実践的フィッシング 釣魚図鑑
DAIWA
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ブラウントラウト
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Salmo trutta
サケ目サケ科
方言: 茶マス、ジャーマンブラウン
 ヨーロッパ原産種で、アメリカからカワマスが移入された際、混入した。中禅寺湖、上高地の明神池、本栖湖などに分布するほか、黒部川流域など山間部のダム湖、北海道の石狩川水系、新冠川水系、静内川水系、千歳川、糠平湖、支笏湖、洞爺湖などにも広がりつつある。かつては陸封型とされていたが、ヨーロッパではサケのように海に降って再度遡上してくるものも見られ、これらはブラウントラウトと区別してシートラウトと呼ばれる。
 産卵は秋から初冬にかけて行われ、冬季には禁漁となるところが多い。冷水域に棲み、成長が早いところはニジマスと似ているが、それよりはるかに水温の低いところを好むため春と秋が釣りの好シーズン。水温の上昇する夏は湖の深みに潜み、秋口、川に昇りはじめるころが群れもまとまるので、絶好の狙い目となる。
 棲息域は冷たくて水のきれいな湖や河川の緩流域の砂礫底。食性はきわめて貪欲で大型の魚も捕食するため野性味にあふれ、狡猾でエキサイティングな魅力を秘めているのでマニアックなファンが多い。餌釣りもあるがルアーやフライで盛んにチャレンジされる。
 通常のターゲットは体長40cm前後が多いが中には80cmを超す大型も記録され、原産地では1m超、20kgオーバーという大物も確認されている。
ポイント
ニジマスより定着性が強く、湖などでは水深のある沿岸の馳け上がりの底付近に多く居着く。朝マヅメの短時間が絶好の時合いとなる。
釣り方
素早く底に沈むルアーを使い、ゆらゆらさせながらゆっくり引いてくるのが基本で、カウントダウンしながら底近くをていねいに誘うのがコツだ。
ヒットすると素早いスピードで反転するが、口が柔らかいので慌てずに穏やかなリーリングで対応するのが肝心。フライでもほぼ同じように攻める。
エサ
餌は多様化していて、キジ、サシ、ブドウ虫、栗虫などのほか、鳥のレバー、マグロの赤身などに食うこともある。ルアーは解禁当初はスプーンが有利だが、ワカサギが接岸するようになるとシンキングミノーが効果的だ。フライはストリーマー系が有効だ。