2014年12月アーカイブ

近所のスーパーマーケット。鮮魚コーナーに立ち寄ると、サンマが目に入った。北海道産サンマは直送されたばかりでピカピカ。冷たい寒流を乗り切るための脂肪を備えてなんとも食欲をそそる。我も我もとお客さんの人気を集めていたが、これを「他の目的」で注視するのは釣り人ぐらいだろう。

 

サンマの身エサ。本当はサバが欲しかったが、あいにく未入荷。しかし、サンマはサバやソウダガツオなどと並んで、エサにする定番的な存在である。サンマも抜群の脂分と発散される臭い。臭味に敏感な魚食性の高い獲物たちを刺激する。

 

 

買い求めたサンマのワタを抜き、三枚に下ろして塩で〆る。下にクッキングペーパーを敷き、水分を滲み出させたら冷蔵庫でひと晩おく。これで身が引き締まり、エサ付けがしやすく身切れも少なくなる。注意点として、塩を振りかけ過ぎたり刷り込んだりしないこと。強塩によって身から皮が剥がれやすくなり、投げ釣りのエサとしての機能を損なう。キャスト時のショックで皮が剥がれてしまっては元も子もない。人間の食べるサンマ同様、適度な塩の〆め具合が釣りエサにも適応のようである。

 

安かったのと無精な性格の故、少々多めに購入して、上記の下処理だけしておく。翌日に使うエサはそのまま冷蔵庫。翌年早々に使う予定の分はラッピングをして冷凍庫で保存。

 

 

用意したサンマを現地で短冊状に切って使う。カットするのにはクッキングバサミが便利。幅を好みにあわせて大小に切っておいてもいい。針づけは縫い刺しでOK。身側から皮側へ針先を出して反転させたら再び身側へ針先を通す。先オモリの胴突き仕掛けで枝ハリスの針はフトコロの広いタイプを選ぶ。身の厚みを確実に貫通させてフトコロに載せていることのできるサイズの針。

 

あわせてスーパーで売られていた生のムキエビも購入した。冷凍技術の発達で、鮮魚コーナーは国内外を問わずいろいろな魚介が揃い、それらは身エサに使える種類も多い。青物、エビ類のほかに、二枚貝、巻貝、付け方を工夫すればいまが旬のカキなども魚の反応はいい。自身の創意と工夫の気持ちをかきたてるスーパーの鮮魚コーナーといえる。

 

では、身エサを使った対象魚にはどんなものが?

 

まず一般的なのは、カサゴ、ソイ、メバルなどの根魚系。アナゴ、ハモ、ウツボ?などのナガモノ系など。続いて小さなヒラメ、暖期間ならコチなどの底生のフラット系。そもそも海水魚はその殆どが魚食性(肉食)ということを鑑みれば、いろいろな魚の食性に訴えかけられるはず。夢のあるブッコミ釣り。

 

 

ところが出かけた日和はあいにくの悪天候。強い南風が吹き、運ばれてくる雲からは時折雨まで落ちてきてポイント変更を余儀なくされる。目論んだポイントとは、すべてが南向きの地磯。黒潮の枝流があたり水深もある。身エサを食む魚の居る(と希望もする)一帯なのだが、とても竿を出せる状況でなく。そこで南からの雨風を背後にできる地磯、堤防、護岸を空模様をうかがいながらランガンする展開に。

 

12月の風になぶられながらも、エサだけはキレイになくなっていく。おそらくはまだ水温が高いので身エサの肉質、匂いに惹かれた小魚たちが集まり、喧噪の海中なのは察しがつく。願わくは、その騒ぎを発見した大型魚が横取りするようなカタチで噛み付いてくれれば‥。季節が冬になると希望的な想像力だけ膨らむのは毎年のこと。

 

アタリを確実に捉えて、掛かってきたのは磯に居るアナハゼの仲間。コロっと体格がよく、頭はどこかカジカのよう。大口なので上顎にガッチリと針掛かりしていた。ハゼ・カジカの類は魚の性格としては好奇心が旺盛で、気性も荒いので、競い合うように身エサへアタックするのだろう。おそらく海中の様子を察するに、身エサがすっかりキレイになくなってしまう時の正体は、アナハゼ、トラギス、小さなフグ、そしてカニなどが主役でなかろうか。

 

 

しばらくすると、なにやらおかしな(違和感のある)感触。なんだか様子がオカシイ。サビいてみると抵抗感があるので巻いてみると今度はヒトデ。手の速さに驚く。カレイ釣りの税金と呼ばれてきたが、身エサにもしっかり反応している。多数の触手はエサの動きを捉え、また臭いの感知に長けていると言われるが、胴突きの仕掛けに浮上してまで食べたのだろうか。

 

ちょっと恐れ入る。脱帽。仕掛けが砂地の多い箇所に入るとヒトデの餌食。こればかりはイソメの釣りと変わらない模様。

 

 

