Seombrops boops
スズキ目ムツ科
方言: |
オキムツ、クロムツ、ロク、ロクノウオ、モツ、ムツメ、カラス、メバリ、ムツゴロウ、クルマチ |
アカムツ、シロムツ、バラムツなどムツという名の付く魚は多いが、正真正銘のムツ科に属するのはムツとクロムツの2種だけ。北海道から日本のほぼ全域に棲息するのがムツで、クロムツは北海道の南部から太平洋岸の中部海域程度に分布する。
ほぼ周年にわたって釣ることができるが、冬から春にかけてが旬。脂が乗る。
形態、生態ともに似通っていて、ヒレの条数もほぼ同じため鰓耙数や側線鱗数で区別するが、なかなか難しい。ムツがやや焦げ茶がかった銀褐色で、クロムツはシンクロと呼ばれるように黒く、鱗が小さい。
上下のアゴに生え揃った歯はきわめて鋭く、ハリを飲み込まれると簡単にハリス切れを生じる。飲み込んだハリが口の中で引っかからないよう、ハリ先が内側に曲がったネムリバリが考案されたのはこのムツを釣るため。これなら口の縁に刺さるため、別名ムツバリと呼ばれるようになったのである。
ポイント
成長するにつれて深みに移動し、成魚は水深200〜700mくらいの深海の岩礁帯に群れを形成して棲息する。深海性のためもっぱら船から釣るが、夜は餌を求めて水深100mくらいの浅場に上がってくるので、比較的楽に釣ることができる。
釣り方
深場を攻略するため、夜釣りで7、8本から10本くらい、昼釣りは15本以上の胴付き仕掛けを用いる。昼釣りのタナは海底すれすれ。アタリがあったら少しずつ道糸を送り込んで追い食いさせる。夜釣りのタナはやや高く、追い食いさせるときは逆に少しずつ巻くほうが確実性が高い。
エサ
深海を攻める昼釣りは、餌持ちの良いイカ、サバ、カツオなどのタンザクをチョン掛けにする。夜釣りではサンマのタンザクのほか、イワシを1尾付けして釣果を延ばすこともある。
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