バスカタログ
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 SVというエンジンに、TWSというアクセル。今やDAIWAベイトリールのアイコニックな存在となっている2つの最先端テクノロジー。ひとつひとつの優れたファンクションが融合した時、未来への扉が開かれた。 近年ベイトリールに組み込まれるスプールは軽量化及び低抵抗化が進み、忌憚なく言えば、優れた回転性能という本来のポテンシャルを持て余す傾向にあったことは否めない。スプールに伴うブレーキシステムは文字通り、回転の初速にブレーキをかけて制御。トラブルのないセーフティードライブは万人に望まれるが、時に物足りなさを感じる場面が生じていたのも事実だろう。 ベイトリールに付きまとってきた永遠の課題がバックラッシュ。交通事情に例えるならば、いわば不快指数を増す渋滞。交通量の多い道路で車線が減少すれば、車が集中してたちまち数珠繋ぎ。進もうにも進めないジレンマと車中に閉じ込められるストレスがドライバーを襲う。 逆に、車線が増えればどうだろうか。たとえ通勤ラッシュに巻き込まれようと、渋滞とは無縁でスムーズかつスピーディーに目的地へと辿り着けるのではないか。ただし、公道では法定速度内の走行を遵守すべきだろう。 我々アングラーが求める理想はもちろん後者。ベイトリールのラインは公道を走ることもなく、敢えて速度を抑える必要もない。ブレーキは最小限にとどめ、アクセルは最大限に踏み込みたいのが本音だ。 キャストの際、ベイトリールをセットしたロッドを振り抜く。テイクバックで重みをロッドに乗せ、その反発力を活かしてルアーが先へと飛んでいく。 その瞬間、ラインが巻かれたベイトリールのスプールは急激に回転数を増す。オーバーヘッドやサイドからのキャストなら、ゼロから100へと一気に。ピッチングやチョイ投げであれば、50もしくはそれ以下の回転数を見せることになるだろう。 スプールからラインが放出される際、スプール至近に位置するレベルワインドを通過して送り出されていくのがベイトリールの基本構造。しかし、キャスト時、回転数を増したスプールから放出されるラインに抵抗を与え、回転スピードを減速させる要因ともなっているのは事実である。勢いづいたスプール回転から過剰に送り出され、レベルワインドとの間で行き場を失ったラインは複雑に絡み合う。これがアング従来品無抵抗範囲16.2%約5倍TWS無抵抗範囲74.1%ラーに忌み嫌われるバックラッシュのメカニズムだ。 ラインの渋滞を防ぐべくDAIWAが開発したのは、TWSと呼ぶレベルワインド。キャスト時にはT型の大開口部がラインの放出を妨げない。また巻き取り時には細溝がスプールへと誘導する半回転のターンアラウンド構造は、クラッチのON/OFFに同期する画期的な機構となっている。 スムーズなライン放出はトラブルを大幅に軽減する。ラインの低抵抗は遠投性能の大幅向上、そしてフォール時のスピードアップにも貢献することになった。 しかし、DAIWAはそれだけで満足することはなかった。ラインを収納し送り出す大本陣、スプールにも改革を求めたのだ。10.4°21.6mm3.5mm抵抗範囲3.1°21.6mm16.0mm※T3タイプの場合6未来の扉を開いたエンジンとアクセル圧巻のライン放出力ラインの渋滞を防ぐT-WingSystem全アングラーの夢を叶えた異次元の飛び、そして  

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