「枯法師」・・ダイワへら竿のフラグシップとして、約30年の歴史を重ねてきた。その歴史とともに数多くの驚き、感動、そして優越感をへら師諸兄に供せた事は我々の自負でもある。そして6代目の生誕。また新しい歴史の幕が開く。歴代枯法師オーナー様を対象に開催される同大会は関東で4回目 関西で2回の開催となる。愛竿「枯法師」を一日のんびり振る。そして思い出を語り浸る・・・そんな趣旨が共感を呼び、競技中心の大会とは一線を画すイベントして多くの方の参加をいただいている。そして時あたかも6代目リリースという今回、募集~即刻満員という嬉しい悲鳴のもと当日を迎えたのだった・・・・。
ここで「枯法師クラシック」のルールを簡単な説明しておこう。
・使用竿;お手持ちの初代~の「枯法師」を使用
・競技方法;一枚最長寸・最小寸の2ラウンド勝負
・入賞は 長寸 小(短)寸 上位3名
その他は池の既定以外自由・・・これだけである。
1.枯法師クラシック2013 関東大会 三国池(埼玉県加須市)11/2(土)
『三国池』はいわばダイワへらイベントの聖地。へらマスターズ・ダイワへら試釣会、そしてこの「枯法師クラシック」も3回目の開催となる。
手入れの行き届いた美しい釣場、おいしい食事 細やかなサービス等 抜群のホスピタリテイーを誇る。そして何よりも、鈴木和子マネージャーの圧倒的パワーに我々は安心するのである。
6時30分の受付開始の時刻を待たずして、駐車場に続々と参加者が到着する。時間を繰り上げて受付開始。よくある喧騒はそこにはない。ゆったりとした空気感・・この大会独得のモードである。ほぼ欠席なし!90名の出席を得た。
メインホストは、「6代目」の開発にも深くかかわった生井澤聡が勤める。彼の同竿に注ぐ熱い思いを開会式の締めに、参加者は釣座に散った。揃いのパールホワイトのブルゾンと帽子を用意。全員が揃いのコスチューム、満席の三国池の光景はまさに圧巻であった。
8時定刻。第1ラウンド 最長寸勝負の開始! 案じていた事が1つだけあった。「魚の濃い同池であっても、これだけの人数が一斉にエサ打ちしたら・・渋る」これは半分正解であった。開始直後は、新べらの寄り所もあり、バタバタとシーンという釣座がやはり出た。しかし時間とともに、魚も落着き、長・短竿かかわらず竿が立ちだした。検寸も頻繁になる。
半ば2回 モードチェンジのため早掛2枚勝負を挟む。10時(10時30分ラウンド終了)時点で35cm~36cmに上位が集中し、ミリ単位の決着になりそうな趨勢。ただ、確実にいる40上を釣れば、一発大逆転も可能。面白い展開になってきた。その情報を放送で伝える・・俄然空気感が一発逆転モードに入る。へら師の本能!これもよし。
惜しくも40上は出ず(らしきバラシ・スレは数人あり・・ 色々な意味で湧く!)ミリ単位の勝負になった。このラウンドを制したのは、静岡から来訪された青野 浩氏 36.6cm。「1枚目に新べらの良形が来たので一応検寸したのが、まんま行っちゃったね。ラッキーだった」と笑顔で語った。
お昼休みはゆっくり・・手作りのおいしい昼食を満喫。
事務所前では、生井澤聡による 実践釣教室(テーマ:長竿のペレ底) および「6代目」の試振り、貸出しが行われ多くの方が集まった。
12時 第2ラウンド「最小寸」勝負のスタート。あえて小型を釣るのは大型狙いよりも余程難しい。特に同池は「三国池孵化」のタナゴサイズもいる・・とてつもない最小記録が出る可能性あり・・そこが面白い。とともに「枯法師は小べらも小べらなりの釣趣を味わえる」という大儀もあるのですが・・。皮切りは18cmクラスが主体。こういう時に限って40cmクラスが釣れたりして、オイオイ!で笑いを誘う。2回の早掛けをはさみ、上位のラインが15cm台に下がった。この辺りが決まりどこかと…思った刹那、事務所前で歓声が沸く! 複数のスタッフが駆け寄り、そのスーパー個体を確認している。ついに登場! 「10.5cm」・・見まごうことなき「三国生まれの純べら」である。妙に神々しい。
