いつもの堤防から、すこし足を伸ばした。

水深があって潮の通りがよい。砂地とシモリがまだら状に展開する定番の場所。アオイソメと塩で締めたアサリ。ふたつのエサを交互に使い分けて近場を探っていく。

足元に堤防を築く礎石が入っており、そこから駆け下りるように深くなっていく。その根落ちの、ほんの先の付近に気持ちを集中させた。

 

着底すると即座にアタリはある。しかし針掛かりすることなくエサは消えている。怪しい。時折、穂先を揺らせて上がってくるのは小さなベラ。アオウミタナゴ。その群れのなかに、きっと本命もいるはず。

 

堤防を横に移動しながら、そろりと投げて、じっくり探っていく。

 

 
 

クンとアタったあと、ギューンと引き込まれた。

 

重い。キャスティズムTがかなりしなった。重い重いと巻いてきたら、納得。この大きな口が水の抵抗になっていたようだ。

 

ハタ類の子ども。幼魚とはいえ精悍。背びれや歯が尖り、触れると痛いのでタオルの上に置いた。針を飲んでしまっていたが、先の細いプライヤーでチモトをつまんで喉の奥へ押して外すことに成功。海に戻すことができた。

 

このような珍魚(大きくなれば高級魚だが)を掛けると、気分は上向く。目を凝らして底の砂地と判断できる箇所をピンポイントで投入。そろそろ本命の予感が。

 

 

 

カツカツという乾いた独特のアタリを感知。

 

軽くアワせたら乗ってくれた。海面に現れた灰褐色の魚体。水中では大きく見えても、地上ではこのサイズ。お馴染みのワッペンである。それでも秋になり、水温もそろそろ安定したか。

 

思わず、笑みもこぼれてこちらも海へ戻す。ワッペンカワハギ君は一目散で深みへ消えていった。

 

秋の投げ釣りベストシーズンを迎えた。

魚たちはすぐ手前にまで寄ってきている。投げ釣りの魅力は遠くを狙うことだけれど、足元にもポイントは存在

している。今回は狙いをカワハギと決め、いつもの堤防散歩に出向いた。

 

いきなりブルルーンというアタリ。

 

穂先をひったくって良い体格のキスが姿を見せる。しかし、これでは飛ばし過ぎ。仕掛けが砂地の多い船道に

入ってしまっている。キスの姿はいつ見ても嬉しいものだが、シモリを求めて 目を凝らす。

 

砂地と根との境界にストライクゾーンがあるはず。

 

 

 

 ドン!ときて、引っぱりこまれる。

 

 チカラと重さがある。首を振っている。根に持ち込まれないように一気に巻き上る。

 海面に浮いたのはオレンジ色の魚体。ササノハベラ。

 

 この岩根の魚では、根がキツすぎることを理解する。もう少し砂地を探す。

 

 
 面白いもので、ベラ系にも棲み分けがあるようだ。

 

メスのキュウセンの姿に、砂地の面積が増えてきたことを悟る。カワハギとの共存域が近い。前触れの予感。

 

 
 しかし、このあとはアナハゼ系。またキュウセン。小さな根魚の連続ばかり。ここで見切りをつけるのが秋の
ワハギ探し。きっとどこか、潮の効いたシモリの回りに集まっているはず。

 

 爽やかな秋空のもと、どんどん歩いて本命の魚を探す。

 

 

某河川の河口でマハゼがいい。

こういう情報を聞くと、秋の訪れを感じたりする。ジリジリと肌を焦がす真夏のマハゼもいいが、ゆるい秋風の川端の風情がこの魚に合っている気がする。ひと回り大きくなったアメ色の体に会いたくなった。

 

休日に重なり、ポツポツと見える先客。こちらは投げ釣りなので、隣りと間合いのとれる場所を選んだ。

 

 

さっそく飛びついてきたのは、この魚。セイゴと呼ぶには気の毒なくらい小さい。ミニセイゴか。ハゼ用の針を使っているのですぐに掛かってしまう。群れているので、投入の位置を頻繁に変えて「かわす」ことに終始。

 

それでも釣っては放し、の繰り返し。潮がゆるんでくると、ミニセイゴの姿がピタっと止まった。

 

 

 
 

すると本命の登場。不思議なもの。マハゼにとってセイゴは天敵でもあるので、食事の時合いを見計らったよう。今度は本命ばかりになった。

 

マハゼはコロっと太っていて、これからの落ちに備えているよう。もう少し時が経てば、体調も伸びて、頭が大きくなることが予見される。今年はいつ頃までマハゼが狙えるだろうか。

 

落ちのシーズンぎりぎりの再訪が楽しみになった。

 
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