2017年4月アーカイブ

文・写真/渡部裕司 1963年愛媛県松山市生まれ DAIWAフィールドテスター 
全日本サーフキャスティング連盟愛媛協会松山キャスターズ会長
 
 
仕掛けを飛ばすパワーと大物の引きを封じ込めるトルク
振出竿の未来を切り拓く新たなる「赤T」誕生
 
 
投魂カタログが届き、早速トーナメントサーフTパワートルクのページに目を通すと、思わず飛び込んできたキャッチ。
まさにこれ以上ない言葉で、新生「トーナメントサーフTパワートルク」が表現されています。
 
 
 
トーナメントサーフTパワートルクと言えば、ライバルは並継竿!
数多くある振り出し竿の中で並継竿を意識しているロッドは、このパワートルクしかありませんね。
振り出し竿のメリットでありセールスポイントでもある仕舞寸法を、敢えて犠牲にして並継竿と遜色ないパワーを追求しています。
機動力は最低限確保し、多少強引なやりとりでも対大物仕様としてパワー負けしない、でもやっぱり投げ釣りの醍醐味である遠投ができるロッドが欲しい!
 
完全に、わがままなロッドです。
その分、この性能を求めている大物釣り師のニヤける顔が思い浮かびます(笑)
 
 
最初の出会いは2016年の春頃を思い出します。
ここ数年のロッド性能の進化は驚くことばかりで、
「使いやすさ」とか、「デザインやカラー」とか、「重量や硬い柔い」とか、「自分の好み」など、
これらの感覚で選べないのが正直なところです。
 
 
この時に私自身が一番大切にしていることは、
「この竿が生まれてきて経緯とコンセプト」だと考えています。
 
その思いを持っての「第1投目」の感覚を一番大事にしています。
 
 
今回のトーナメントサーフTパワートルクは、従来よりパワフルにするため、
「29号」、「31号」、「34号」、「37号」と、強めの号数設定でアイテムを刻みました。
 
それに合わせて、先径を太く胴の張りをしっかりさせる。
なおかつトーナメントサーフTと比較しても調子が違うように胴調子のタイプを選びました。
 
フィールドでの使用想定では、磯でのタマミ狙い。
アタリが来て、ロッドに飛びつく釣人がしっかり踏ん張り、体勢を整えるまでのアドバンテージを「胴調子」で生み出す。
胴調子に拘った理由は、ここです。
ロッド担当者とも意見がぴったり、素直に気持ちよく使える、そんな調子で完成となったロッドです。
 
 
私も参加させていただいた大阪フィッシングショーでもお客様の反応は思った以上に良く、特に大物釣り師の皆様と会話が進みました。
やはり新しいアイテム設定の37号で更なる大物を追い求めようか、
34号にしようか?など和気藹々とロッドを曲げて体感いただきました。
 
 
 
ここまでで、一貫して伝えたいことは、ロッドの粘りが重要!ということです。
ロッドは硬ければ良いのではありません。
 
投魂カタログには、テクノロジーを絡めて
「超高密度SVFナノプラスを採用し軽量化を図りながらシャープかつパワフルな調子を実現」
と記載されています。
間違ってはいませんが、誤解の無いように皆様にイメージしやすいように伝えますと、
「投げる時はシャープに振ることができ、魚(大物)をかけた時には粘り強くタメれるロッド」という表現ですね。
 
遊動Kガイドの登場によりライントラブルも減少し、
口径を広げたガイドは大物用の太いラインや力糸の結び目などの通過性の部分でもストレスを最小限まで抑えてあります。
トーナメントサーフTパワートルクならではのセッティングです。
 
 
ロッド担当者とスペックを詰める中で、拘ったのがグリップ部。
振り出し竿ゆえにそれなりの太さが必要なパーツですが、「対大物」といった観点、
パワートルクといった「強引さ」や「強靭さ」のイメージを大事にしました。
力を入れたいのに、細すぎたり滑ったりすると、思いっきり握りこめずパワーロス、更には千載一遇のチャンスすら逃す可能性もありますからね。
合わせて、リールシートにエラストマーを採用するすることで、グリップ力が格段に上げることができました。
このリールシートも春から約半年使ってフィット感と手触りは本当に気に入っています。
何はともあれ、マダイ、タマミ、コロダイ、コブダイなど「大物さんいらっしゃい!!」
こんな気持ちでシーズン到来を首を長くし待っているのです。
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