新トーナメントを引っ提げ 寒グレシーズン序盤戦に挑む! 和歌山県/南紀椿

朝夕の風に冷たさを感じる頃になってきた。寒さが増すほどに磯師の心は色めき立つ。そう、寒グレシーズンの到来である。今回は大阪の実力派・武田一平さんに密着し、シーズン序盤のメジナ(グレ)釣りをレポートする。まだ水温が高い10月上旬。エサ取りの猛攻に苦戦するかと思いきや……。

 

 

南紀の寒グレシーズン

いよいよ開幕!

 

 磯に立つと、正面から吹き付ける北西風に思わず身震いがした。

 「いやぁ、シャツ一枚では寒いですねぇ。10月に入って急に冷え込みましたね」

 この日に行動を共にしたのは大阪在住で紀伊半島の磯を主戦場とする武田一平さん。つい先頃までアユ釣り一色で、今シーズン磯に立つのは初めてとのことだ。

 今期の寒グレを占う意味でも重要な釣行で、武田さんが選んだ釣り場は白浜の南に位置する椿地区。紀伊半島の磯に精通する武田さんではあるが、ここ椿の磯で竿を出すのは初めてらしい。しかし、まだ水温が高い時期にあって周辺ではコッパに手を焼く状況のなか、ここは比較的型の良いメジナ(グレ)が釣れていたとのことだ。

 「えびす渡船(☎0739・46・0603)」の船長は気さくな人で、初めての我々にも大変親切にしてくれた。船長がすすめてくれたのが「白島」。かなり地方の島であるが足下から5ヒロ程度の水深があり、メジナ(グレ)の実績も高いとのこと。沖は砂地が多いのか、良型は足下で食ってくることが多いらしい。

 「北西風が強くなるかもしれないけど頑張って」

 こんな声を残して船は港へ帰っていった。

 この日、武田さんが用意した竿は「トーナメントISO AGS1.5号-50」と「トーナメントISO AGS競技1.25号-52SMT」の2本。カーボンソリッド穂先メガトップの5mと、高感度メタル穂先SMTの5.2mという組み合わせは、小型をかわしつつ、手返しよく良型を引き出す秋の釣りにピッタリといえるだろう。

 武田さんはまず「トーナメントISO AGS1.5号-50」を手に取って仕掛けをセットした。リールは「トーナメントISO競技LBD」。道糸は「アストロン磯マスターエディション1.65号」、ハリスは新製品の「タフロングレイトZカスタムEX1.5号」。ハリは「D-MAXグレ」のスピードとマルチの4〜5号をローテーションする。

 「ちょっと正面からの風が強いので00号のウキに7号前後のガン玉を打って、やや沈め気味に流してみようと思います。季節柄エサ取りやコッパが多いと思いますが、1cmでも大きいグレを釣りたいですね」

 

 

今シーズン初めて磯に立った武田一平さん。満を持して「トーナメントISO AGS」を実戦投入する記念すべき釣行だ。

好調の椿地区でも指折りのグレ場である「白島」。ごらんのようにかなり地方に位置する磯だが、過去の実績は高いとのこと。

竿は「トーナメントISO AGS1.5号-50」と「トーナメントISO AGS競技1.25号-52SMT」の2本を磯に持ち込んだ。手返しを重視したチョイスだ。

リールは「トーナメントISO競技LBD」。ハンドル1回転で108cmラインを巻き取れる高速ギアは高水温期のスピードゲームにピッタリ。

ハリスは新製品の「タフロングレイトZカスタムEX」。軟らかめの糸質で食い渋り時にも効果的だ。

ハリは「D-MAXグレ」。スピードとマルチの4〜5号をローテーションした。口太がメイン釣り場なので朝イチはスピードでスタート。

 

 

今期初釣行の初アタリで

まさかの40cmクラスを御用!

 

 北西向きの先端に釣り座を構えて釣りを開始。コマセを撒くと磯際からチョウチョウウオがチラチラと見え隠れする。手前では付けエサが取られるが、やや沖を流すと残ってくる。10月上旬という時期からエサ取りが多く、コッパの中から良型を選んでハリに掛けるという釣りを予想していたのだが、ちょっと状況は違うようである。シケの後で海は白濁しており、うっすらと見える海底は砂地のようで、メジナ(グレ)というよりは黒鯛(チヌ)が釣れそうな雰囲気だ。

 潮は釣り座の右から沖へ抜けているように見えた。しかし、仕掛けを流すとウキは沖へ払い出されるのに、蛍光色のストッパーはその場にとどまってウキから離れていく。いわゆる二枚潮である。

 これではウキが仕掛けを引っ張ってコマセから外してしまう。武田さんは数投で00ウキを外し、マイナスウキに小粒のアタリウキを併せた2段ウキ仕掛けにチェンジした。マイナスウキに下層の流れをつかませる戦法である。これをエサ取りゾーンから外したやや沖目に投入し、コマセを被せて流したところで最初のアタリがきた。

 「トーナメントISO AGS1.5号-50」が美しい弧を描いた。武田さんの無駄のないロッドワークに、魚はすんなり足下へ寄せられてしまった。さほど大きくないのかな、と思ったところであった。

