主導権を握るinput

Angler's Profile
山元 隆史
Takashi Yamamoto

1970年生まれ、徳島県徳島市在住。天才・山元八郎さんを父に持つ。本格的に磯釣りを始めたのは20歳頃。徳島県釣連盟の大会へ積極的に参加する一方で自身のスタイルを追求し、大物を狙わせたら一級という呼び声も高い。ダイワフィールドテスター、徳島県釣連盟55代名人。

山元 隆史 Takashi Yamamoto

素早い立て直し 主導権は常に我にあり

 新しい技術を取り入れながら、フラッグシップモデルに迫る機能を追求し続けた「インパルト」。デザインが一新されたニューモデルは、さらに進化を遂げて生まれ変わった。
「最近のレバーブレーキリールはエントリーモデルでもデザイン性が高く、カッコイイものが安価で手に入るようになりました。この新しいインパルトも大胆なブランキングが目を引きますし、上位機種にも見劣りしない仕上がりです。また、軽量スプールや軽量エアローター、リヤウェイトバランスボディなど操作性を高める機能も充実。またフラッグシップに迫りましたね。しかし、やはり注目すべきは軽量化がもたらす『ワンウェイオシレーション』と『ATD』の相乗効果でしょうか」
 本誌の実釣取材でも、山元さんが多用していた「ワンウェイオシレーション」「ATD」。前者は逆転フリー時にスプールが上下しないため、ロッドがブレずに魚に不必要な振動を与えない。よって魚を暴れず、そして位置を大きく変えることなく、ロッドの角度だけを有利な位置に持っていける唯一の機能。後者は必要な分だけ滑らかに糸を送り出すドラグシステムのことだ。「機能自体は前から体感しているため言うまでもありませんが、スプールとローターの軽量化により、明らかに体勢の立て直しが早まっていることがポイントです。本体自体が軽くなることはもちろんですが、回転するローターが軽くなることでブレ幅はより小さくなる。ここにリアウェイトバランスボディの相乗効果もあってか、スッと竿を立て直せるんです」
 確かにヤリトリの最中、下へ突っ込まれたり沖へ走られたりする場面があった。しかし、その後は手に負えなくなることはなく、無難に取り込みまで持ち込めていたのだ。
「魚に糸を出されるということは、主導権を握られる危険があるということ。うまく持ち直さなければ焦りも生じるためなおさらです。よって、相手に先手を取られる前に立て直すことが重要。無駄に糸を出せないときは『ATD』でうまくいなし、耐えきれなくなったら『ワンウェイオシレーション』で素早く立て直す。ここにメガディズの粘り強さが加われば、まさに大物相手では鬼に金棒です」
 そして山元さんは、五島での実釣で見事マダイを仕留めて見せた。主導権を握らせることなくスムーズにタモに収める様はまさに圧巻だった。

INPUT 2000SH-LBD / INPUT 競技LBD

魚に先手を取られない 立ち直りの早さでターゲットを圧倒

 単純な軽量化ではなく、総合的なタックルバランスの向上に目を向けたのが今回のNEWインパルト。まずは大胆にブランキングされたスプールで軽量化を図り、同時にローター部も軽量化。これによって逆転フリー時に威力を発揮する「ワンウェイオシレーション」の効果も高められており、巻き始めの軽さも相まって初動速度も向上。これらの軽量化と合わせて、リヤウェイトバランスボディとの相乗効果も期待できる。
 そして、ダイワのLBリールの強みであるロングストローク×大口径スプール。磯釣りにおいてライン放出性能は欠かすことのできないものであり、軽い仕掛けを飛ばすためには、このセッティングが重要だ。このほか、必要な分だけ滑らかに作動する「ATD」など、トータル性能はフラッグシップに迫る勢いだ。

