日本周辺では太平洋岸にも日本海側にも分布。孵化した幼魚は黒潮や対馬海流乗って北上。太平洋を横断して成長を続け、再び日本近海へと戻ってくる。
釣り人は5kgまでの幼魚をメジマグロと呼び、夏から秋口にかけてフカセ釣りやルアーで釣るが、数年前から日本海西部、萩沖の八里が瀬で10kg級の大物を対象にしたフカセ釣りも盛んになっている。
流通上は50〜60kgクラスまでをメジと呼ぶことが多く、最大級は体長3m、体重700kgにも及ぶ。ほぼ1年中釣ることができるが、旬は寒さの厳しい冬。数100kgある近海物の大型からわずかしか取れない極上のトロは絶品。グルメ垂涎の的である。
体型は泳ぎに適した紡錘形をしているが、高い体温と豊富な血合い、特殊なエラの構造も一生涯、高速で泳ぎ続けるための要因。ハリ掛かりしたマグロがその意志に反して諦め上げられると、十分なエラ呼吸ができずに簡単に取り込まれてしまうこともある。
ポイント
黒潮の本流の縁、外洋の根の上の宙層のほか、温かな潮と冷たい潮の境の潮目などをたどって回遊。イワシ、サンマなどの群れを追って、海面が盛り上がるほどのナブラを見せる。八里が瀬ではカカリ釣りで大量のオキアミのコマセを撒き、ナブラを引きつけて釣る。
釣り方
ナブラを見つけたらカツオと同じように散水しながら餌を撒いて足を止める。ハリ掛かりしたら一気に突っ走り、メジでも数10m、大物なら数100mも糸を引き出されるから、バックラッシュさせないよう存分に走らせるのがコツ。たとえ太いハリスを使っていても、途中で無理に止めるとほぼ間違いなく切られる。
エサ
生きたシコイワやマイワシが最高だが、北海道では生きたイカを使うことが多い。このほか流し釣りではトビウオの塩漬けをグライダーのように潮に乗せて曳いて釣っている。また、八里が瀬ではボイルのオキアミを房掛けにしている。
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