実践的フィッシング 釣魚図鑑
DAIWA
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イトウ
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Hucho perryi
サケ目サケ科
方言: イト、イド、オビラメ、オヘライベ、チライ
 かつては青森県にも棲息していたというが、現在の日本では北海道だけに分布。体長1.5mを超える我が国最大の淡水魚で、ほかのサケ属の魚と違って産卵を終えても死なない。産卵期は3月から5月。1年で7〜8cmに成長し、一部降海するものもあるが外洋には出ずに河口に留まり、再び遡上する。成熟するのに8年ほど要し、20年以上生きるものもいる。そんな中には2mにも達する大物がいたようだが、近年は個体数が極端に減少。メーター級の大物は文字通り幻の魚といわれ、釣り人の熱い思いを掻き立てている。
 幼魚は水生昆虫などを捕食するが、成熟すると食性が変わって小魚を好んで食い、大物になるとカエル、ヘビ、ネズミ、ウサギなどの小動物を襲うことも珍しくないほど獰猛になる。動きはさほど敏捷ではないといわれるが、木陰などに潜んでいて、獲物が近付くと飛び掛かって襲う。
 ベストシーズンは3月から6月ごろと、10月から12月。川の氷が溶ける早春が釣りやすいが、大物は晩秋にヒットする確率が高い。
ポイント
急な清流ではなく、湿原を持つ穏やかな流れの川や湖沼を好み、流れの合流点やカーブして深みを作っているところ、岸近くの窪みや淵の深みなどに潜んでいる。水深2m以上の深みで、木などが覆い被さっているところが絶好のポイント。日中はほとんど底にへばりついているが、朝夕のマヅメには水面に出てライズするので、薄暗い小雨や曇天の日も狙いやすい。
釣り方
餌を刺した探り釣りと投げ込み釣り、ルアー、フライなどが代表的な釣法で、餌釣りでは圧倒的に生き餌に反応する。身餌の場合は生きているように見せるため、キャストして引いてくる誘いが欠かせない。また茂みなどでキャスト不能なときは探り釣りで狙い、水底付近で静かに餌を上下させて関心を誘う。いずれにしても徹底的な底狙いが功を奏する。
エサ
生き餌はドジョウがいちばん。大きな縫い針などで口から肛門辺りにハリスを通し、フックを接続するが、孫バリ仕掛けも使う。探り釣りの餌はミミズで、太くて動きの良いものが有利。小型は数尾を房掛けする。
ルアーで狙う場合、朝夕のマヅメはフローティング系、日中はシンキング系が有利で、フライはストリーマーが中心となる。イトウの居場所を読み、その鼻っ面に送り込むことが大切だ。