PRESSO MOOVER発売! 開発的視点からコンセプトを解説。 

 

はじめまして。

PRESSOルアー開発担当のNです。

今回は、先日発売となりましたPRESSOムーバーについて開発的視点から解説させていただきます。

 

まず始めに、監修者である三浦スタッフがこのルアーに求めた性能は「強烈な集魚力を有することに加え、巻きスピードの緩急にレスポンス良く反応し、スローでも早巻きでもしっかりとアクションすること」

文章に書くと簡単なのですが…

金属の板を曲げただけのシンプルな形状の中で、求める性能を具現化していくのはものすごく大変なわけで・・・。実に多くの試作品を製作し、トライ&エラーを繰り返しました。

IMG_9677[1].JPGのサムネール画像

 写真以外にも曲げパターン、メッキの厚さを変えた試作品なども多数・・・

 

 

形状はレンジキープ力に優れたルパンをベースにサイズアップさせていますが、それだけでは求めている性能は出せず、“曲げのカーブ”研磨レベルスプリットリングに至るまで様々な調整をしながら求めるアクションを出していきました。

 

まず、曲げのカーブに関しては工場での試作品をベースに、現場で高田テスターにペンチを使って板材を曲げていただきながら三浦スタッフのリクエストを具現化していきました。高田テスターは、エリアフィッシング創世記からスプーンの開発に携われていることもあり、どの部分を曲げればアクションがどう変わるか等のノウハウはさすがの一言。本当に助けていただきました。

IMGP2460.jpgのサムネール画像

そして、高田テスターが曲げたサンプルを工場に出し、量産試作を作るのですが出来上がったルアーのアクション確認を行なうと、形状は同じに見えても何故か元のアクションと変わってしまい、また高田テスターの元に出向き微調整していただく・・・。そんなことを幾度と無く繰り返しなんとか納得いくアクションを出すことが出来ました。

 

次に、研磨レベルについて。通常、メッキや塗装をする前に凹凸やバリを落とすために板材の表面を研磨するのですがムーバーに関しては研磨のレベルを最低限に抑えています。

ムーバー研磨レベル.JPG

ムーバーは右のタイプのように、最低限の研磨レベルに抑えている。

 

すべてのスプーンにおいてこの手法が良いとは言えませんが、ムーバーはこのレベルまでこだわりました。スプーンのエッジを立たせ水噛みを良くし、スローでもしっかりとアクションさせることが出来るようになっています。

 

最後に、スプリットリングですが、何度も現場でリングサイズを変更したり、線径の違うものを試して泳ぎや魚の反応を見ながらベストなものを見つける作業を繰り返しました。今回、ムーバーに採用したスプリットリングは通常PRESSOで使用しているタイプよりも線径を細くしています。

そうすることで、テール部分が軽くなりアクションレスポンスに好影響を与えています。

IMG_7566[1].JPG

スプリットリングの線径、サイズにおいても様々なパターンを試し、ベストなセッティングを導き出す。

 

 

このように、少しマニアックとも言える三浦スタッフのこだわりを一つ一つ形にしていった結果、冒頭で述べた“求める性能”が実現できました。

ムーバーはアクション変化へのレスポンスが非常に良いため、短い移動距離の中で違ったアクションを組み合わせて使うことができるというのが特徴です。

「スピナーのようにグルグルとした強い回転で魚を寄せ、その後スピードを落としたワイドな8の字アクションで食わせる。」このような変化で口を使わせることの出来るスプーンとなっています。

店頭で見かけたときは是非手にとっていただければ幸いです。

 

長々と語ってしまいましたが、簡単なアクション動画を作ってみましたので是非こちらもご覧ください。

 



 

 

PRESSOムーバーについての製品情報はこちらをご覧ください。

http://www.daiwaweb.com/jp/fishing/item/lure/trout_le/presso_mover/index.html

 

 

 

ルアー開発担当:N

2021年11月

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