暑かったり寒かったり。

6月に入ってからは気象に翻弄されている。梅雨入りである。当然、その合間をぬっての釣り。雲のない青空に向かう気持ちが突然の雨。そこで釣りを断念していると意に反して晴れた朝を迎える。異常気象とニュースは伝えるけれど、毎年いまの時期というのはこういうもの。天候の変動を厭わずに釣りへ行く。

 

 

一つ気にかかる事象として、今年は水温がまだ低いかなと感じる。足元の岩根には繁茂している海藻。この海の植物が「藻切れ」することなく残っているのは水温の上昇が遅れていること。まだ春の潮と推察できるのである。

 

プランクトンが少ないので水が妙に澄んでいたり、魚影といえばウミタナゴが群れていたり。投げ釣りの対象魚では戻りガレイが沖合へ旅立たず潜んでいるような様相。気温は夏っぽいが、水中は目を覚ましていない感じ。

 

 

ところが、でした。

根際で仕掛けをしばらく留めておいたところ、カツ、カツという魚信。ジワッと聞いてみたところでクイーンと引き込まれた。横へ走る。これはきっとあの魚とほくそ笑んだ通りの姿。

 

海藻に模した茶褐色の保護色。根際に潜んで貝類や小動物を食んでいるのだろうか。いわゆる根付きのカワハギだった。針掛かりが浅い。仲間を連れてきてくれることを期待して海へ戻した。

 

 

 

次は仕掛けを回収しようと巻いたところ、この魚が飛びついてきた。ウロコがとれやすいのでタオルを敷いて置く。

 

小柄ではあるがエソ。夏を告げる使者。この魚が狙う小魚がすでに寄ってきているのだろうか。期待が高まってくる。一見、まだ春の潮に感じた海。しかし投げ釣りの盛期に突入か。これから梅雨の晴れ間をうかがい通う、キャスティズムのシーズンを確信。

 

日中の照込みが厳しくなってきた。

反面、朝夕は涼しくて肌寒くも感じる頃合い。初夏の天候は不安定で、突然、小さな低気圧が出来たり、そこへ強烈な風が吹き込んできたり。毎年の、ナイトサーフを始める頃の季節感だろうか。

 

暮れなずんでいく西の空と山の端。並継キャスティズムをつないで空へかざしてみる。

 

 

サバの切り身を用意してみた。

いわゆる「身エサ」である。サンマやソウダガツオなども知られるが、サバは皮が丈夫でフルキャストに耐えられることが魅力。脂身と肉質感があるので、ナイター使用はウツボの標的にはなりやすい。しかし、身エサは、同時に嗅覚に優れた肉食性の高い魚たち。カサゴ類やハタ類、アナゴ類にもウケがいい。

 

針先を肉側から皮側に通して向きをかえて、今度は皮側から肉側に通してつけるのが一般的。大きな身はこれを繰り返して縫い刺しにする。

 

 

日没直後、打ち返した3投目。

着底して道糸を落ち着かせた直後だった。ククククっと持っていかれる。道糸を少し送り込んだところ、グングングングンと引き込まれた。竿先を立てると確かな手応えが、、、。

 

おそらくはアナゴ。根に潜られないようやや強引に巻き上げる。黄昏に抜き上げたシルエットは、ナガモノでなく、丸い翼のようなものが。堤防に上げて合点がいった。

 

ホウボウ。投げ釣りではシロギスの引き釣り(とくに早朝や夕刻)でお馴染みの魚。ピンギスを呑んでしまい掛かってくることが多い。サバの肉質が夜回りにきたホウボウの食性にピンときたか。

 

灯りを浴びて輝く胸ビレについ見惚れてしまう。(エサを探して)ほうぼうを動くからホウボウ。ナイトサーフはいろんな顔ぶれとの出逢いの夜になる。

 

今春より登場の新型キャスティズム。

ロッドは前傾したチタンKガイド装着の並継ロッド。リールは待望のスモールパッケージと言うべきキャスティズム25。新しい道具を帯同しての堤防めぐり。心はわくわく、高鳴る胸を抱いての釣行。

 

 

PE、ナイロンを問わずラインのよりスムーズな放出を体感できるKガイドを新しく装着。振り切った直後の感動に浸りながら1カット撮ってみた。このモデルから振出モデルに続いてさらにX45と呼ぶネジレやブレの防止機能も備えている。ロッドの全身にシャープな張りを感じさせる印象。

 

投げる、糸フケをとってラインを落ち着かせる、ゆっくりサビく。一連の操作にふふふと独り悦に入る。

 

 
船道へ落ちてゆく足もとから10mぐらい先。

繁茂するホンダワラの根際でグンっと引き込まれる。初ヒット。新しい道具の場合、このファーストコンタクトの獲物には一応こだわる。適度な手応えと巻き心地を味わいながら凝視した水面。躍り上がったのはオレンジ色の魚。

 

ササノハベラ。ホンダワラの森ではおなじみの顔。ユーモラスで親しみを覚える表情とたたずまい。ふと想う。タックルと同じカラーのオレンジ色。不思議なめぐり逢わせはラッキーなのだろうか。幸運を呼ぶオレンジとまた独り勝手に決めつける。

 

 

いつもの親水公園に立ち寄る。

顔なじみたちが集まってきた。みんなリールに注目している。「ロッドに合っているね」「かわいい」という声も聞いた。振り込んだ直後。ブルっという反応。穂先をすこし送りこむとブルルン。水面にこの魚が現れた。

 

全長18センチ弱。でも体格がいい。長く言われるところの八十八夜を過ぎたシロギス。乗っ込みの盛期にかかってきたようだ。すこし汗ばむ陽気。

投げ釣りの本格シーズン到来。なにが掛かってもとても楽しいキャスティズムを携えて、もっと海辺を歩きたいところ。

 
 
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