これから釣りを始める人にとって、高価な上級モデルはなかなか手を出しづらいもの。「初めの1本」は手頃な価格帯の製品を選ぶ人が大半かと思いますが、そのなかでもできるだけ性能のよいものを求めるのが当然です。懐にやさしく、性能も十分以上。今回はそんなハイパフォーマンスロッドをご紹介しましょう。

 

 

ダイワ磯ロッドの裾野を固める

インターラインとアウトガイド!

 

 「エントリーロッド」

 こう聞いて、皆さんはどのような印象を受けるでしょうか。初心者がまず最初に使う竿であり、手が届きやすい価格帯のものというのが大半かと思います。エントリークラスといえば聞こえはよいのですが、ひと昔前の廉価版ロッドは性能もデザインもそれなりで、多少釣りを知った頃になると次々に不満が生じて、ろくに使わないうちに物置へ仕舞い込んでしまったという人もいらっしゃるでしょう。これではいくら安価な竿でも勿体ないというものです。

 せっかく買った竿は末長く愛用したいもの。腕が上がってメインの竿をグレードアップしても、古い竿の性能に不満がなければ、予備竿としてまだまだ活躍してくれるはずです。

 これから釣りを始める人にとってのエントリーロッドも、毎週のように黒鯛(チヌ)やメジナ(グレ)を狙って竿を出す中〜上級者にとっては、メインの釣り以外で手にするかもしれないアイテムといえます。たとえば堤防からの半夜釣りでアジやメバルを狙ってみたい。秋の好シーズンだけカゴ釣りで回遊魚を狙ったり、アジを泳がせてアオリイカを釣ったりといったこともあるでしょう。ときとして置き竿にしたり、暗い中で竿を振ることを考えると、扱いに気を遣う上級モデルよりも頑丈に作られたエントリーモデルのほうが安心ということもあります。この場合、かつての「安かろう、悪かろう」の製品では、どうしても我慢して使うことになります。

 価格を抑えても性能は妥協しない。エントリークラスといえどもビギナーとベテランの双方に跨るものであり、ダイワ磯ロッドの裾野を固める大切なアイテムです。コスト的な制約の中で材料を吟味し、上級機種で培ったテクノロジーを最大限反映させることで、ただのエントリーロッドが万人に愛されるユーティリティロッドに昇華します。

 今回はダイワ渾身のユーティリティロッドを、インターラインと外ガイドからそれぞれ1アイテムずつご紹介しましょう。

 

 

身近な高性能インターライン

マークドライ

 

 まずはインターライン(中通し)の「マークドライ」。インターラインでは「メガドライ」に次ぐセカンドラインモデルになりますが、価格は3万円台前半からと抑えめで、フカセ釣りに対応するスタンダード仕様からカゴ釣り用の遠投仕様まで揃えています。

 インターライン最大の武器は、道糸が竿の内微を通るという構造から、穂先絡みが非常に少ない点にあります。風の影響を受けにくく、ブランクスの表面が雨に濡れても道糸がへばり付かないため、とりわけ夜釣りや荒天時においては抜群のパフォーマンスを発揮します。ガイド位置を合わせる必要がないため、事前に仕掛けをセットしておけば、サッと節を伸ばすだけで釣りを始められるのも嬉しいところです。

 「マークドライ」に投入されている代表的なテクノロジーは次の通りです。

 

超撥水ドライ

 ブランクスの内面に施した撥水加工です。水滴との接触角165゜(当社テストによる)を実現し、リニアインターライン構造との相乗効果でスムーズなロングキャストが可能。スタンダードモデル(1-52~3-52HR)は1~4番節、遠投モデル(3-52遠投~5-52遠投)は1~3番節に超撥水ドライ加工を採用しています。

 

X45

 従来の伸方向(縦方向)と周方向(横方向)のカーボン繊維に、ダイワ独自のバイアスクロス(±45°に斜行したカーボン繊維など)を巻く強化構造です。これによって不快なブランクスのネジレを抑え、従来製品よりもパワーや操作性、感度が飛躍的に向上しています。

 

Vジョイント

 節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑える強化構造です。ブランクスの曲がりがスポイルされず、パワーやレスポンス、感度の向上に貢献しています。

 

