柔よく剛を制す。第三の銀狼、誕生。銀狼 冴

2016年も早、ひと月が過ぎました。あと少し待てば、早い場所では乗っ込み黒鯛(チヌ)の第一陣が釣れ始めることでしょう。大型狙いの絶好期を前に、“磯に本気”のダイワが威信を懸けて市場に送り出した、第三の銀狼をご紹介しましょう

 

 

 

 

 

 

“冴”が加わった銀狼ブランド。

いよいよ成熟の時代へ!

 

 最高峰モデル・トーナメント、個性を研ぎ澄ましたオレガ、革新と先鋭のDXR、実直さとパワーのメガディス……。ダイワ磯ロッドラインナップを構成するブランドには、それぞれ明確なコンセプトが存在します。そのなかで唯一の黒鯛(チヌ)専用のブランドが『銀狼』です。

 シリーズの中核となるスタンダードモデル『銀狼』、トーナメントにも迫るスペックを備えるシリーズのフラッグシップ『銀狼王牙』。これまでの銀狼シリーズはこの2機種で構成されていましたが、この冬、新たに『銀狼冴』がラインナップに加わりました。

 『銀狼 冴』の価格帯は『銀狼』よりもやや下で、かつてコストパフォーマンスの高い黒鯛(チヌ)竿として人気を博した『飛竜チヌ』よりもやや上に位置します。このグレードは一般にミドルクラス、あるいは普及クラスと認識されているようですが、あえて飛竜と名乗らず銀狼としたのは、『銀狼冴』に対するダイワの“こだわりの証し”と捉えていただいて差し支えありません。

 黒鯛(チヌ)という魚は、数ある磯釣りのターゲットの中でも特殊です。魚体は大きく、引きも強いのですが、メジナ(グレ)のように根に張り付く魚ではありませんし、回遊魚のようなスピードやタフさもありません。重々しく底へ突っ込み、首を振るだけで、単純に引きだけで言えば比較的取り込みやすい魚です。

 しかし、藻の際であったり、何段にも落ち込んだカケアガリであったり、いやらしいポイントで食ってくるのが黒鯛(チヌ)です。また、地方やポイントによって使われるエサも多彩、仕掛けも千差万別と、メジナ(グレ)釣りのように釣法が画一化されていないのも黒鯛(チヌ)釣りのおもしろいところです。

 優れた黒鯛(チヌ)竿とは、まずは確実に大物を仕留められるパワーと粘りを備えたうえで、重厚な黒鯛(チヌ)の引きをたっぷりと味わえるものであること。そして多種多様な仕掛けや釣法にくまなく対応できること。この2点が不可欠な要素といえます。

 『銀狼王牙』はダイワのロッドテクノロジーを余すところ無く投入した、ダイワ黒鯛(チヌ)ロッドのフラッグシップモデルです。SVFカーボンを素材とするブランクスは、柔軟に大きく曲がり込みながらも突っ込みの虚を突いて魚を浮かせます。また、銀狼シリーズでは唯一、ダイワが独自に開発した軽量カーボンフレームガイド・AGSを全アイテムに採用し、SMT(スーパーメタルトップ)搭載モデルもラインナップしています。

 『銀狼』はシリーズの象徴ともいえる中核モデルで、シャープでありながら曲げ込むほどに粘るダイワの黒鯛(チヌ)竿調子を継承するアイテムといえます。開発コンセプトは“原点回帰”。メジナ(グレ)とは一線を画す黒鯛(チヌ)釣りの特性を見据え、多様な仕掛け、多様な釣法に対応しながらも、黒鯛(チヌ)の引きを存分に味わえる伝統的な調子が際立っています。

 そこに満を持して加わったのが『銀狼冴』。銀狼シリーズも一層の厚みを増し、いよいよ成熟のときを迎えようとしています。

 

 

 

 

黒鯛(チヌ)釣りをさらに楽しくする

数々のテクノロジー。

 

 『銀狼 冴』の全体的な作りは細身&粘強設計。スリムで肉厚のブランクスは柔軟でありながら、曲げ込むほどに粘りを発揮します。繊細な小粒ウキから重量級の自立棒ウキまで楽に飛ばすことができ、風切り性能にも優れます。

 ブランクス素材はHVFカーボン。『銀狼王牙』に用いているSVFカーボンよるも樹脂量が多いマテリアルですが、キレや軽さはSVFに一歩譲りながらも、余分な反発力を抑えたマイルドな調子を作りやすい素材といえます。このHVFカーボンでダイワがどのように設計し、どのような調子が出来上がったのかについては後述することにします。

 ラインナップは00〜1.5号の7アイテム。5.3mはすべての号数に、1号にのみ5mをご用意しています。00〜0.6号は細仕掛けをいたわる柔軟調子、1号はオールラウンドに使えるスタンダード調子、1.2〜1.5号は口太メジナ(グレ)にも対応するパワー調子という設定になっています。

