バスカタログ
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 TWSだけでも存分な飛びを発揮することは明らか。現行モデルではSTEEZ AやZILLON TW、そしてTAULA TWなどがその高い性能をフィールドで実証済みだろう。 タフさを求めたベイトリールの多くは中〜大型ルアーの出番が多く、ウェイトをロッドにしっかり乗せた反発力を活かすキャストが主軸となる。しかし、小型ルアーまでも対象範囲に広げた場合、負荷の強いブレーキ力が遠投性能の妨げとなる場合も生じるのも事実。DAIWAはレベルワインドのみならず、スプール機構の開発にも着手した。 それがSVコンセプト。Stress free Versatileの略称。DAIWAマグネットブレーキシステムならではのメリットを最大限に引き出すべく開発された次世代スプール機構の称号だ。 スプール自体の素材を見直し、薄肉化かつ高精度化を図ることで格段に軽量化。軽さは回転数の向上に直結して、中〜重量級ルアーはもちろん、軽量級ルアーへの対応力も向上する。ルアー毎のスプール交換やサイドプレートの開閉などセッティング調整のロスタイムはない。外部ダイヤルのみでブレーキの強弱を調整するだけでいい仕組みだ。 使用するルアーやキャスト方法によって、ブレーキ力を調整する必要もない。SVスプールには適宜、最適なブレーキ力が決まるエアブレーキシステムが搭載される。スプールサイドに位置するインダクトローターはモデル毎に最適なセッティングが施され、回転数の速さと共にサイドプレート側に位置する磁界へと出入りして回転数を制御。一定の回転数を超えるとブレーキがかかり始め、トラブルを未然に防いでくれる。 フルキャストで飛ばす重いルアーには強く、ピッチング及び軽いルアーには弱く。試投を数回繰り返し、セットプレートに位置する外部ダイヤルで最適な値に調整すればいいだけ。一度調整すれば、あとはフィールドコンディションに応じて微調整するのもいい。実に画期的なスプール機構だ。 TWSとSVの融合。それは単なる足し算にとどまらない。 いずれの機構もトラブルレスがキー。その一方で、回転性能と飛びが向上したことにより、恐れることなくアクセルを踏み込むことが可能になる。ブレーキ力は最小限に収めるだけでいい。 外部ダイヤルはまず強めのブレーキ設定からスタート。数回の試投で自身のキャストとの相性を判断。バックラッシュの不安がなければ、ダイヤルを大から小の方向へひと目盛ずつマイナス。さらなる飛びを求め繰り返していけば、自身のキャストにベストマッチの1台が仕上がっていく。 その様は、出力調整を行うピットさながら。無用なブレーキに頼らず、臆せずアクセルを踏み込み最速の称号へと挑むレーサーの如し。必要以上のライン積み込みは、軽量スプールのポテンシャルを潰す。快調なエンジン出力を維持するには、最大限に巻き込まずスプール内側に刻まれるハーフライン程度にとどめておくべきだろう。 最高峰・STEEZに始まり、ZILLIONやTATULAにも搭載されるSVとTWS。続々と対応モデルを増やし、今後、年を重ねる毎にトップダウンは必至だろう。 スピニングリールでは変わらぬ初期性能を維持するマグシールドが淡水専用モデルを除き、今や定番化しつつある。ベイトリールではTWSが、時にSVとの組み合わせがDAIWAのスタンダード、いや世界のスタンダードとなっていくことは想像に難くない。 技術を武器に成長を促す、エンジンとアクセルのフュージョン。多様化する現代アングラーにニーズに向け、DAIWAが出力調整することはない。7臆するな、今こそアクセルを踏み込め最適なブレーキ力常時、高出力を維持するStress free Versatile トラブルレス。

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