逆転フリー時にスプールが上下動しない「ワンウェイオシレーション」を搭載。型のよい魚が掛かっても竿がブレにくく、魚が暴れずスムーズに巻き取りができる逆転フリー時にスプールが上下動しない「ワンウェイオシレーション」を搭載。型のよい魚が掛かっても竿がブレにくく、魚が暴れずスムーズに巻き取りができる
①大きく切り抜かれたスプールは全体自重の軽量化に大きく貢献。滑らかな回転を維持する防水システム「マグシールド」ももちろん標準装備①大きく切り抜かれたスプールは全体自重の軽量化に大きく貢献。滑らかな回転を維持する防水システム「マグシールド」ももちろん標準装備
②「2500H-LBD」「3000SH-LBD」には50㎜のワンタッチアルミマシンカットハンドル採用②「2500H-LBD」「3000SH-LBD」には50㎜のワンタッチアルミマシンカットハンドル採用
③強烈な引きにも対応する強靭なアルミ鍛造レバー③強烈な引きにも対応する強靭なアルミ鍛造レバー

交換用スプール&レバー

RCS ISOカラースプール2500感性を満たすドレスアップを提供する「SLP WORKS」より、『ATD』搭載のカスタムカラースプールがラインアップ。カラーはレッド、ブルー、ピンクの3色。番手は2500のみ。ABSⅡ、下巻き目安ライン付き。
■価格:10,000円
RCS ISOカラーレバー同じく「SLP WORKS」より、アルミ鍛造カスタムカラーレバーもラインアップ。カラーはレッド、ブルー、ピンクの3色。カスタムカラースプールと合わせ、自分好みのインパルトへとカスタム可能。(数量限定のカスタムサービス。詳しくはwebへhttp://slp-works.com/campaign/RCS_ISO2017/index.html
■価格:8,500円
五島列島のテスト釣行では良型のマダイが掛かり、メガディス(1.5号-53)で最初の突進を受け止めることに成功。耐えきれない疾走はワンウェイオシレーションで立て直し、その後の走りはATDでジリジリと負荷を緩和。あっさりとタモに収まってしまった
五島列島のテスト釣行では良型のマダイが掛かり、メガディス(1.5号-53)で最初の突進を受け止めることに成功。耐えきれない疾走はワンウェイオシレーションで立て直し、その後の走りはATDでジリジリと負荷を緩和。あっさりとタモに収まってしまった

(株)海悠出版 磯釣り秘伝掲載記事(出展)

日常の喧騒から解き放たれ、非日常な磯に立つ。水平線に浮かぶ朝日、吹き抜ける風、打ち付ける波の音。身を包む情景すべてが、磯釣り師たちの野心を掻き立てる。勝負服に袖を通し、手には頼れる愛機が輝く。さあ、フィールドへ繰り出そう。photo & text:Yuuki Kuriyama

Angler's Profile
山元 隆史
Takashi Yamamoto

1970 年生まれ、徳島県徳島市在住。天才・山元八郎さんを父に持つ。本格的に磯釣りを始めたのは20 歳頃。徳島県釣連盟の大会へ積極的に参加する一方で自身のスタイルを追求し、大物を狙わせたら一級という呼び声も高い。ダイワフィールドテスター、徳島県釣連盟55 代名人。

山元 隆史 Takashi Yamamoto
Megathis AGS

曲げ込める楽しさ メガディス AGS

「昨今のグレ釣りは食い渋るタフな状況に出くわすことが多く、細ハリスの繊細な釣りが要求されます。ハリスの号数を落として食わせることは容易ですが、やはり獲れなければ意味がありません。そういった点を重視すると、競技や普段の釣りにおいても"獲れる竿"というのが求められます」
 こう話す山元隆史さんといえば、誰もが知る「阿波が生んだ大物師」。100尾の小型よりも、一尾の大物を釣りたい。その最高の一尾に出会うことに感動し、その一瞬を何よりも大切にしている。そんな彼にとってこの新しいメガディスは、まさに心地よい一本に仕上がっている。
 「胴がより粘り強くなったメガディスAGSは、元竿からしっかりと曲がり込んで魚の引きを受け止めます。このタメが利く調子のおかげで、細ハリスでも安心してヤリトリができますね。
実釣で何尾か型のよい魚を掛けましたが、とにかく魚が暴れないんですよ。竿を起こせば静かに魚が浮いてきて、ハリスに無理な負担が掛かる場面が少なかったように感じます」
 単に胴が軟らかい「曲がる竿」では、"獲れる竿"にはなり得ない。緩急のある魚の引きに追従し、起き上がってくる復元力が必要となる。このメガディス AGSが誇る粘靭ブランクスは、粘り強く引きを受け止め、浮かせて獲ることができる。まさに「柔よく剛を制す」の言葉が相応しい。