 「あれ、結構大きいグレですよ」

 玉網に滑り込ませた魚体をトーナメントバッカンのメジャーに当ててみると、なんとこれが40cmジャストの良型である。水温は23℃。本来ならばエサ取りとコッパをかわし、あの手この手で攻めても35cmが釣れれば上等というコンディションだ。そのなかにあって最初のアタリで食ってきたのが40cm。これは出来過ぎといってもよい釣果といえるだろう。

 「今期初めてのグレ釣りなので状況がわからんかったのですが、おそらくエサ取りが多く手返しの早い釣りになるだろうと。だから取り回しのよい5mの竿を選んだのですが、最初にこの型が釣れるとは嬉しい誤算でしたね(笑)」

 

2段ウキ仕掛けを底潮になじませる作戦に転じた一投目、この日初めてのアタリがきた。重量感はあるがあまり突っ込まない。その正体は……。

 第一号となる本命は40cmジャストの口太。苦戦を予想していただけに嬉しい誤算だ。

海況に仕掛けが合わないと徹底的に手を入れる武田さん。ウキはもちろん、ハリ、ガン玉の大きさや位置、やれることはすべてやるのだ。

 

 

魚が暴れずについてくる

新トーナメントの調子に迫る。

 

 水温が高い時期のメジナ(グレ)は活性が高いため、30cm少々の個体でも引きはかなり強いはず。40cmともなればもっと手こずらせてくれてもよいはずだが、拍子抜けするほどあっさり浮いてきてしまった。

 「掛けた魚が暴れずに浮いてくるんですよ。これが新トーナメントのすごいところです。今回新たに開発された『粘靱ブランクス』の恩恵だと思いますが、ただ強いだけではない、何かがあるんです。竿を左右に切り返すと、魚がスーッと横に泳いで付いてきますからね」

 武田さんは過日のフィールドテストで「トーナメントISO AGS1.5号-53」をみっちりと振り込んでいる。5mは初めて振るとのことだったが、調子はどのように違うのだろうか。

 「5mのほうが振り調子がシャンとしています。5.3mと5mはまったくの別設計と聞いていますが、まさにそのとおりですね。振ったときは『少し硬いかな』と思ったけれど、魚を掛けるとギューッと胴まで曲がってくれます。5.3mとは違うテイストですが、これはこれで好きですね」

 その後もポツポツながらメジナ(グレ)を追釣。どれも30cm代半ばから後半となかなかのサイズである。ただ、秋磯という観点で見るといささか様子が違う。浅ダナで活発にアタってくるというよりは、どのメジナ(グレ)もなじんだ仕掛けをやや流したところで食ってくるのだ。

 「この時期の和歌山は、どちらかというと浅ダナに浮いたメジナ(グレ)の動きを見ながら釣るのが普通なんです。今日は磯際にチラチラとグレは見えるのですが、この時期特有の忙しい釣りにはほど遠いですね」

 ここで、竿を「トーナメントISO AGS競技1.25号-52SMT」に持ち替えた。軽量で機動力のあるメガトップの5mから、高感度で流している最中の情報収集力に長けたSMT仕様の5.2mにチェンジしたというわけだ。

 残念ながら、この後はメジナ(グレ)のアタリがパタリと止まってしまった。時折食ってくるのはサンノジなどの外道のみとなってしまったが、新トーナメント独特の“粘靱マジック”は十二分に体感することができた。

 「SMTが持つ最大の魅力は感度です。これについては新トーナメントも変わりません。ただ、魚を食わせて曲がってからが違いますね。SMT仕様の競技モデルはメガトップに比べて先調子というイメージがありますが、確かに振り調子はSMT仕様独自のシャープさがあるものの、魚を食わせてからはスッと曲がりが手元まで入ってくる。腕に掛かる負担が小さく、とにかく魚が暴れないんです」

 サンノジを食わせたときの曲がりを見ていると、リールシートの下、エンドグリップまで曲がりが入っていることがよくわかる。メガトップの5.3mと5m、SMTの5.2m、それぞれの調子特性は違うものの、曲がってからはしっかり竿が仕事をしてくれることを、改めて思い知らされた釣行であった。

 

 

海と仕掛け、そして攻め方がピタリと合えばこのとおり。「トーナメントISO AGS1.5号-50」が美しい弧を描く。

アタリは散発だが食ってくればそこそこのサイズ。新トーナメントの調子を確かめつつ数を伸ばしていく。

メタル穂先臭さが抑えられ、メタル穂先らしさが際立つ「トーナメントISO AGS競技1.25号-52SMT」。振り調子は先寄りながら、ひとたび曲がれば全節がバネとなって豊かな粘りを発揮する。

竿尻を握り込んで磯際の突っ込みに耐える。よく見るとリールシートの下まで曲がりが入っていることがわかる。

強い引きの主はサンノジだった。メジナ(グレ)よりもタフな相手だが、粘靱ブランクスの前にはあっけなく浮かされてしまった。

ゴミはコンビニ袋にまとめておく。風が強いときは飛ばされないようクーラーボックスなどに結んでおくとよい。

 

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