 ブランクスの素材はHVFカーボン。「メガドライ」に採用されているSVFカーボンとは違った粘りと剛性を有し、多少ラフな扱いにもビクともしません。

 「マークドライ」は準ハイエンドクラスといってもよいほどのスペックを有し、堤防周りから本格的な磯場までオールラウンドに対応。ライントラブルが少なく初めての1本としてはもちろん、ロッドシステムの隙間を埋める1本としてもおすすめです。

 

上段:マークドライ1.5号-52

下段:マークドライ4号-52遠投

 

ガイドが存在せず、道糸の絡みを気にせず釣りに集中できるのがインターラインの強み。強風時や降雨時の頼もしい味方です。

 

 道糸はこのエントランスガイドからブランクスの内部を通ります。付属の案内ワイヤーにてワンアクションで道糸が通ります。

 

 ブランクスの必要箇所を「X45」で補強。ブランクスがネジレにくく、本来のパワーを発揮してくれます。

 

 スタンダードモデルのリールシートは、ブランクス一体型で手の平に収まりやすいトーナメントホールドシートを採用しています。

 

 

オールラウンドに活躍する外ガイド

インプレッサ

 

 次にフィーチャーするのは外ガイドロッドの「インプレッサ」です。「インプレッサ」はこれまでにも人気を博してきた機種であり、昨年デビューした現行モデルもこれまでと同様に、上物釣りをフルカバーするワイドなラインナップが特徴です。フカセ釣りに対応するスタンダードモデル、カゴ釣り用の遠投モデルに加え、足場の高さや釣り場の地形に合わせて長さを変えられるマルチレングスモデルが2機種、離島の大型魚を仕留めるHRモデルも設定。用途や使用状況を考慮し、アイテムのそれぞれが専用に設計されています。

 価格は2万円台の半ばからとまさにエントリークラスですが、その仕様には細部までこだわりました。素材は低樹脂&高反発のHVFカーボン。マルチレングスモデルを除くスタンダードモデルの穂先には、軽量かつ高強度、高感度のメガトップを採用し、1番節〜2番節の固定ガイドまでは上級機種と同じチタンフレームIMガイドを搭載(遠投モデルを除く)しています。穂先への糸絡みが軽減されたうえに取り回しも軽く、その操作性はエントリークラスであることを感じさせません。

 また、ダイワ独自のテクノロジーである「X45」と「V-ジョイント」は全アイテムに搭載。ブランクスのネジレが抑えられ、投入から取り込みまで一連の動作をパワフルかつ正確に行えます。

 「インプレッサ」は羊の皮を被った本格派。「マークドライ」と同様、初心者からベテランまでを満足させてくれるユーティリティロッドといえるでしょう。対象魚が増える夏以降は、活躍の場がさらに多くなるはずです。

 

 

 

インプレッサ 1.5-53

 

インプレッサ 4-53遠投

 

マルチレングスモデルを除くスタンダードモデルには軽量かつ高強度、高感度のメガトップを採用。2番節の固定ガイドから先は糸絡みが少ない楕円形状のチタンフレームIMガイドを配しました。

 

スタンダードとマルチレングスモデルには、シンプルで軽量のステンレス板シートを搭載。前進機構付きでリールをしっかりとホールドします。遠投モデルにはスクリューパイプシートを採用しています。

 

ブランクスの各部を「X45」で補強。エントリーモデルながら剛性は上級機種に引けを取りません。

 

黒鯛(チヌ)の乗っ込みが一段落する頃になると、水温も上昇して対象魚がグッと増えてきます。晩春から初夏にかけての熱いターゲットが真鯛。夏以降はヒラマサなどの大型回遊魚の期待が高まります。今回は、個性豊かなローカル釣法に対応する剛弓シリーズの中から、こだわりのカゴロッドをご紹介します!

 

 

ダイワ磯ロッドにおける

剛弓シリーズの位置づけとは?