AGSがもたらす軽快なロッドワーク

粘靭ブランクスによって"魚を獲る"ことにこだわったメガディス AGS。しかし、魚を掛けるまでの操作性向上にも目を向けている。「軽量のカーボンフレームガイド『AGS』が先端部に搭載されてますので、従来より穂先が軽くなり、軽快な操作性が実感できます。全体的に張りも持たせてあり、メガトップの感度も抜群。そしてAGSと相まったシャッキリ感がいいですね。持ち重り感も軽減しているため、腕への負担も軽いのが嬉しいです」
 仕掛けの投入からラインメンディングなど、魚を掛けるまでの何気ない動作は、何度も繰り返される。個々の負担は軽いものだが、長時間続くと疲れが蓄積し、徐々に集中力を欠いていく。カーボンフレームの採用によって実現される軽量化はわずか数グラムの次元だが、実際に体感できる軽快感は数字以上。糸絡みの少ないガイド形状もトラブル軽減に寄与しており、軽快かつスムーズな操作性にも、かなりのこだわりが感じられる。
高性能なカーボン素材の特性を生かしつつ、それぞれのパーツの組み合わせにこだわることで、劇的な進化を遂げた「メガディス AGS」。1・25号と1・5号モデルにはSTM(スーパーメタルトップ)もラインアップされており、本流へ流しながら穂先でアタリを取るダイナミックな釣りを楽しめるアイテムも用意されている。竿をグイグイと曲げて魚との対峙を楽しみたいのなら、一度は手にしてみたい一本だろう。

ロッドワークを振るう山元氏力強い粘りもさることながら、軽快かつキレのよい操作性も実現している

曲げ込むことの喜び 魚が暴れず浮いてくる衝撃

 この竿のコンセプトである「柔よく剛を制す」の言葉のごとく、しなやかに曲がることで細いラインに負担をかけず、ヤリトリを楽しみながら魚を獲ることにこだわって作り込まれた「メガディスAGS」。その実現には、ダイワ独自のテクノロージーが惜しみなく注ぎ込まれている。
 超高密度&高強度の「HVFナノプラス」採用により、カーボンの緻密な設定を経て、細身ながら肉厚のブランクスを実現。魚の突進をバット部から曲げて受け止め、パワフルに浮かせる粘り強い調子が再現でき、細いハリスを使っても安心して曲げ込めることが可能となった。これが要である「粘靭ブランクス」だ。
 魚を獲るための"粘り強さ"だけでなく、数多くチャンスを手にするための"操作性"の向上もこの竿の持ち味。軽量のカーボンフレームガイド『AGS』を採用することにより、わずかな軽量化ながら軽快な操作と感度の向上を実現。手返しの効率が上がるうえ、わずかなシグナルをも逃さない。
 このほか、雨や潮によるベタつきを軽減する「IC ガード」や、シールをしっかりと固定するスクリューシート「エアセンサーシート」など、釣技を支える機能が搭載。

①洗練されたグリップ周り。エンドグリップ部には滑り止め加工が施され、ホールド感をアップ
②リールシートにはしっかり固定できるスクリュータイプ「エアセンサーシート」を採用
③④フレームをカーボンで成型したエアガイドシステ「AGS」(#1遊動〜#2 固定に装備)。金属製に比べて軽く、感度も優れているのが特徴
五島列島のテスト釣行では46㎝の口太グレを手中に収めた山元さん(左)。胴からしなやかに曲がったメガディスAGS(1.5号-53) (右)は、ほとんど魚を暴れさせることなく浮かせて見せた

(株)海悠出版 磯釣り秘伝掲載記事(出展)

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