エサを自然のままに流すというこれまでの渓流釣りの常識を覆し、エサ釣りにテンカラやフライ、ルアー的な要素を加えることでより積極的に渓流魚を“攻めて釣る”のが“誘引釣法”。ダイワはこの新たなメソッドを快適に楽しんでもらうべく、釣法を提唱する福田和彦と共に「YUIN(ユウイン)」シリーズを開発することでより身近なものとした。
引いて、誘う“誘引釣法”はどうしてもその派手な竿操作が注目されがちだが、福田は「一見“誘引釣法”のエサの動きは非ナチュラルなように感じると思いますが、自然界では実は結構ある現象を演出しています。だから魚にとってはある意味ナチュラルな捕食行動なんだと思います。これまでの渓流エサ釣りではその一部分しか見てなかったということです」
「渓流魚に何処からエサを見せるか」でドリフトを考える。
「“誘引釣法”で渓流魚を誘う場合、狙いの魚に対し、視界のどこからエサをみせるのが有効か?を考えながら釣ると、いろいろなテクニックの組み合わせをシンプルに理解できると思います」と、福田は言う。では活性に合せたテクニックとは?
(1)引き釣り ⇒ 高活性時
一番活性が高く、水面を見ている魚には自分の背後から突然登場するエサに過剰な反応を示すので“引き釣り”が有効。クロカワ虫の亜成虫や成虫が水面直下を泳ぎ回る動きを演出している。 狙いの筋の下流に仕掛けを投入し、オモリで引き波がでる程度のスピードで餌を水面直下に保ったまま筋に沿って上流へ引き上げることで水面へ魚を誘い出す“誘引釣法”の中で最もエキサイティングなメソッド。 仕掛けが跳ねないように一定のテンションで引けて、水面へ飛び出す魚へ違和感なく食い込ませるためには「YUIN」シリーズのしなやかなメガトップとしっかりした胴が有効に働く。 |
(2)ウェット釣法 ⇒ 高活性時
流の筋に定位し、流れてくる水生昆虫などを盛んに動き回って捕食している時に有効な釣法。川底から水面に向かってエサが舞い上がる動きは水生昆虫の羽化時や流された水生昆虫が水流で舞い上がる様子を演出している。 狙いの筋の川底へ仕掛けを流し込み、狙いのポイントの前で竿を聞きあげ、テンションを掛けることで餌を水面へ舞い上がらせて魚を誘う。“誘引釣法”のメインメソッド。 聞きあげる目印が一瞬でも止まったら全てアタリだと判断してアワせるのがコツ。「YUIN」のしなやかなトップは咥えている時間を最大限稼いでくれる。 |
食い気はあるが流の筋に定位してエサを待っているような状況では“止め釣り”が有効。流された水生昆虫が川底へ落ちていく動きを演出し、魚にとっては視界の上から目の前に落ちてくる最も楽に捕食できるエサと感じる。
ポイント前で竿先を完全に止めてジッと動かさないのがコツ。そうすることで仕掛けが緩い流れを見つけてエサを川底へと導いてくれる。細糸としなやかな穂先を持つ「YUIN」の組み合わせだからこそのメソッド。目印が走ってから合せれば良い。
![]() |
![]() |
(4)ナチュラルドリフト ⇒ 低活性時
そして、最も活性が低く、魚が川底近くに定位し目の前に流れてくるエサを捕食している状況においては、魚の視界の前方から目の前へ流れてくるように細糸でゼロ釣法のように流すのが有効となる。「これもある意味“誘引釣法”の中の立派なテクニックです。「YUIN」シリーズは引く釣り専門みたいな誤解を受けやすいけれど、その繊細な穂先と操作性の良い先調子はゼロまでは難しいけれど細糸でシビアな渓流魚を上手く食い込ませて釣りたいような渓流師に是非使ってみてほしいですね」と、福田は付け加えた。 魚の活性は季節や水況、天候や時間帯そしてポイントによって変化する。このことを踏まえて(1)〜(4)のメソッドを試しながらその時そのポイントで最も有効な手段を導き出すのも“誘引釣法”の楽しみとなる。 また福田は「ある程度の魚の数が居る大場所などでは(1)⇒(4)の手順で同じポイントを探っていくことで今まで釣り切れなかった魚まで釣れるようになります。さらに水中糸を使い分けることで“誘引釣法”はさらに奥深い魅力を得られるんですよ」と、ニヤリと笑った・・・。 |
| ここからがステージ2。 本流を誘引釣法で攻める。 “誘引釣法”の基本はナイロンラインで水面近くのナチュラルな餌の動きを演出することにあるが、水中糸を変えるという鮎名人福田ならではの発想で渓流域では狙いきれなかった魚を、さらにその特性を活かすことで本流域へと新たな“誘引釣法”のバリエーションの幅を広げていった。 水中糸の素材としては現在ナイロン、フロロ、コンポ(複合メタル)、Mステージ(メタル)、PEの5種が存在するが、福田はそのうちのナイロン、コンポ、Mステージの3種を主に使い分けることで“誘引釣法”の幅を大きく広げている。コンポ、Mステージとなるとその取扱いが難しいように感じるが福田は「ハリスはナイロンの時とまったく同じにFB(フクダボンド)ノットでワンランク太いナイロンハリスを結束すればOKだから釣り場でハリス交換もできるし鮎の仕掛けよりも気軽に使えます」と語った。 それでは水中糸を変えることで“誘引釣法”の世界はどう広がりを見せるのか? |