 

 「剛弓」

 それは、ダイワ磯ロッドの中でも、独自のコンセプトのもと開発されたこだわりのブランドです。そのコンセプトとは「地域ごとに発展してきた釣法に則した性能」です。トーナメントやDXRメガディスなどは、最先端の上物釣法を見据えたオールラウンドモデル。オレガは口太や尾長、大型青物など、対象魚によって求められる性能を特化したモデルになります。

 剛弓シリーズは、汎用性や釣魚別専用性能ではカバーできない釣り、地方色豊かなローカル釣法に対応するモデルです。たとえば「剛弓フカセ真鯛」は、日本海エリアで80cmオーバーの大型真鯛を仕留めるためのパワーと、一般的な磯竿とは異なる調子を備えています。「剛弓紀州遠投」は、紀伊半島で多用される軽量の網カゴをスムーズに遠投するためのモデル。「剛弓カゴ遠投B」は、関東エリアの主流である両軸リールによるカゴ釣りに特化したモデルです。

 真鯛のフカセ釣りにせよカゴ釣りにせよ、既存のアイテムでもこれらに対応することは可能です。しかし、剛弓シリーズはマニアックな釣りにフォーカスした専用設計であり、実際に使用したときの快適さが違います。そして何より「楽しさ」が汎用モデルとは大きく異なるのです。

 大型真鯛が首を振ったときのパワーはかなりのもの。先調子のグレ竿では道糸を出すような状況下でも、胴調子の「剛弓フカセ真鯛」ならば余裕を持って矯められます。ナイロンの網カゴは、フカセ竿で投げるには重すぎるし、カゴ竿では軽すぎて投げにくいものです。しかし、しなやかな中に粘りとパワーを秘めた「剛弓紀州遠投」なら、軽いキャストで気持ちよく飛んでくれます。

 そんな剛弓シリーズの中から今回ご紹介するのは「剛弓マダイ遠投・F」と「剛弓ヒラマサ遠投・F」の2アイテムです。ともにカゴ釣り用のスピニング遠投ロッドです。既存の遠投ロッドとは何が違うのかを、これからご説明しましょう。

 

 

こだわりのカゴ釣りアイテム

剛弓マダイ&ヒラマサ遠投・F

 

 現在、「剛弓マダイ遠投・F」には2アイテム、「剛弓ヒラマサ遠投・F」には1アイテム、計3アイテムを揃えています。それぞれのコンセプトは次の通りです。

 

●剛弓マダイ遠投3.5号-53・F

 3号と4号の中間のパワーを有し、持ち重り感を軽減したモデルです。遠投ロッドを1本購入する場合、大アジやイサキなどとの兼用ならば3号、回遊魚も範疇に入れるなら4号を選択する人が多いと思います。しかし真鯛を専門に狙う場合、3号だと軟らかすぎるし、4号だとオーバーパワーに感じる人がいるかもしれません。真鯛狙いのカゴ釣りにおける最も扱いやすいパワーを狙ったのがこのアイテムです。

 

●剛弓マダイ遠投3.5号-63・F

 山陰エリアで人気の高いタルカゴ仕掛けに対応するロングモデルです。付けエサをカゴに収めない長ハリス仕掛けも楽に遠投できるうえ、通常の遠投カゴ仕掛けでも5.3mよりも飛距離を稼げます。背後が切り立った釣り座でサイドスロー気味に投入する際も、胴に仕掛けの重みを乗せて楽に投入できます。

 

●剛弓ヒラマサ遠投4.5号-53・F

 レコードサイズのヒラマサを狙うためのストロング仕様です。ひと口にパワーと言っても、遠投ロッドには重いカゴを振り切るパワーと、食わせた大型魚の走りを止めて寄せるためのパワー、2種類の強さが要求されます。2つの強さを高い次元で両立させたのがこのモデルになります。

 

03. 「剛弓マダイ遠投・F」の元竿には真鯛らしい赤、「剛弓ヒラマサ遠投・F」にはブルーランナーらしい青のワンポイントが入ります。どちらも高級感のあるデザインです。

04. エンドグリップにも赤と青のワンポイント。収縮チューブを配し、キャスト時のグリップ性を高めました。

 

 

ダイワのテクノロジーが実現した

飛びとパワー!

