実践的フィッシング 釣魚図鑑
DAIWA
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フエフキダイ
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Lethrinus haematopterus
スズキ目フエフキダイ科
方言: クチナギ、クチナジ、シヨナクチ、シロダイ、スビグワ、タマミ、タマメ、タマン、タモリ、チビ、ブルボラ、メイチ
 和歌山県以南に分布する暖海性の魚。沿岸の岩礁帯に棲息し、小魚、貝類、甲殻類などを食う肉食性で、体長は40cmほどになる。釣り人の多くは本種に酷似して1m近くの大型に成長するハマフエフキを本種と誤認しているが、このほうが棲息域がやや広く、千葉県沖にまで分布している。
 突き出た口吻が笛を吹くような感じのため名付けられたといわれ、マダイやイシダイと同じ側扁型で力強い。神経質で難しい魚という印象が強いが、深みを攻める船釣りでは比較的容易。五目釣りのターゲットの中の1種という感じで良く釣れる。その反面、磯釣りでは人気者。夜行性のため活発に活動する夜釣りの代表格として高く評価され、浅場にアンカーを打った船上から、フカセ釣りで狙うことも多い。
 西日本一帯では4月から10月ごろが最盛期で、真夏に旬を迎える。沖縄地方では周年にわたって見られる代表的な魚で、タマンと呼ばれる。
ポイント
潮通しの良い磯際が絶好のポイントで、砂礫底にバラ根が点在する水の澄んだ海底も狙い目だ。
釣り方
神経質で警戒心が強いため、磯釣りは夜釣りが主体。照明具の使用は極力控え、直接海面を照らさないよう気を付ける。
本種だけに焦点を絞る場合、仕掛けはナイロンやカーボンハリスを用いるが、夜釣りで大型のハマフエフキも含めるときはワイヤー仕掛けが無難。イシダイ狙い同様、強引に締め上げる。
カカリ釣りで潮が速いときは、カミツブシをいくつか噛まして浮き上がりを抑えるのがコツだ。
深みを攻める船からの片テン釣りではさほど神経質になる必要はなく、コマセを効かせてその中に仕掛けを同調させる。
エサ
小アジ、ボラやムロアジの子など小魚の泳がせ釣りが最適だが、サバやサンマの切り身、冷凍イワシやキビナゴ、イカなどにも良く食う。コマセ釣りではオキアミを刺すほか、餌持ちの良いサバやイカのタンザクをサンドイッチすると良い。