2014年6月アーカイブ

梅雨空をうかがって夕刻から出かけた。夜半からは雨の予報なので短期集中の勝負。遠くへ行くわけでなくいつもの水辺に釣り座をとった。まわりはすべてエギング師。ヒュンヒュンとラインをあおる音が賑やか。こちらは対称的な静かな投げ釣り。オモリが着底したら糸ふけをとりクイックドラグをひと回し。適度なテンションで糸がでるように調節して穂先を見つめた。

なにが釣れるか。海中のどなたかがエサを触って欲しい。

 
使用したエサその1。ユムシを買ってきた。

 

このエサをつけて待つ意味とは、スズキ、クロダイ、マダイ。そんな恐れ多いことは考えない。身近かな場所だし、そこまでは期待してはいけない。しかし、このエサを噛んで引っ張る魚が出現した時には、相応の期待はできるはず。そういう「夢」は大切。投げ釣りの宝くじと考える。小さな魚のエサ取りは避けられるし、3つ4つぐらい持っていても損はないはず。

 

 

使用したエサその2。サバの切り身。

 

肉食性の高い魚にとって「逃げないエサ」は魅力のようだ。夜目にも光るサバ皮は視認性にすぐれて魚にも見つけられやすい。皮も丈夫なのでキャスト時のショックで落ちることも少ない。カサゴやアナゴの定番エサだがひとつ注意はウツボの好餌でもあること。ただウツボを避ける方法といってもすぐ思い浮かばないのが辛いところ。

 

 

キュイーンとドラグが鳴った。60センチほど引きずられた感じ。しばらく待ったがその後が続かない。

 

おそるおそる巻いてみるとハリスが切れていた。チモト付近で噛み切られたような跡がある。なんだろう? ハモだろうか。歯の鋭い魚を推察。ハリスをちょっと太くして再トライ。エサはユムシ。そのエサを噛むのだから高まる期待。

 

ふたたびキュイーンと持っていかれる。竿を手持ちにして心持ち送り込んでやる。また走ったところでスプールをとめて軽く煽ると手応えあり。乗った感触があった。でも軽い。イシモチだろうか。

 

海面から抜き上げると正体はフグ。サイズはソフトボールより大きい。ヒガンフグ、アカメフグと呼ばれる。しかし、これは「おみやげ」にはできない。静かに海へ戻した。

正体は残念だったが一瞬でも高揚がある。ナイトサーフのやめられない理由。

暑かったり寒かったり。

6月に入ってからは気象に翻弄されている。梅雨入りである。当然、その合間をぬっての釣り。雲のない青空に向かう気持ちが突然の雨。そこで釣りを断念していると意に反して晴れた朝を迎える。異常気象とニュースは伝えるけれど、毎年いまの時期というのはこういうもの。天候の変動を厭わずに釣りへ行く。

 

 

一つ気にかかる事象として、今年は水温がまだ低いかなと感じる。足元の岩根には繁茂している海藻。この海の植物が「藻切れ」することなく残っているのは水温の上昇が遅れていること。まだ春の潮と推察できるのである。

 

プランクトンが少ないので水が妙に澄んでいたり、魚影といえばウミタナゴが群れていたり。投げ釣りの対象魚では戻りガレイが沖合へ旅立たず潜んでいるような様相。気温は夏っぽいが、水中は目を覚ましていない感じ。

 

 

ところが、でした。

根際で仕掛けをしばらく留めておいたところ、カツ、カツという魚信。ジワッと聞いてみたところでクイーンと引き込まれた。横へ走る。これはきっとあの魚とほくそ笑んだ通りの姿。

 

海藻に模した茶褐色の保護色。根際に潜んで貝類や小動物を食んでいるのだろうか。いわゆる根付きのカワハギだった。針掛かりが浅い。仲間を連れてきてくれることを期待して海へ戻した。

 

 

 

次は仕掛けを回収しようと巻いたところ、この魚が飛びついてきた。ウロコがとれやすいのでタオルを敷いて置く。

 

小柄ではあるがエソ。夏を告げる使者。この魚が狙う小魚がすでに寄ってきているのだろうか。期待が高まってくる。一見、まだ春の潮に感じた海。しかし投げ釣りの盛期に突入か。これから梅雨の晴れ間をうかがい通う、キャスティズムのシーズンを確信。

1