バスカタログ
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リニアなレスポンスは思い通りの操作を可能に。小池 貴幸 「ドライかつクリアな鼓動。すべての原石がここに」 愛機のひとつとして手放さない小池貴幸は、そう語り始めた。LT規格によるDAIWAスピニングの大改革が行われた2018年の前年のこと。それまでの2000番に相当するTYPE-Ⅰ、2500番のTYPE-Ⅱの名の下に、4桁数字を冠することなく世に産声を上げたのが、淡水専用スピニングの最高峰・STEEZだった。 バスフィッシングを突き詰める上でスピニングに求められるのは軽さと感度、そしてトラブルレス性能。ソルト汎用機に搭載される耐久性は時にオーバースペック。淡水ならではの優位性を獲得すべくDAIWAはバス用フラッグシップ機に革命的メスを入れた。 超軽量ZAIONはボディ、そしてエアローターに採用。後の18 EXISTを始め、エアリーな回転を実現する要としての初採用。敢えてマグシールドや防水パッキンをも削ぎ落とした大幅な軽量化は、オイル仕様ボールベアリングとの相乗効果で、初動とストップにおいて明確なON/OFFの体感を可能に。後のバリスティックFWへと繋ぐ系譜の先駆けだ。冒頭の小池の言葉は、この部分に強く言及している。 リニアにラインを送り出すATD、薄肉アルミで仕上げ抜けるようなキャストフィールのロングキャストABSⅡスプール、中空構造が高剛性へと転化するアルミマシンカットハンドルなど、STEEZスピニングが築き上げた功績は枚挙にいとまがない。 TYPE-Ⅰ、Ⅱ共に、ギア比5.6のHi-SPEEDと4.8のノーマルをラインナップ。アングラーの意思を直に伝える巻き感は他に代えが利かない。淡水専用ソルト対応30type-IISTEEZtype-ILTプリクエル、未来を変えた最高峰の系譜。TATULA世界が認める軽さとタフさのRe-MIX。 「使い方が多少荒くなるのが陸っぱりですが、2年使い込んでノートラブル。その軽さは操作性の高さに繋げる。」 PEスピニング使いの佐々木勝也はLT2500S-XHのヘビーユーザーだ。フロロカーボンのリーダーを組み、時に軽量ルアーの遠投、時にライトリグ全般で野山を駆け巡る。持ち歩くタックルが限られる陸っぱりにおいて代えの効かないモデルのひとつに君臨する。 ドラグMAX5kgという値は少し前のソルト汎用機と同格。元来がグローバル展開となるTATULAだけに、ターゲットはバスだけでなく世界の大物を捕捉。 世界基準、TATULAが標榜するタフコンセプトはベイトリールだけのキャッチコピーではない。バスフィッシングを純粋に楽しめる存分なスペックを持ち合わせながら耐久性は、スピニングにもなお継承される。

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