 では各部の仕様とテクノロジーについてご説明しましょう。

 

X45

 ±45°の斜行繊維カーボンシートでブランクスのネジレを防ぐ補強構造です。黒鯛(チヌ)竿のような軟調ロッドになぜ補強が必要なのかとの声も聞かれますが、そもそもブランクスは細いほどネジレが生じやすいものであり、細い竿、つまり軟竿ほど補強が必要であるといえます。X45で各部を強化した『銀狼 冴』は、しなやかでありながら重いウキを振り切っても軌道がブレません。これはまさしくX45の恩恵なのです。

 

メガトップ

 高感度&高強度のカーボンソリッド穂先・メガトップを全アイテムに採用しています。カーボン穂先が持つ最大のメリットは軽さです。軽快に取り回せるだけでなく、穂先が微かにもたれる小さなアタリも敏感にキャッチでき、精度の高い攻めが可能になります。

 

Vジョイント

 節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑えるダイワ独自の強化構造・Vジョイントを『銀狼 冴』にも採用しています。X45との相乗効果で、しなやかさとブレにくさという相反する要素を両立し、調子のつながりも目を見張るものがあります。

 

●チタンフレームIMガイド(穂先〜2番固定ガイド)

 優れたライン放出性能を誇る楕円SiCリングを配したチタンフレームIMガイドを、穂先から穂持ちの固定ガイドに搭載しています。手元から離れた位置にある穂先の重量は、わずか数g増えただけでも大きな持ち重りとして感じられます。『銀狼冴』の軽快な取り回しは、軽量のチタンを用いたIMガイドなしには語れません。

 

 

 エンドグリップには最も新しいテクノロジーのひとつであるX45のロゴがあしらわれています。『銀狼 冴』の細身でありながらブレない調子は、このX45によって完成したと言っても過言ではありません。

  リールシートは平滑なデザインでブランクスとの段差をなくし、手の平とのフィット性を高めたトーナメントホールドシートを採用しています。

  節の継ぎ目にはVジョイントを採り入れて剪断変形を抑制。負荷によって潰れやすい部分の剛性を上げることでパワーロスを防ぐ構造です。

  穂先から穂持ちの固定ガイドにはチタンフレームのIMガイドを搭載。スムーズな糸通りを確保したうえで、穂先付近の重量軽減にも貢献しています。

  3〜4番節には道糸のベタ付きを抑えるICガードを配しました。雨の日や波飛沫を被っても快適に竿を出せます。

 

 

 

抑え気味の反発力の中に

年無しを力強く浮かせる粘りを秘める。

 

 『銀狼 冴』を振ったテスターの多くは、“よい意味で反発力が抑えられている”と口を揃えます。もちろん、50cmオーバーの大型を難なく浮かせるパワーと粘りを有していますが、魚を不要に怒らせる過度な反発力がない、という評価が目立ちました。

 たとえば、足下から沖へ広がる深い藻場の沖で魚を掛けたとします。藻の奥へ入られたらアウトという状況下で、ただ反発力が強いだけの竿だと、どんなに力を加減しても魚を手前に引っ張ってしまいます。しかし『銀狼 冴』は強めに絞れば魚をパワフルに寄せられる一方で、矯め方による反発力の調整がしやすく、やんわりと曲げておけば沖で魚を浮かせることもできます。その間に足場を移動して藻の切れ目まで魚を回すのもよいし、沖で弱らせておけば藻の上を滑らせて取り込むことも可能です。こんなやり取りにおいては、『銀狼冴』の特性が最も生かされるといえるでしょう。 

 『銀狼 冴』は、パワーで黒鯛(チヌ)をねじ伏せるようなタイプの竿ではありません。大きく曲がり込んだストロークで獲る。あるいは、ゆったりと黒鯛(チヌ)の引きを味わいながら取り込む竿といえるかもしれません。大きな魚は余裕を持ってあしらうことができ、カイズやメイタクラスでも楽しめます。そう思うと、本格的な磯場に通う若手黒鯛(チヌ)師から、堤防でのんびり竿を出すシニアアングラーまで、使い手を選ばない竿、これが『銀狼冴』なのかもしれません。

 乗っ込みを前に、また新たな楽しさが銀狼シリーズに加わりました。あなたにピッタリの銀狼は、『銀狼王牙』『銀狼』『銀狼冴』のうちのどれでしょうか。

  ゆったりと大きなストロークで魚をあしらい、取り込めるのが『銀狼冴』の味。“柔よく剛を制す”という言葉がピッタリの竿です。

  こんな大物を釣り上げるチャンスは誰にでもあります。今年の乗っ込みは『銀狼冴』で決まりです! 

2016年3月

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