Oncorhynchus nerka
サケ目サケ科
方言: |
ベニザケ、カバチエツプ、チップ、トワダマス、ヒメ、ベニマス、ワイナイマス |
阿寒湖に遡上したベニザケが陸封されたものといわれ、降海することなく一生を淡水域で過ごす。原産地は阿寒湖と網走川水系のチミケップ湖。明治年間、和井内貞行が十和田湖への移植を成功させたのは有名だが、現在はこのほか、北海道の支笏湖や洞爺湖、福島県の沼沢沼、奥日光の湯の湖や中禅寺湖、箱根の芦ノ湖、富士五湖の西湖にも移殖されている。適水温が10〜13℃のため、水温が上昇しやすい浅い湖には棲息できず、北日本や山上湖などに棲息が限定される。
産卵は水温が9〜10℃となる秋口から初冬。美味なため貴重な淡水魚資源としての増殖が徹底され、ほとんどの地域で禁漁期間が設けられている。釣期は南域が5月ごろから産卵直前までの解禁が多く、北域では産卵期を除いて冬季にも解禁されているところがあるが、いずれも現地の規制に従って遵守したい。
食性は動物性プランクトンを主に、エビなどの甲殻類やワカサギなどの小魚も食う。サケと同じく通常は4歳で成熟。産卵後に死ぬが、最大は50cmに達する。
餌や毛バリで釣るだけでなくルアーでも好ターゲット。陸釣りのほかボート釣りも盛んで、トローリングで狙うことも多い。
ポイント
春や秋は餌を求めて表層近くを群泳するため、沿岸にも近付くが、水温の上昇する夏場は沖の深場に潜ることが多い。
釣り方
回遊性が強いため、その日のタナの見極めが決め手。竿を何本も出してそれぞれタナを変えて探ったり、胴付き仕掛けで広範囲をカバーしたりする。うまく群れを捉えたら、短期決戦。散らさないよう手返し良く釣るのが好釣果を生む秘訣だ。
エサ
キジ、エビ、蜂の子、ブドウ虫、サシやイカのタンザクなどを使うが、赤い色に反応するのでサシやイカのタンザクを紅染めしたり、ハリのチモトに赤い糸を巻いたりする。
毛バリは赤い羽根が基調で、ルアーは春秋がフローティング系のミノーやスピナーで表層近くを狙い、夏場にはシンキング系のスプーンやミノーを使う。
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