スマホに知人から連絡が入る。知人は近くの護岸でカレイ釣り。そのひと針にこちらの作ったサンマの身エサをつけてくれていたのだが、竿が一気に引きずりこまれたとか。あやうく海中‥。危なかったそう。

 

駆けつけると玉網には大きなアカエイ。太めのカレイ仕掛けなのでなんとか引き寄せることができたが重くて大きい。そしてあたりに漂う強烈な尿素の臭い。キャスティズムTをスケールの目安にさせてもらい写真を撮る。デカイ。

 

そういえば、エイやサメ。軟骨の魚たちにも身エサは好反応のエサ。投げ釣りの沿岸魚では、アカエイ、ドチザメ、磯寄りのネコザメ。どれもが大型で怪力の持ち主たち。冷や汗をかいた知人の顔を眺めてつくづく想う。

 

身エサの投げ釣りで竿を置く場合、QD(クイックドラグ)を緩めることだけは忘れずに。真冬になっても、それぐらいロマンのある身エサの投げ釣り。それらがスーパーで気軽に入手できることが大きな魅力。あ~やめられない。

 

さて、長い間、お付き合い頂いた同ブログですが、来年からは不定期にて更新していきます。今年以上に仕事も忙しくなり、また天気に悩まされ、ますます時間が制約されますが、できる限りタイムリーな情報をお届けしていきますので来年もよろしくお願いします。。

 

イソメと一緒にサバの「身エサ」を持参。

短冊状に切り分けられて冷凍されている。夏場はすぐにクーラーボックスへ収納するが、これからの季節は使う時間にあわせて外へ出して解凍。皮表と身側の縫い刺しで針につける。

投げブッコミで期待できるものは何か。カサゴを始めとした高級魚の根魚。それを釣る為には、税金とも言うべきウツボもそれ以上に釣らなければならない。ウツボを避けるべく、根が点在する砂利浜へいざ出陣。

 

思惑は叶い、投入の当初から賑やかになるキャスティズムの竿先。コツコツ、モソモソ。しかし、磯場と違い食い込みに迫力がない。仕掛けをあげてみるたびに、随所を齧られているサバの身。その形状から、カサゴやアカハタといった根魚でないことが容易に判る。

 

 

 

そこで、エサをイソメに変えてみたら、立ち所に針掛かりした。

 

正体見たり。メスのキュウセン。これは群れでいることが多いので、身エサを寄ってたかってつついていた? 鋭利な歯がサバの赤い身をこそぎおとしていたらしい。こうして、身エサとイソメを使い分けて釣る。身エサを一発で口へ入れる魚はそこそこ体格があるし、エサだけ齧られるのならイソメに変えて様子を見る。

 

アタリはある越したことはない。寒期に入った釣りは特に。

 

 

 

 

砂利の浜を離れて内湾へ移動。入り江の急峻な深みへ投げ入れてみる算段。願わくば、居着きの根魚がいないだろうか。潜んでいそうな場所を選ぶ。石積み堤防やその礎石、根落ち、根と砂の境。水深があると底はまったく見えないが、慎重に底の状態を脈をとるように探る。

 

見上げると、入り江を囲む山々は最後の紅葉を残している。西南に向いた斜面は陽当たりがよく、まだ晩秋の装いというべきか。広葉樹の色彩とよく晴れた青空、キャスティズムのオレンジ。

 

独り悦に入り、スナップを撮ったり、、、、。

 

 
 

ここでもゴツゴツとアタリはとれる。齧られている。皮をくわえて走るらしく引きは結構なもの。それでも乗ってはこない。魚は小さいようだ。

 

イソメに変えたら一度で針掛かり。ササノハベラ。この口の口径では、身エサのひと呑みは大変だろう。おそらく、ベラ族に限らず、共生しているであろうトラギスたちなど、海底に"お祭り"だけは起こしているはず。その騒ぎに反応して、ひとつ大きな魚はこないだろうか。

 

場所をひとつ変えて、さらに深くて潮通しのいい岩に乗る。ガツガツ。そして今度は違った。身エサに掛かった魚。グググっとしなるキャスティズム。

 

 

 

水面にあがってきたのは紅色。最初はハナダイに見える(そんなワケはないのですが)陸に揚げた正体に笑いがこみあげる。ピンクの頬に鱗がない。テンスの仲間で「テンスモドキ」と判別。

 

船釣りでは見かけるものの、岸からの投げ釣りでは珍しい部類に入る。仕掛けがよほど深い溝に入ったのか、それとも潮時で浅瀬へ索餌で動いてきたのか。

 

テンスモドキは美しく、運よく掛かりが浅かった。すぐ海へ戻すとしばらく漂い気味だったが、やがて我を取り戻したかのように深みへ。鮮烈な紅色の体色が濃い緑の水へ同化していったのが印象的。

 

年内は投げブッコミで楽しめそうな感じである。この釣りは夢があり、いつもワクワクする釣りである。

 

 

1