実践的フィッシング 釣魚図鑑
DAIWA
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ブリ
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Seriola quinqueradiata
スズキ目アジ科
方言: アオ、アオイオ、アオブリ、アカバニソジ、アカンボ、アブコ、アブゴ、イナラ、オオイオ、オオブリ、カテイオ、ガン、ガンド、ゴヅクラ、コブリ、サワジ、サワズ、サンザイ、サンパク、シオ、シオワカナ、シホノコ、シュントク、ショウジラウ、ショウジンゴ、ショウノコ、ショオゴ、ショオジゴ、ショッコ、シヨノコ、シリマブリ、シロバラ、シロヤズ、シントク、スベリ、セグロ、セジロ、タンゴブリ、チベソ、チャンカラ、チュウモン、ツチ、ツバ、ツバイソ、ツワイソ、テンコ、テンコツ、ドシズレ、ドタブリ、ドヨオイヲ、ナル、リ、ドヨオイヲ、ナル、ニウドウ、ニサイアオ、ニサイゴ、ニサイブリ、ニニウドオ、ニマイズリ、ニマイブリ、ニュウドウ、ネイソ、ネリ、ネリゴ、バチ、ハナシロ、ハナジロ、ハナマガリ、ハマチゴ、ハラジロ、ハランボ、ヒッサゲシラス、ヒデリコ、ピンピン、マルコ、マルゴ、マンリキ、メジ、モジャッコ、モンダイ、ヤアズ、ヤガラ、ヤス、ヤズ、ヤスゴ、ヤズゴ、ヤゾウ、ヤツゴ、ラギ、ラクラギ、ワカナ、ワクウヲ、ワクヨ
 温帯性の回遊魚で、日本全域の沿岸に広く分布するため、地方名や方言がきわめて多い。本州の中部以南で産卵するが、もっとも盛んなのは東シナ海一帯。海域によって2月から7月ごろまでと時期にばらつきがある。春から夏にかけて北上。最北端はオホーツク海に達し、秋から冬にかけて南下する。
 流れ藻に付く雑魚ということで稚魚はモジャコと呼ばれ、「ひと潮1寸」といわれるほど成長が早い。成長に応じて呼び名が変わる出世魚の代表格として知られ、東京では当歳のワカシが体長15cm前後、2歳のイナダが40cm前後、3、4歳で60cm級に達するとワラサ、5歳魚になり、2貫目、7.5kgを超すとはじめて一人前のブリとして扱われる。大阪ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリ、富山ではツバエソ、フクラギ、ニマイズル、ブリまたはサンカ、高知ではハマチ、ブリ、オオイナと変化する。
 関東海域では8月にワカシ釣りがスタートし、9月から年内いっぱいくらいがイナダ釣りのシーズン。これとオーバーラップしてワラサ釣りがはじまる。いずれも大群で押し寄せる魚群を求めて集結する釣り船の数はおびただしく、ときには数100隻が一団となって異様なまでの壮観を呈する。その後、晩秋から真冬にかけてブリが食い出し、寒ブリとして珍重される1月から節分にかけての旬を迎える。
ポイント
潮通しの良い磯や防波堤の近くに回遊することもあるが、概して型は小さく、イナダ級から大きくてもワラサ止まりまで。そのためもっぱら船釣りで狙うことが多い。イナダやワラサが居着くのは潮通しが良くて餌の豊富な海域。そこに連日のようにコマセを打ち続けて群れを足止めする釣法もある。
日向灘、室戸沖、串本沖、御前崎沖、神子元島周り、剣崎沖、粟島周り、佐渡沖、能登沖、越前沖、若狭沖など、全国に有数のポイントが知られている。
釣り方
ワカシはアミコマセと魚皮などのサビキを組み合わせ、イナダやワラサ、ブリはアミやオキアミのコマセ釣りで攻めることが多い。このほかイナダのカッタクリ、小アジの泳がせ釣りで狙うワラサ、メジロのウキ流し、ヤリイカ餌のイカブリなど多彩な釣り方がある。また曳き縄やトローリング、ルアーフィッシングなども盛んに行われている。
コマセ釣りの決め手は仕掛けの長さや形状、コマセの種類によって異なるが、振り出したコマセと刺し餌をうまく同調させること。この点に心掛けたい。
泳がせ釣りのコツは生き餌を元気に泳がせ、底から8mくらいのタナを維持すること。これは片テン式のコマセ釣り、いわゆるズボ釣りにも当てはまるタナ取りの基本でもある。
エサ
コマセはアミ、オキアミ、イワシやサンマのミンチ、そしてこれらのミックスなどがある。刺し餌はオキアミ、イカのタンザク、両者のサンドイッチなど。イカやアジなどの生き餌も使う。