釣られたのは阪東市の滝本弘氏。歓喜というよりも観笑の渦に。この大会らしい光景。14時30分最小寸の部終了。結局このスーパーミニを抜く超スーパーは現れず、最小寸の栄誉は滝本氏に輝く。この頃から冷たい雨風が吹き出すも、閉会・表彰式とも和やかな雰囲気で無事終了した。
散会の後、老へら師に呼びとめられた。氏曰く「僕は初代からずっと枯法師を使い続けてるんだ。初代の時なんかまだ若かったから、かみさんに平身低頭してね。だから一番思い出深い。今日はそれに敬意を表して初代で通したよ(笑)」と傍らの竿ケースを開けて見せてくれた。そこには手入れの行き届いた歴代枯法師が整然と収められていた・・・神。
2.枯法師クラシック2013 関西大会 水藻フィッシングセンター(大阪府貝塚市)11/4(月祝)
三国池の感動から一夜明けずに・・我々は中央道を西にひた走っていた。車窓に流れる風景は霧に霞んではいるが、紅葉が進み、季節が急ぎ始めたのがよくわかる。
目指すは、大阪府貝塚市『水藻フィシンク゛センター』。野池を利用したそのロケーションは、抜群の風光・長竿を楽々振れる池面積、そして安定した釣果で名高い。関西での2回目の『枯法師クラシック』は同池での開催である。
大阪市内を抜けたあたりから、雲生きが怪しくなり、現地着の正午時分にはまとまった雨になっていた。他会が例会を行っており、へらマスターズで旧知の輩も多数おられ、旧懇をあたためる。釣況を伺うと「釣況はいい。どの釣りでも釣れるよ ただ明日は雨だよねー」と。まさに心配事はそれのみなのだ。その夜ホテルの窓から聞こえる雨音は消えることはなかった。
明けて当日。案の定しのつく雨である。ただ心配はすぐに晴れる。続々と駐車場に参加者の車が入ってくる。前倒しで受付を開始。50名。ほぼ100%の出席をいただいた。感謝! お揃いのブルゾン・キャップにて開会式。壮観である。
メインホストは浜田 優。関東より駆けつけた。2号桟橋の裏表が今回の釣座である。
8時、最長寸ラウンドかスタート。この頃には雨は完全に止み、青空が顔を出す。不思議なものである。皆さんの釣り方は多岐だ。底釣り・浅ダナ両ダンゴ・セット・短竿チョウチン等、好調の証だ。
型は尺前後の働きべらが多く竿は頻繁に立つ。この池も40上がかなり入っているので、最初は様子見感が強い。
9時の時点で36cm台が多数。入賞の分岐点だが実に微妙なラインだ。2回の早掛け勝負も織り込んだ。当然勝負は即刻ついた。
10時の時点ではトップは39.9cm 以降は36cm台の混沌という展開になっていた。それにしても良く釣れる。残りわずかで37cm台が出て2位が入れ替わったが、1位はそのまま突き抜け、39.9cmの田中弘雪氏が制した。
昼食のお弁当の後、エサ教室を開講。講師は川村雅一スタッフ。うどん作りを実践。後半は浜田優テスターによるこれからの時期に威力を発揮する「段底」についてのエサ使いの解説を行った。講義が終わったあとも質問が止まず、熱いエサ教室になった。
12時より最小寸の部がスタート。この池の難しいところは、型が安定しているので、唐突な超小型が出る確率が低いということ。せいぜい7寸それ以下の小型は逆にいないという。ボーダーをどこに置くかが非常に難しい。誰が一番先に測るか牽制し合っているところが面白い。
13時の中間情報で入賞目安は25cm級というラインが出る。これまた微妙である。2回の早掛け勝負の終わった14時の時点でもこのボーダーラインはほぼ変わらず大混戦だ。ミリ単位の決着が予想される。
残り30分!この頃より空が暗転・・と思う間もなく風雲急となり横殴りの雨風。竿振りも難しい中、皆さん最後の最後まで頑張っていただいた。
結果は25.2cmを釣った田口操氏がこの部のトップ。2位との差はわずか3mm。最後の最後での悪天となんとも痺れる闘いだった。
表彰式・お楽しみ抽選会、絶妙のチャチャが入る関西風味。愉しい雰囲気のまま閉会となった。
もう翌日には、今回のブルゾン&キャップ姿の方が、水藻FCに限らず方々の釣場でみられたという由。
嬉しい限り。
関東・関西とそれぞれに雰囲気があり充足した時間でした。また「枯法師」に対する皆様の積年の愛着は我々の心に深く深くしみました。それにたがわぬ仕事をしなければと肝に命じた2日間でした。感謝!