いまやエギングなる釣り用語が当たり前のように使われるようになったアオリイカ釣り。 日本では、北海道南部以南から、沖縄、小笠原まで生息し、アングラーたちから積極的に狙われている好ターゲットとなっている。オーストラリアにもいる(ただ現地では切り身にして釣りエサとして使うために釣られている)し、フィジー(現地では食べる風習はないようだ)にもアオリイカは群れていた。つまり世界各地に生息するわけだ。 しかし、最近、研究者たちの間では、日本に生息するアオリイカは正確にはどうやら3種類いるのではないかという話が持ち上がっているという。本州南岸や九州四国で見られるタイプ、沖縄で見られるやや小ぶりなタイプ、八丈島や小笠原で見られる超ビッグなタイプの3種。これは単なる同一種の生息域やふだん食べているエサによる違いではなく、それなりに違いがあるという認識が強まっているようである。 まだ結論も出ていないし、仮に種類が違おうとボクたち釣り師にとっては、大きな問題ではないはずであろう。 |
アオリイカは、本州では6〜7月が産卵期。カジメやアラメといった海藻に卵を産み付ける。
最近は、各地の漁協が産卵床を沈め、積極的に資源量が増えるようにと努力をしている。例えば伊豆での話であれば、山から椎の木の枝を切り出してきて、それに土俵などの重石をつけて海底に沈める。こうすることによってこの木の枝が産卵床となるのだ。
産卵行動は、一対のオスとメスとがペアとなる。このときもオスは自分の気になるメスの前でカラダの大きさを誇示したりして気を引こうという行動をとる。メスがそのオスを気に入ると、オスは精子の入ったカプセルを触腕を使ってメスの体内に入れる。メスの体内で受精した卵をメスは産み付ける。しかし、そのときもオスはメスを徹底してエスコート。他のオスが来れば喧嘩して追い払うし、メスが卵を産みつけようとするとき、ずっとそばに寄り添うようにしていて、メスが産み終えると再びペアで泳ぎ去っていく。
卵は房状で、ちょうど枝豆のような形をした半透明色。枝豆の房の中に何個かの大豆が入っているように、アオリイカの卵も3〜4個の卵が枝豆と同じような感じで入っている。その房の中でほとんどイカの形になるまで育ち、約一ヵ月後にハッチアウトする。
だが、自然界はさすがに厳しく、ハッチアウトする頃となると、ベラやカサゴ、ミノカサゴなどが集まってきている。彼らは経験的にこの時期になるとおいしい稚イカがタラ腹喰えることを知っているらしい。ハッチアウト直後の稚イカを彼らは争って喰う。
自然界はこのように厳しい、従って人間の手助けだけでは、なかなか思うようには資源は増えないだろう。
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アオリイカは捕食の際、獲物を見つけては狙いを定め、触腕を伸ばして相手を捕らえて喰う。エビやカニ、小魚といったものが彼らの好物。
それらの獲物を見つけると、カラダの色を変えて目立たないようにし、ゆっくりと相手に気取られないように微速で近づく。ここぞと思ったところで自分のカラダの1.5倍ぐらいは伸びる触腕をミサイルのように瞬間的に繰り出す。
しかし相手もさるもので、アオリイカのミサイルジャブを気配で感じ取ってかわしたり、逃げたりする。アオリイカ側の目測が微妙にずれていて取り逃がすことも。
確かに巧みな狩人ではあるのだが、そう安々と獲物が捕れるわけでもないようである。
アオリイカを釣るための道具であるエギ。漢字では餌木と書く。
発祥の地は九州南部とされ、もともとはアオリイカが好物のクルマエビなどのエビをモデルに作られたものらしい(?)。
実際にエギの動きを水中で見てみると、キャストされたエギは着水し、腹部を下側にして水平になって沈む。そこから先は中層から曳いても、底層で曳いても、棒曳きであるかぎりは同じようにしか動かない。一般的なルアーのように尾を振るようなアクションは(ロッドでアクションを加えないと...)基本的にはしない。が、エギそのものも進化をし続けアクションさせやすくなっている・・・。また、特に底層で曳かれたエギは、まるで海底を這いまわるエビに見えてしまうから不思議である。
やはりこのエギに対し、触腕を伸ばして捕らえ、エギを抱き込む。このときにアワセをくれることでハリがかかる。アオリイカが繊細なときは、この触腕で触るアタリが伝わっても、そこからエギを抱き込まずに離してしまうことがある。
どのようにしてエギを抱き込むか、そしてやめるのか。この辺を近いうちにカメラで探ってみようと考えている。
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