この秋一番の冷え込みに見舞われた10月13日(土)、群馬県太田市の金山湖へら鮒センターで「ダイワへら試釣会」が開催された。エサ教室講師は地元太田在住のダイワフィールドスタッフ・関根邦彦さんだ。
薄暗かった空が明るくなるのはすっかり遅くなり、5時50分近くになってから。しかし予報によると天気はよくなること間違いなしとのことで、誰かの(誰だ!?)日頃の行いがよいということで、担当者一同まずはほっと胸をなで下ろす。
それにしても寒い、寒すぎる! つい1週間前まで半袖で汗を流していたのがウソのようで、長袖にブルゾン、ウインドブレーカーなどを着てもまだ身体は温まらない。それもそのはず、午前6時過ぎの時点で気温は14℃。
金山湖は池の周囲を小高い丘に囲まれている。「日の光が差し込むのが8時過ぎなので、まだしばらく寒さは覚悟してください」と関根さんがヤサシイ言葉を投げかける。そんな中、早速釣り場入り口付近にスペースを設け、竿の貸し出しをスタートした。
参加した方々の注目はこの秋デビューのニューロッド「玄むく」だ。“最も和竿に近く、カーボンでしか実現しない竿”と形容されるこの竿は、速い回転でエサを打ち、ヘラブナを素早く引き寄せて取り込むトーナメント仕様ではない。むしろゆったりと手で腕で魚の感触を体感する遊び心を純粋に追求するへら竿である。
試釣会では初披露の新製品を振ってみようと、熱心なファンによって続々と「玄むく」が貸し出されていく。金山湖のメインポイントといえる浮き桟橋では竿13尺までの規定になっていることもあり、短竿8~10尺がすぐに品切れの状態になってしまった。
1時間ほどを経過して参加者に「玄むく」の感想を聞いてみると、「軟らかいと思ったが、むしろしなやかという感じ」「魚が掛かったときの感触が竹に近くて楽しめる」「想像以上にパワーがあるのには驚いた」等々の答えが返ってきた。振っていただいた方の多くは満足の様子で、まことに嬉しい限り。
9時30分からのエサ教室で関根さんが紹介したのは、これからの寒期の定番であるタナ1~2mのウドンセットに的を絞った。自宅から持参した電子レンジを使い、ウドン作りを実践。普段は見ることができない細かい部分までじっくり見つめる真剣なまなざしを浴び、質問が飛ぶ。
関根さんの熱演はさらに続き、今度はバラケエサの作り方を解説した。ブレンド・作り方は、
ペレ匠顆粒――――120cc
水――――――――240cc
スポンジ状になるまで完全に水を吸収させる。目安は約5分、真冬は約8分。
鬼武者――――――360cc
指を熊手状にして20~30回かき混ぜる。
速攻かっつけ―――120cc
全体に絡めて出来上がり。
正午からは恒例の2時間勝負の「ミニバトル」が参加者26名で行われた。この日のルールはエサ教室終了時に全員に配られた「鬼武者」を必ず使うということだけで、あとは両ダンゴ・セットともにOK、タナも自由とした。この時間になると太陽は高い位置になり、今度は一変して暑くなってしまい、パラソルを差す人も出てきた。
釣り場の特徴から浅ダナを狙う人が多く、エサを落とすポイントは湧いてきたヘラで水面直下は真っ黒になっている。この層をいかに通過させて食わせるかが勝負の分かれ目になりそうだ。当初は冷え込みの影響で食い渋るかと思われたが、結果は予想以上に釣れた感じだった。
午後2時に競技終了、自動検量機なのでスムーズに集計は終了し、成績発表。トップの工藤弘光さんは竿9尺、タナ1mを両ダンゴで攻めて2時間で25枚という立派な好成績で優勝を果たした。両ダンゴのブレンドは、「鬼武者」1+「BASE1」1+「ペレ匠顆粒」1+「ペレ匠顆粒デカ粒」1+水1.5というもの。タッチは硬めだった。
ミニバトル成績は以下の通り(敬称略、単位㎏)。
優勝=工藤弘光11.02/2位=吉野一重9.96/3位=増田行夫8.4/4位=斉藤英昌8.27/5位=関口治彦7.88
5位までが来年1月のミニバトルファイナル大会への出場件が与えられるが、3名が辞退されたため、関口裕斗さん、渡辺浩一さん、小見信雄さんが繰り上げでノミネートされた。