「優れたカーボン技術『カーボンスレッド』開発秘話!」

文・写真/文・写真/大野 等(おおのひとし)1969年富山市生まれ。DAIWAフィールドテスター。
全日本SCF・北陸協会岩瀬釣友会会員。
 
 
 
今年、フィッシングショー発表にて衝撃の新製品「トーナメントプロキャスターAGS」が発表されました。
おおよそのキャスターの予想と期待を裏切り?!まさかのプロキャスターが最新テクノロジーを引っ提げて登場。赤キャスターの正統進化ということで、多くの方にご覧いただけました。
AGS搭載は予想通り!
ただ。。。。
単純に既存のAGSをそのまま搭載しないのがダイワの面白いところ。
AGSに「Cリング」という「薄くて・軽くて・強い」と三拍子揃ったダイワならではのエッセンスを加えてきました。
 
今回はそれだけに留まらず。ガイド固定のスレッドまでもカーボンが。。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
手帳を見返してみると、2012年3月頃。
ちょうどこの頃、「新型10Lクーラー」企画や「CPサイドボックス」のサイズ確認など東京のダイワ本社にてクーラー担当者と打ち合わせをしていました。
そこにロッド設計者が乱入。「こんなの作ってみたのですが。。。。」と手渡された1本の並継竿。すぐに違和感に気付きました。なんとガイド固定部が従来製法の糸ではなく、「カーボンシート」で巻かれていました。
 
ロッド本体を指先で叩いてみると、「カンカンッ」と響きが心地良い。これはやばいかも。って直感で感じました。
「これ、来年の新製品でやるの?」と尋ねたら、
「技術的に、コスト的に、まだまだ実用化はほど遠いです。でも、こういう試作もやっていますというのを見てもらうのに持ってきました」といったやりとりがありました。
 
皆さんもご存知の通り、この後2013年にリールでは「マグシールド」がサーフ45へ。2014年に投竿で「AGS」というガイド革命を起こしてきました。
今となっては当たり前の機能ですが、どちらも歳月を掛けて搭載された自慢のテクノロジーです。
 
 
 
それから数年。2015年頃のこと。
ロッド担当者より、「今後の展開ですが、ネクストプロキャスターでは、AGS以外に、新規要素『カーボンスレッド』を搭載しようと考えています」と告げられました。
私としては、「まだまだ技術的にもコスト的にも難しいって話じゃなかったの?」との問いに、
「なんとか実用化が見えてきました。具体的にフィールドテストを進めていきます」との前向きな発言に、「いよいよだ!」と確信したことを思い出します。
 
その後始まったのがガイド固定を『カーボンスレッド』へ変えた初期サンプルの過酷なテスト。無謀とも思える投擲数をこなしていきます。一部、SNSでも試作ロッドを露出していましたが、新製品等の調子テストではなく、耐久テストそのもの。
ひたすら現場にてトライ&トライ。実際に投げる動作を繰り返すことで見えてくる現実もあり、思うように行きませんでした。
 
 
50投とか100投とか、そんな生半可な投擲数ではありません。投げ練習を続けているとわかると思いますが、投げて巻き取るだけの動作はせいぜい20~30投。というより、1日50投が限界。体力も、時間も、なかなか辛いところ。
 
当然、「実釣での使用もお願いします」、との課題も加わると、1日50投はとてもとても。。。
修正版が送付されると、時間があれば、、、というより時間を作って海に行く。10投でも20投でもこなさないと、次へのステップに進めない。
この内容は私だけの問題でなく、プロジェクトメンバーにて動いていましたので、遅れをとるわけにもいきませんでした。
余裕で4桁を越える投擲数。やりきりました。
ここまでやってもテスト期間中に「カーボンスレッドは今回は見送るべきか」なーんて話も出たり消えたり。担当者との打ち合わせで色々とありました
 
そんな長期にわたる試行錯誤の結果、開発された『カーボンスレッド』。
2年弱に及ぶフィールドテストをクリアし、今年発売のトーナメントプロキャスターへ搭載できたのでした。
ダイワの開発陣による様々なアイデアがふんだんに詰まった、これぞ革命。やっつけで出来ちゃうモノではないですから。
 
 
これだけテストを繰り返す間に、最新版AGSに搭載された「Cリング」。こちらも同時進行でテストを実施していました。先行してルアーロッドに搭載されていましたが、投げにおいても十分な強度と耐久性を確認したうえでの採用となっています。
 
『カーボンスレッド』
私が初めて初期段階の試作を見てから、約5年で製品化。0ベースから考えて、長期に渡るフィールドテストを考えると、製品化にたどり着いたのも早かったように思えます。
 
今現在も、あっと驚くあんなものやこんなものまで?!ダイワは向こう3年、いや、もっと先を見ながら開発を進めています。絶えず新しいテクノロジーを注ぎ込んで、新製品という形で想いを伝えていきたいという振り返りでした。ダイワが掲げているスローガン「Make it Wow!」と皆様に体感いただくために、今後のダイワに注目!

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