントキャスタータイプTの発売とともに、12年ぶりにトーナメントサーフ45もリニューアルし、新たなタックルで今シーズンも期待に満ち溢れています。
今回のリニューアルにより45は大幅な構造変更がなされており、基本性能が驚くほど向上されました。
まずは実際に投擲後に仕掛けを回収してみると、そのリーリングの滑らかさに圧倒されることでしょう。
正直言ってこの巻き心地は、マグシールド化された時の比ではありません。
 
3月末に神奈川で開催された試投会に参加された方々もこの滑らかな巻き心地の良さに絶賛されておりました。「45ってこんなに滑らかだったっけ?」「リーリング時のストレスがなくなったよ!」多くの参加者から喜びの声をいただきました。
開発過程で、このリールを最初に手にしたときはその回転のスムーズさとパワー感にやはり驚きました。開発陣によると、最新のZAIONボディが高精度であること、さらに、マシンカットタフデジギアの一新されたデザインによりパワー伝動効率が向上しているとのことです。さらにさらに、耐久性も向上しているとか。新しいものはやはりいい、という感じでしょうか?
 
 
今回発売のトーナメントサーフ45のギア比は3.54.14.9の三機種になります。
 
ギア比3.5はリーリングサビキで魚を掛ける場合に適していると言われています。低速トルクは一定速度のリーリングが容易く、ハリ掛かりしても魚に主導権を与えずに多点掛けを狙う釣りに都合がよいです。まさに向こう合わせの投げ釣りに適している機種だと思います。
一方でギア比4.9は遠くへ遠投した仕掛けを回収するのに便利な機種です。
例えば、キスマスターズトーナメントでは1分1秒を争う戦いですから、アタリが入らなかった仕掛けの回収に無駄な時間をかけてられません。
仮に、3時間の予選大会で20投(約7投弱/時間)し、仕掛け回収巻き取り作業に40秒/回かかれば、TOTALで800秒(約13分)も時間がかかってしまいます。
空の仕掛けを高速で回収できれば1試合であともう1投げれるようになると思います。
無駄な時間を節減するアイテムとしてギア比4.9は今後注目されるでしょうね。
また、ギア比が高くなると回転が重くなる、と思われる方もいるかも知れません。ですが、先述の最新ギアのおかげでこのトーナメントサーフ45ではその点は気になりませんでした。あまり細かくは教えてもらえませんでしたが、どうやらダイワの技術者たちはこの4.9のギアがまさに入魂のギア、むしろ「投魂」のギアと言っておりました。
ぜひ、釣具店でギア比4.9も試してみてください。
 
 
ダイワの投げリールに欠かせない機能の一つがクロスラップです。これがあるからこそ快適にトラブルなく釣りができる。そんな定評あるこのクロスラップが、この新製品ではさらにリファインされています。
従来のクロスラップより緻密性のある巻き取りですので、投擲時のライン放出音も非常に小さく飛距離UPに繋がります。もちろん適正なクロスラップですので下糸にラインが食い込むなどのトラブルは一度も評価中は発生していません。
 
飛距離に関しては言うまでもなくダイワだけの45mmストロークが真価を発揮します。ギア比4.9のモデルに搭載された7.5度テーパースプールは、すでに多くの方に愛用され勝利に貢献しているデザイン。ギア比3.5、4.1のモデルに搭載されるのは新設計の6度テーパーLCスプール。こちらも6度テーパーながら糸が出ていく時の放出音も小さく、スムーズに糸が出て行くのが実感できます。
 
 
今回の45、こまかな使い心地を説明するときりがないですが、歴代最軽量の40gスプールも凄いですね。ここまで軽量になるとスプールに巻かれたラインの重さが気になってしまいます(笑)。
軽量スプールで低重心になったためTOTAL重量が増してもリールの重さやダルさも感じられません。
スプールノブも従来品は、ややもするとラインが絡みついたりしてしまいましたが、その点も配慮された形状になっています。
新形状の糸落ち防止機能もいいですね。以前の45は糸落ちしてしまうとスプールを外してラインを解かなくてはいけませんでしたが、今回の45はベールを返してラインを引き抜けばそのまま絡みついたラインを解くことができます。
ボディはエアメタルからZAIONに変更。ベールもワンピース化、外観は明らかなショートボディ、高級感を追及したベロア・トワイライト仕様。
 
フラッグシップならではの所有感、とても満足できるリールに変貌しました。
 
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2021年11月

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