 

 遠投ロッドとは、文字どおり重いカゴをフルキャストし、フカセ釣りでは攻めきれない遠くのポイントで大型魚を獲るためのロッドです。必然的に硬く反発力の強いロッドになりますが、ただ硬いだけでは「優れた竿」にはなり得ません。12号、15号といった重いカゴを振り切る際、ロッドにはかなりの負荷が掛かります。このとき簡単にネジレてしまうブランクスではパワーを生かせないうえ、キャストの精度も著しく低下してしまいます。

 剛竿だから大雑把でよいわけではありません。カーボンブランクスの強さをフルに引き出すため、「剛弓マダイ/ヒラマサ遠投」には随所にダイワのテクノロジーが投入されています。

 

●SVFカーボン

 「剛弓マダイ/ヒラマサ遠投・F」のブランクスには、低樹脂&高反発のSVFカーボンを使用しています。カーボン繊維間の樹脂が極めて少ないため、素材のパワーをロスなく引き出すことが可能です。

 

X45(3.5号-63・Fのみ)

 ±45°の斜行繊維カーボンシートでブランクスのネジレを防ぐ補強構造により、ブランクスのネジレを抑制します。特に強い負荷が掛かるキャスト時には効果が高く、飛距離はもちろん、投入のコントロール性も向上します。

 

Vジョイント

 節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑える強化構造です。節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑えて調子のつながりを円滑にし、パワーロスを抑えます。キャスト時、ファイト時の双方に貢献するダイワ独自のテクノロジーです。

 

●SUSフレームSiCテレスピンガイド

 ガイドには強靱なSUS(ステンレス)フレームの大口径タイプを採用。重い仕掛けも思いっきりキャストできます。

 

●センサーハンプスクリューシート

 リールシートはタフでガッチリとリールを固定できるスクリュータイプを配しています。腰に竿尻を当ててゴリ巻きしてもガタつきやグラつきが小さく、スムーズに魚を寄せることが可能です。

 

●太径高感度チューブラー穂先

 やや張りを持たせた高感度のカーボンチューブラー穂先を採用しています。

 

05. ブランクスは全節、低樹脂&高反発のSVFカーボンを使用しています。変形しやすい節の継ぎ目はVジョイントでガッチリと補強。

06. X45は不快なブランクスのネジレを抑え、パワーとキャスト精度を高める強化構造です。

07. ガイドはタフで変形に強いSUSフレームSiCテレスピンガイド。重いカゴ仕掛けをフルキャストしてもビクともしません。

08. リールシートはガタつきの小さいセンサーハンプスクリューシートを採用。竿尻を腰に当ててのゴリ巻き勝負でもスムーズな巻き上げが可能です。

 

 

パワフルな遠投ロッドには

パワフルな遠投スピニングを!

 

 最新テクノロジーで各部をビルドアップした「剛弓マダイ/ヒラマサ遠投・F」。これに合わせるリールも、巻き上げパワーがあってタフなものを選びたいものです。

 おすすめは「PRO CARGO遠投」。35mmストロークのロングスプールと高剛性のメタルボディは、パワフルな巻き上げが可能です。ナイロン6号200m巻きの4500番から12号200m巻きの6000番まで取り揃えているので、軽いカゴによる真鯛から特大のヒラマサまで対応します。

 ボディの隙間はマグシールドでシーリングし、コマセの汁や汚れの浸入をブロック。滑り出しの食いつきを抑えたUTDを搭載し、食わせた後のやり取りも安心して行えます。

 

09. 35mmストロークのロングスプールと高剛性のメタルボディを合わせた「PRO CARGO遠投」。「剛弓マダイ/ヒラマサ遠投・F」との相性は抜群です。

10.ボディーの隙間から浸入してくる異物はマグシールドでブロック。コマセの汁や海水で汚れがちなカゴ釣りにおいても、回転の初期性能を長きに渡ってキープします。

11.ドラグは滑り初めの食いつきを抑えたUTDを採用。記録級の大型を食わせても安心してやり取りに集中できます。 

現代のフカセ釣りを見つめ、進化の歩みを止めないダイワの磯ロッド。トーナメント、メガドライDXRなど、ここ数年で多くのアイテムがラインナップを一新しました。その顔ぶれは個性豊かですが、この強固な布陣を敷くうえで、極めて重要なパートを担うのが「大島」です。今回は確かな実釣性能で根強い人気を誇る「大島」をあらためてご紹介しましょう。

 

 

ダイワ磯ロッドの根幹を支える

実戦派・大島

 