|
| (1)狙う層の幅と誘うスピードが変わる。
水中糸の持つ比重、水切れ抵抗の違いを利用すると探れるポイントの幅がより広くなり、より深いポイントへ短時間でエサを沈めることが出来る。また流れの抵抗が変化することで誘った時のエサの動き(スピード)に変化を持たせ、魚の活性に応じた誘いが可能となった。 1:ナイロンと比較して比重が重く、細い水中糸が使えることで短い時間、距離で素早く餌を沈めることが可能。ナイロンでは狙い切れない深い淵や流れの強い瀬での“誘引釣法”が可能になった。 「釣り方は基本と変わりません。オモリも基本ナイロンラインと一緒でOKです。特に深いポイントの底近くに魚が居るような春先の低活性時にはハイパーMステージが効果的です」 2:ナイロンと比較して水の抵抗が低いので特に“ウェット釣法”の時に餌の誘いの動きがゆっくりになるので同じより低活性時に有効となる。 「春先の低活性時はハイパーMステージ、瀬の中は活性が高く大型が来る可能性が高いのでコンポをメインに使用しています。伸びのないラインですが「YUIN」シリーズの柔軟な穂先であればアワセ切れもなく安心して使えます」 |
|
本流ヤマメというと0.6〜1.5号のナイロン、フロロで大オモリというイメージが定着している中で福田はナイロンの細糸に加え、引っ張り強度が高いコンポ、Mステージに本流竿の組み合わせを駆使し、0.1号の水中糸を使った“誘引釣法”の新たなメソッドを模索してきた。 そして満を持して本流域に対応した新たな“誘引釣法”向けの本流アイテムを開発。 ターゲットを25cm〜35cmとし、これまで狙い切れなかったスレた本流ヤマメや羽化する水中昆虫を偏食する魚も狙って釣れる新たな本流釣りスタイルを提唱する。 「鮎釣りをしていると本当に水中糸の素材と太さを変えると釣果に直結します。それだけ糸の抵抗って大きいんですね。今の細くて強く比重の高い水中糸を使うと本当に本流釣りがやさしく感じますし、今まで餌釣りでは指をくわえているしかなかったプールでライズするヤマメも“誘引釣法”で狙うことが可能になりました。 基本的なテクニックは“誘引釣法”でOKですが、仕掛けに特徴があります。本流の場合にはナイロンハリスを約1m付けるのが福田流です。いろいろ試しましたがこのくらい長さがあった方が喰い込みが良いと感じています。 餌はやはり本流でもピンチョロが最適。オモリは流れに応じてB〜4Bまでを使い分けてください。水中糸は初期はナイロン、盛期はMステージ、大物狙いはコンポがお勧めです。今まで掛けられなかったプールでライズするヤマメを仕止めた時は快感ですよ(笑)」 “誘引釣法”をきっかけにテンカラ、フライ、ルアーなど他釣種との融合、そして鮎タックルの流用など、渓流釣りのボーダーレス化が進むことで新しい渓流釣りの魅力が創造されるだろう。 |
![]() |
【本流用誘引仕掛け】
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|||
| 水中糸に接着剤(福田のオススメはコニシボンドG-17)を1.5〜2cmの幅で塗りつける。塗りすぎに注意。 | ハリスを接着剤の下側につけ、上に向かって巻き付ける。 (水中糸を撚るようにすると、上手く巻き付く) |
接着剤上部まで巻き付けたら、折り返して下まで同じように巻き付ける。 | 巻き付けた真ん中にガン玉を付ける。しっかり止めないと抜ける恐れがあるので注意。 |

| より繊細に、よりシャープに。メガトップが渓流先調子を変える。 「華厳調子」といわれるDAIWA独自の先鋭先調子渓流竿に欠かせないのが“ソリッド穂先”。小さなアクションでピンポイントに振り込み、一瞬の喰いアタリを的確にとらえるその精度を高めるためにDAIWAはカーボンソリッド素材を見直し、“メガトップ”を開発。従来のカーボンソリッドと比較して、含まれるカーボン繊維の密度が均一なので曲がりのバラツキが少なく、より正確な竿操作が可能になった。さらに張りがあり、強度的にも安定しているという特性を利用して感度を損なうことなくより繊細な穂先を成型することが可能になった。“メガトップ”の出現によって「抜調子」だけでなく「先調子」も確実に進化を遂げている。 ![]() カーボン繊維が均一に分散していることで、個体によるバラツキが少なく、360度、どの方向にも同じ曲がりを見せる。 |
|