実践的フィッシング 釣魚図鑑
DAIWA
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チダイ
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Evynnis japonica
スズキ目タイ科
方言: ハナダイ、チコダイ、デコダイ、ヒダイ
 北海道以南の日本各地に分布。9月から11月ごろにかけて産卵期を迎え、ほぼ1年中釣れるが、春先から産卵直前までが絶好機。夏が旬だ。
 姿形はマダイとよく似ているが、最大でも40cm止まり。マダイほど大きくならず、尾ビレの後縁の黒い縁取りや下葉の先の白い特徴は見られない。おデコが出っ張っていて鼻のようにみえるというのでハナダイ。またエラ蓋の縁に血の滲んだような帯があるためチダイと呼ぶのが、呼び名の由来といわれる。
 浅瀬に乗っ込んでくるマダイと違ってやや深場を好み、20mから100m位の水深に群れをなす。そのためもっぱら船釣りのターゲット。盛期には数釣りができ、マダイの弟分そのものの美しい姿と鋭い引きが人気を集めている。胴付き釣りやコマセ釣りで攻めるほか、アクティブなウイリーシャクリも大流行している。
ポイント
岩礁帯やその場の藻場、砂泥や砂礫底にバラ根が点在して餌が豊富な潮通しの良いところ。
釣り方
胴付き釣りでは底層付近の攻略が鍵となる。オモリを海底に付けてこまめに底ダチを取直すのが基本だが、ときおり竿先を下げて仕掛けを這わせると効果的。食いが立つとタナが上がるからそのタイミングを捉え、海底から3〜5mくらいのタナ切りに切り替える。
ウイリーシャクリはコマセの振り出しが決め手。開放口を絞り込み、1度にドバッと出すぎないようやや多めのコマセを詰める。アミコマセだから、シャベルビジはLよりMがお薦め。底ダチを取ったら2、3m巻いて仕掛けを馴染ませてからシャクリをスタートする。クイッと小さくシャクッては3秒ほど静止。動と静を繰り返しながら躍らせ、6、7mからときには15mも誘い上げる。この間、コマセの大盤振る舞いは避け、2往復ほどタナを探ってようやくコマセが出切るようなシャクリができれば完璧だ。
いずれもアタリは小さく、向こうアワセではハリ掛かりしにくい。といって大アワセはバレにつながるから、竿先を小さく跳ね上げて鋭いアワセをくれ、竿の弾力を生かして巻き上げる。
エサ
小型甲殻類や環虫類を補食するため、胴付き釣りでは小エビやアオイソメなどを餌にする。エビは尾羽根を切り取ってハリを刺し、2、3節でハリ先を腹側に抜いて背筋をピンと張ると絡みにくい。
ウイリーの場合はシロ、ピンク、薄茶などの3、4本バリを使うが、決め手はグリーン。どの位置に結ぶかで釣果に差が生じることもある。