 ダイワ磯ロッドの歩みは、実釣とともにありました。大きな熱海ウキの時代から始まり、阿波の割玉ウキから派生した中通しウキ、九州の連玉ウキ、紀州の2段羽根ウキ、関東の棒ウキなど、フカセ釣りの仕掛け、そして釣法は目まぐるしく変化していきます。やがて魚がスレていくにしたがい、極小ウキを用いた繊細な釣り、そして沈め探り釣りや全遊動釣法といった3Dの釣りが生まれ、これらが浸透していくにつれ、磯竿も繊細かつ高感度なものへと進化していきました。

 そんな歴史の先陣を切ってきたのがダイワの最高峰ブランドのトーナメントであり、VIPでした。しかし、先進を追求するアイテムがある一方で、中初級者をサポートし、エキスパートへとつなぐためのアイテムも不可欠です。このクラスはいわゆるミドルクラスと呼ばれる価格帯にありますが、そこそこ釣り込んだ人が手にする竿だけに、価格を抑えつつ実釣性能をキープしなければならないという難しさがあります。値が張りすぎるものは手を出しづらいし、かといって明らかに質を落とした製品は、ただ「我慢して使うもの」にすぎません。

 中価格帯のロッドを手にして「これで十分だよ」というベテランもいますが、これは決して褒め言葉ではありません。どうにか使えるレベルでは単なる廉価版の竿です。コスト的な制限があるなかで何ができるか。これが、中堅クラスの竿に求められる永遠のテーマといえるのです。

 そのなかで、重要な役割を担ってきたのが「大島」です。大島の名を冠した製品は古くから存在しましたが、現在のセミエキスパートモデルというポジションに落ち着いたのは、平成初期にデビューした「SS大島」あたりであったかもしれません。

 ダイワの磯ロッドはアウトガイド、インターライン(中通し)の2つを大きな柱として、前者はトーナメント、後者はメガドライや、かつてのフラッグシップであるマスタードライの調子が軸となっています。しかし、以前にもご紹介したオレガシリーズや、この大島においては、トーナメントとは一線を画したコンセプトのもとで開発しています。

 「大島」のコンセプトをひと言で言い表すなら「妥協なき実釣性能」といえるでしょうか。無駄な装飾は一切省き、釣り竿としての機能を徹底的に磨き上げるというものです。かつての「SS大島」は、当時の最先端であったゴールドサーメットを配した先鋭的なモデルでした。しかし、デザインはブラックを基調としたシンプルなもの。よく言えばシックですが、SZ やVSクラスのトーナメントに比べると。いささか地味であった感も否めません。

 しかしこの飾り気のない実直なスペックが、実戦派の釣り人から絶大な支持を得たのです。余計な装飾を施さないことは、軽量化にもつながります。取り回しが楽で、魚が掛かればノベ竿のごとくスムーズに曲がってダイレクトなやり取りを楽しめます。

 「大島」の存在感は、トーナメントやDXRがバージョンアップした今も健在です。一昨年にデビューした現行の「大島」は、独自のコンセプトがより際立ったモデルです。そして2015年の秋には、メタル穂先を搭載したSMT仕様、長ハリスを用いた深ダナ攻略で活躍する1.5号-57、紀州エリアで盛んなロングハリスのカゴ釣法に対応する長尺T仕様、パワーフカセ用の4号-50HRが加わり、ラインナップがより強固なものとなりました。

 

 

上級機種とはまったく異なる

独自の質感を追求。

 

 「大島」に導入されている主なテクノロジーは、以下のとおりです。

 

  • X45

 ±45°の斜行繊維カーボンシートでブランクスのネジレを防ぐ補強構造です。近場の黒鯛(チヌ)や口太メジナ(グレ)はもちろんのこと、離島の尾長メジナ(グレ)、ヒラマサやカンパチ、大型のシマアジまでカバーする竿が大島。竿を曲げ込んだ際のネジレを徹底的に排除しています。

 

  • Vジョイント

 節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑えるダイワ独自の強化構造です。節の継ぎ目に生じる剪断変形を抑えて調子のつながりを円滑にし、パワーロスを抑制します。

 

  • チタンフレームIMガイド(穂先〜2番固定ガイド/スタンダードモデル、HRモデルのみ)

 優れたライン放出性能を誇る楕円SiCリングを配したチタンフレームIMガイドを、穂先から穂持ちの固定ガイドに搭載しています。遠投モデルには遊動Kガイドを配しています。

 

