DAIWA
The Egi Matrix エギマトリックス
山田流エギローテーション 中島流エギローテーション
新たなるローテーション

日中エギング創成期のころの話。エギは3.5号、カラーはオレンジとピンクがあればいいといわれていた。つまり二者択一。現在からするとずいぶん乱暴というか、アバウトなノウハウだ。

しかも、この2色はイカからどう見えるかではなく、単純にアングラーの視認性を基準にしたもの。それでも、ピーカンや澄み潮にはピンク、曇天や雨、濁り潮にはオレンジという基本の公式は存在し、使い分けのベースとなっていた。

事実、あのころはピンクとオレンジがあればイカは十分釣れていたから、こんなシンプルな使い分けでも問題はなかったのだろう。しかし、エギングの人気が上がり、釣り人が増えてくるにしたがって、当然ながら二者択一では済まなくなってくる。

カラーについても背中側の色や模様だけでなく、下地の色が重要であることが分かり、背中の色を固定したまま下地をマーブル、金、ホロ(銀)、赤、夜光と変化させるカラーローテーションも推奨されていた。

さらに、カラーというファクターのほかにアクションやサイズといった要素が追加、その数年後には音(ラトル)のするエギの登場により、状況に応じたエギの使い分けがいかに大切であるかを痛感する。

選択肢の多さにもはや頭が飽和状態のアングラーには追い打ちをかけるようだが、ここでもう1つの要素について考えてみたい。それはエギのフォール姿勢。

昔から、エギは斜め45度前後の角度で沈むものがいいといわれてきた。現在でも何の疑いもなく信じているアングラーも大勢いることだろう。しかし、ピンクやオレンジの3.5号がオールマイティに通用する絶対的存在だった時代ならともかく、ヒットカラーやアクション、サイズなどはその日の状況で目まぐるしく変わることくらいはだれもが認識しているはず。

それならば、沈降姿勢だって同じこと。もちろん45度が悪い、乗らないというのではない。イカの活性やそのときの条件次第では、もっと水平に近い、あるいは頭下がりの姿勢のほうがイカをより刺激すると考えるのが自然ではないか。

45度が最適?

ではなぜ、45度がこれまで支持されてきたのか。あくまで推論だが、サイトフィッシングでイカを発見すると、ほとんどのアングラーが無意識のうちにエギを止めようとする。45度でフリーフォールしていたエギも、ラインにテンションが掛かることで尻が下がり、水平に近い姿勢に変わる。その状態でイカが抱き付けば、非常にエキサイティングなシーンとして脳裏に焼き付くことになる。

深場でのヒットであれば状況を想像するしかないが、自分の目でしかと確認した以上、紛れもない事実として記憶される。そんなことが繰り返された末に45度が支持されるようになったのではないだろうか。

同様に、頭を下げ過ぎた姿勢で沈むエギにはイカは反応しにくいと耳にする。そういわれると、なんとなくイカが抱き付きにくい姿勢なのかと思えてくるから不思議だ。

船からヤリイカやスルメイカを狙う場合、一般的にはプラヅノと呼ばれるものを使う。細長いプラスチックの棒の先に掛けバリが付いたものだが、これを直線状に連ねた直結仕掛け、つまり縦向きで上下するプラヅノにもイカはためらうことなく抱き付いてくる。ということは、頭を下にして沈むエギにアオリイカが反応しにくいというのは、単なる先入観にすぎないのではないだろうか。

異なる姿勢の有効性を実証
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こんな例を持ち出すまでもなく、一部のエキスパートはそれが誤りであることにすでに気付いている。山田ヒロヒトもその一人。

「地域性なのか、イカの個体差なのか、その時々の活性なのかは分かりませんが、頭を下げてストンとフォールさせてやったほうがイカの反応がいいケースは少なくありません。事実、最も頭を突っ込ませてフォールするエメラルダスラトルType Rだけが、めちゃくちゃ効く状況に何度も遭遇しています。要は、その時々でイカにスイッチが入るアクションは変わり続けている、ということだと思うのです。それを人間に合わせろ!といっても完璧に対応するのは無理。だから、エギの姿勢を使い分ける必要があるのです」

そんな山田氏の理論を実証したのが今年6月の鹿児島県甑島。

「基本的に、私は姿勢もさることながら速度も大切だと思っています。まあ、でも速度としても水平に速く落ちるってのは、自然界ではおかしいですよね?でも、ある程度前かがみでスーッて落ちることは大切だと考えています。フリーにした時に、45度よりも少し頭下がりで、スーッて落ちる、その時のスーッの速度がさらに大切で、違和感なくスーッて落ちることが大切。それをしっかりと再現できたのが、ラトルです。エメラルダスラトルType Rはフリーにした時の落ち方が少々早いので、抱かせるというよりも、見せるといったほうがいいでしょう。フリーで落とすことでしっかりと見せ、その後のテンションフォールで食わせる。それがきっちりできる重さとバランス、そして姿勢なんです」

そのパターンが甑島で大爆発!2kgを頭に、多くのアオリイカを釣り上げた。

姿勢の違いを徹底的に把握しよう

DAIWAエメラルダスシリーズのラインナップでは、フォール、ダート、ラトルの3タイプは姿勢が大きく異なるように設計してある。

具体的に解説すると、ダートが45度というスタンダードな姿勢、それよりも水平に近い姿勢で沈むのがフォール、逆にラトルが頭下がりとなる。しかも、フリーフォール時とテンションフォール時でもその姿勢は変わってくる【資料1、2】から、まずはこの3タイプをとことん使い込み、違いをしっかりと頭に入れることが重要。

これを把握したら次なるステップ、ダート、ラトル、フォールの3タイプに、フォールスピードの速いラトル Type Rとダートディープの2タイプを加え、よりきめの細かいローテーションを完成させるとなおベスト。

カラーやサイズと同様、フォール姿勢をローテーションするという発想を持ち、ヒットパターンへの近道として活用できれば、いつもよりアツいエギングを楽しめるだろう。

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