 穂先は、スタンダードモデルが高強度カーボンソリッドのメガトップと、高感度メタルのSMTの2種類。HRモデルと遠投モデルにはカーボンチューブラーを採用しています。

 ブランクス素材はHVFカーボンです。トーナメントやDXRに使用しているSVFカーボンよりも浸透樹脂量が多いカーボンですが、前回の「銀狼 冴」でも触れたとおり、樹脂量が多いからといってSVFよりも劣るというわけではありません。確かに樹脂量の少ないSVFは軽量で高反発のブランクスを作りやすい高級素材です。しかし、反発を抑えて粘りを全面に押し出した調子は、むしろHVFカーボンのほうが得意といえるかもしれません。

 「大島」の製品紹介ページの埋め込み動画にて、鵜澤政則テスターが「速い潮の中からグイグイ魚を寄せられる」と評していたように、パキパキに張っているのではなく、ナチュラルかつパワフルな粘りで魚を寄せ、浮かせるのが大島の真骨頂なのかもしれません。同じくHVFを使用した「銀狼 冴」と同様に曲がりのストロークが大きく、弾力の調整幅が広いため、急激な引き込みに対して竿を伸されにくいというメリットもあります。グッと曲がり込んでから起き上がるまでに適度な「間」があるので、高反発のロッドを今ひとつ使いこなせないという人にもおすすめです。

 

03.元節の玉口部分にはX45のロゴがあしらわれています。節の継ぎ目はVジョイントでガッチリと補強。スムーズな曲がりはノベ竿感覚です。

04. 最も道糸が絡みやすい穂先から2番節の固定ガイドまでは、楕円リングのIMガイドを搭載。ストレスなく釣りに集中できます。遠投モデルはすべて遊動Kガイドとなります。

05. リールシートはフラッグシップモデルのトーナメントISOと同じ「トーナメントホールドシート」を採用しています。手の平への収まりがよく、ホールド性は良好。HRモデルと遠投モデルにはオリジナルパイプシートを配しています。

06. エンドグリップは滑り止め加工を施したシンプルな仕様。ヒジの位置がピタリと決まり、安定したロッドワークに貢献します。

 

 

SMTモデルの追加で

ラインナップがより強固に!

 

 トーナメントやDXRにはない大島の魅力といえば、ダイワ磯ロッドでも随一のアイテムバリエーションです。この秋に追加となったアイテムを含めると、0.8〜2号のフカセ用スタンダードモデル(メガトップ仕様)と1.25〜2号のSMTモデルを軸に、2〜4号のHRモデル、3〜5号の遠投モデル、2〜3号のTモデルと、それこそ上物釣りをフルカバーといってもよいほどのアイテムを揃えています。特にフカセ用はメガトップモデルにSMTモデルという新たな選択肢が増えたことで、ラインナップがより緻密で強固なものとなりました。

 SMTモデルも、メガトップモデルの穂先だけを変えたものではありません。写真を見てもおわかりいただけるように、穂先の特性を踏まえて各節の長さやガイドバランスを微妙に変えています。カーボンに比べてメタル穂先は重量があるため、元に近い節を長く取ることによって重心を手元へ近づけ、持ち重りを軽減。穂先のガイド数もSMTモデルのほうが1個少なくなっています。2つのアイテムを簡潔に言い表すと、軽さとやや胴に乗る調子のメガトップモデル、感度と先調子のSMTモデルとなるでしょうか。

 最先端のフカセ釣りに対応するスタンダード&SMTモデル、本流釣りや大物とのパワーゲームを見据えたHRモデル、カゴ釣り用のTモデルと遠投モデル。このワイドなラインナップにより、どんなスタイルの釣り人でもお気に入りの1本が見つかるはずです。

07. 上がカーボンソリッドのメガトップモデル、下が超弾性チタン合金のSMTモデル。軽さ&胴に乗る調子、高感度&先調子の2つを選択できます。

08. メガトップモデルとSMTモデルは、それぞれの特性を踏まえた設計がなされています。SMTモデル(下)は持ち重りを軽減するために元に近い節ほど長くなっています。

09. メガトップモデルとSMTモデルはガイドバランスにも違いを持たせています。SMTモデル(上)は1番節(穂先)が短いぶん、遊動ガイドが1つ少なくなります。

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